鳥取県の空き家調査|住宅数が全国最小の県での範囲の決め方

鳥取県の総住宅数は26万2,300戸。47都道府県で最も少ない数字です。市の数も鳥取市・米子市・倉吉市・境港市の4つで、こちらも全国最少になります。
空き家は4万1,300戸、空き家率15.7%。前回の15.5%から0.2ポイント上昇しました。別荘などの二次的住宅を除いた空き家は4万400戸で、5年間に1,900戸(4.9%)増えています。二次的住宅を除いた空き家率15.4%は全国18位です。
数字の規模は小さいものの、県としての面積は約3,507平方キロメートル。同じく住宅数の少ない香川県の1.9倍近くあります。母数は小さいが、歩く面積は広い。この組み合わせが、鳥取県で範囲を決めるときの前提になります。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが鳥取県でどう進めるべきかを整理します。
この記事の結論
- 鳥取県の総住宅数は26万2,300戸で全国最小。市の数も4つで全国最少(令和5年)
- 空き家は4万1,300戸、空き家率15.7%。二次的住宅を除くと15.4%で全国18位
- 面積あたりの住宅数は約75戸/㎢で全国平均の4割強。範囲設計が費用を大きく左右する
- 現住居の敷地以外に土地を持つ世帯は25.3%で全国1位。その86.4%は同じ市町村内にある
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。空き地を含めた調査が有効
記事の目次
鳥取県の空き家を数字で確認する
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」による数値です。
| 項目 | 鳥取県 | 全国 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 26万2,300戸(全国最小・+2.22%) | 6,504万7,000戸(+4.2%) |
| 空き家数 | 4万1,300戸(+1,400戸・+3.5%) | 900万2,000戸(+6.0%) |
| 空き家率 | 15.7%(前回15.5%) | 13.8% |
| 二次的住宅を除く空き家 | 4万400戸(15.4%・+4.9%) | 13.2% |
| 二次的住宅(別荘など) | 900戸(前回1,400戸) | 38万3,500戸 |
| 1住宅当たり延べ面積 | 119.75㎡(全国8位) | 90.86㎡ |
| 1住宅当たり居住室数 | 5.39室(全国6位) | 4.26室 |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計・住宅の構造等に関する集計・土地集計(確報集計)結果」。面積は国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」による。
空き家の増え方は緩やか
空き家の増加率3.5%は、全国の6.0%を下回ります。二次的住宅を除いた空き家でも4.9%増にとどまりました。総住宅数の伸びも2.22%と控えめです。
ただし空き家率15.7%は全国平均13.8%を1.9ポイント上回ります。急増しているわけではないものの、水準としてはすでに高い県だといえます。
住宅は大きい
1住宅当たりの延べ面積は119.75㎡で全国8位、居住室数5.39室は全国6位。全国平均を大きく上回る規模です。持ち家の一戸建てが中心の県で、住宅そのものは広く取られています。
2019年以降に増改築・改修工事を行った持ち家の割合も32.2%で全国6位。大きな持ち家に手を入れながら住み続けるという住まい方が、隣の島根県と同様に定着しています。
県全体が、他県の1都市に近い規模
総住宅数26万2,300戸という数字は、他県の政令指定都市1つ分にも届きません。市の数も4つで全国最少です。
実務上、これは扱いやすい条件です。県全体を1つの商圏として設計でき、市ごとの数字を把握するのに時間がかかりません。「県内のどこから手をつけるか」で迷う余地が、他県より小さくなります。
ただし面積は広い
注意が必要なのは面積です。鳥取県の面積は約3,507平方キロメートル。総住宅数を単純に割ると、1平方キロメートルあたり約75戸になります。全国平均は約172戸ですから、4割強の水準です。
土地調査の料金は調査面積に対する従量制です。つまり同じ費用で確認できる建物の数が、都市部より少なくなります。住宅数が少ないことと、調査が安く済むことは別の話です。市全域ではなく、住宅が集まっている町丁目や集落の単位で範囲を切ることが前提になります。
土地を持っている世帯が全国で最も多い
鳥取県の特徴は、住宅ではなく土地の側にはっきり出ます。
| 項目 | 鳥取県 | 全国 |
|---|---|---|
| 現住居の敷地以外の土地を所有している世帯 | 25.3%(全国1位) | 11.8% |
| 現住居の敷地以外の宅地などを所有している世帯 | 15.2%(全国2位) | 8.0% |
| その所有地が現住居と同じ市区町村にある割合 | 86.4%(全国3位) | 70.9% |
| その所有地が自県内の別の市区町村にある割合 | 6.8%(全国最下位) | 15.0% |
4世帯に1世帯が、自分の住む家の敷地とは別に土地を持っています。全国平均の2倍以上です。しかもその土地の86.4%は同じ市町村内にあり、県内の別の市町村にあるものは6.8%で全国最下位。
所有者は、その場所にいる
この数字が意味するのは明確です。調査で空き地の所有者を特定できれば、その人は同じ市町村内にいる可能性が非常に高いということです。
所有者が県外や遠方にいる県では、DMなど確実に届く手段を用意する必要がありました。鳥取県ではその制約が小さくなります。調査から接触までの距離が短い県だといえます。
目的によって、見るべき数字と調査項目が変わる
| 立場 | 主な目的 | 優先して見る条件 | 調査で指定するとよい条件 |
|---|---|---|---|
| 不動産会社 | 売却・買取につながる物件・用地の発掘 | 住宅が集まる地区の空き家と空き地 | 戸建ての空き家に「空き地(更地)」を追加する |
