広島県の空き家調査|区で中身が正反対になる県での範囲の決め方

広島県の空き家調査|区で中身が正反対になる県での範囲の決め方

広島県の空き家は23万1,400戸で過去最多、空き家率は15.8%です。ところが広島市だけを見ると11.7%で、5年前から0.2ポイント下がっています。県より4.1ポイント、全国平均より2.1ポイント低い数字です。

さらに市内を区ごとに分けると、空き家の中身がまったく違います。中区では空き家の82.3%が賃貸用の共同住宅。一方、安佐北区では48.2%が「その他の一戸建」、つまり放置型の戸建てです。同じ市の中で、拾えるものが正反対になります

県全体でも同じ構造があります。一戸建ての空き家は約8割が放置型、共同住宅の空き家は8割が賃貸用。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが広島県で範囲をどう決めるべきかを整理します。

この記事の結論

  • 広島県の空き家は23万1,400戸で過去最多、空き家率15.8%。一方で広島市は11.7%で0.2ポイント低下(令和5年)
  • 県全体では一戸建ての空き家の約8割が放置型、共同住宅の空き家の8割が賃貸用
  • 広島市内でも中区は賃貸用の共同住宅が82.3%、安佐北区はその他の一戸建が48.2%と正反対
  • 空き家率も区で中区14.6%、安佐南区7.4%と2倍近い差がある
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。町丁目単位の範囲指定に対応

広島県の空き家を数字で確認する

広島県が公表した令和5年住宅・土地統計調査の県内結果による数値です。

項目 広島県 全国
総住宅数 146万5,500戸(+2.4%) 6,504万7,000戸(+4.2%)
空き家数 23万1,400戸(+1万5,800戸・過去最多) 900万2,000戸
空き家率 15.8%(前回15.1%) 13.8%
空き家に占める一戸建て 10万8,600戸(46.9%) 39.1%
空き家に占める共同住宅 11万100戸(47.6%) 55.9%
一戸建ての空き家に占める放置型 約8割 80.9%
共同住宅の空き家に占める賃貸用 約8割
住宅に占める共同住宅の割合 42.4%(過去最高) 44.9%

出典:広島県「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果の概要(広島県確定値)」、広島市「令和5年住宅・土地統計調査結果(概要)」。

一戸建てと共同住宅で中身が正反対

空き家23万1,400戸のうち、一戸建てが10万8,600戸(46.9%)、共同住宅が11万100戸(47.6%)とほぼ半々です。しかし種類別に分けると評価が変わります。

一戸建ての空き家は約8割が放置型。戸数にすると8万7,000戸前後です。対して共同住宅の空き家は約8割が賃貸用、つまり募集中の部屋です。同じ「空き家」でも、調査で拾ったときの中身がまったく違います。

なお居住世帯のある住宅を建て方別に見ると、一戸建てが67万6,500戸で0.9%増、共同住宅が52万500戸で4.3%増、長屋建は2万8,200戸で20.3%減。共同住宅の割合42.4%は過去最高です。

広島市は空き家率11.7%で減少

県全体の空き家率が15.1%から15.8%へ上昇するなかで、広島市は11.9%から11.7%へ0.2ポイント下がりました。全国平均13.8%も下回ります。

市の空き家を種類別に見ると、最も多いのが「賃貸用の共同住宅等」で4万6,400戸、全体の63.0%。次いで「その他の一戸建」が1万5,300戸で20.8%です。広島市の空き家は、その6割以上が募集中の賃貸物件だということになります。

同じ市内でも、区で中身が正反対になる

広島市の8区を比べると、差はさらに極端になります。

空き家の最多種類 区全体に占める割合
中区 賃貸用の共同住宅等(1万1,580戸) 82.3%
安佐北区 その他の一戸建(4,620戸) 48.2%

中区では空き家の8割以上が募集中の賃貸物件。安佐北区では約半分が放置型の戸建てです。空き家率でも中区14.6%に対し安佐南区7.4%と、2倍近い開きがあります。

「広島市で空き家調査を」という依頼は、どの区を指すかで結果がまったく変わります。中区で戸建ての放置型を探しても件数は伸びず、安佐北区で条件を付けずに調査すれば放置型が中心になります。

区・町丁目まで下げると、条件設定が要らなくなる

空き家の種類が地域によってここまで分かれているということは、範囲を正しく切れば、細かい条件指定をしなくても目的に合ったリストになるということでもあります。

土地調査は町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。戸建ての放置型が多い地域を選べば、それだけで歩留まりが上がります。逆に、市全域や県全域でまとめて発注すると、性格の違う地域が混ざったリストになります。

目的によって、選ぶ地域が変わる

立場 主な目的 優先すべき地域の性格 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 戸建ての比率が高い郊外・周辺市 戸建てに限定し、共同住宅を範囲から外す
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 持ち家の築古住宅が集まる地域 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 担当区域