| リフォーム・外壁塗装会社 | 施工需要のある住宅の発掘 | 前回工事からの経過年数 | 「古家(居住中)」を調査項目に追加する |
| 自治体 | 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 | 集落単位の分布と建物の状態 | 集落単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する |
リフォームは「次の周期」を狙う
改修実施率32.2%が全国6位ということは、未施工の住宅を探す戦略が効きにくい県だということでもあります。隣の島根県(32.6%で全国1位)と同様の傾向です。
ただし1住宅当たりの延べ面積は119.75㎡で全国8位。1件あたりの施工面積は大きく、受注規模で見れば有利です。屋根や外壁の塗装は10年から15年程度の周期で再度必要になるため、2019年前後に工事を行った住宅はこれから次の周期に入ります。「古家(居住中)」を調査項目として指定し、外観の状態を記録しておけば、時期が来た住宅から順に当たれます。
山陰2県での設計も選択肢になる
鳥取県と島根県を合わせても、総住宅数は58万戸あまり。単独の県としては中位の規模にとどまります。両県は改修実施率、土地の所有率、所有地が同じ市町村内にある割合など、住まい方の傾向も似ています。
山陰全域に営業エリアを持つ場合、2県をまたいだ範囲でも同一の基準・フォーマットで調査できます。県ごとの件数と中身を比較したうえで配分を決める進め方も可能です。
空き家と空き地、同じ調査でまとめて押さえられます。
土地を持つ世帯が全国で最も多い県です。空き地を加えると拾える件数が変わります。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
制度の変化が所有者に届いているか
空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。
鳥取県では4世帯に1世帯が現住居の敷地以外に土地を持っています。全国平均の2倍以上です。相続で動く不動産の件数も、それに比例して多くなります。所有者本人が制度の変化を把握しているとは限らないため、伝える役割はこちら側にあります。
なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町村の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。鳥取県では空き家と空き地の組み合わせが特に有効です。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市町・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。集落単位での区切りにも対応します。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。
鳥取県で空き家調査を進めるときの注意点
よくあるつまずき
- 住宅数が少ないから安く済むと考える/費用は面積に対する従量制です。面積あたりの住宅数は全国平均の4割強にとどまります
- 市全域をまとめて発注する/県内は4市しかないぶん1市の範囲が広くなります。町丁目や集落の単位で切ってください
- 空き家だけを調査項目に指定する/土地を持つ世帯が全国1位の県です。空き地を外すと拾える件数を取りこぼします
- 未施工の住宅を探す前提で計画する/改修実施率は全国6位です。次の改修周期を狙うほうが現実的です
- リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります
鳥取県の対応エリア
県内は全4市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。
鳥取市/米子市/倉吉市/境港市
よくあるご質問
空き地も同時に調査できますか?
できます。「空き地(更地)」を調査項目として指定いただければ、空き家と同時に調査し、地図上で色分けして納品します。鳥取県は敷地以外に土地を所有する世帯が全国で最も多いため、この組み合わせをおすすめしています。
県全域をまとめて依頼できますか?
ご相談ください。総住宅数は全国最小ですが、県の面積は約3,507平方キロメートルあります。費用は面積に応じた従量制のため、まず対象範囲を伺ったうえで見積りをご提示します。
集落単位でも依頼できますか?
可能です。市全域ではなく町丁目や字の単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。住宅が集まっている範囲で切るほうが、面積あたりの成果が上がります。
島根県とまたいで調査できますか?
対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。山陰2県の件数と中身を比較したい場合にもご利用いただけます。
居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?
できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。
まとめ
鳥取県は総住宅数26万2,300戸で全国最小、市の数も4つで全国最少です。県全体を1つの商圏として設計しやすく、市ごとの数字を把握するのにも時間がかかりません。
ただし面積は約3,507平方キロメートルあり、面積あたりの住宅数は約75戸と全国平均の4割強。費用は面積に対する従量制なので、住宅数が少ないことと調査が安く済むことは別の話です。範囲は市単位ではなく、住宅が集まっている町丁目や集落の単位で切ってください。
もう一つの特徴が土地です。現住居の敷地以外に土地を持つ世帯は25.3%で全国1位、その86.4%は同じ市町村内にあります。調査対象が多く、所有者もその場所にいる。空き家に空き地を組み合わせれば、1回の調査で拾える件数が変わります。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。
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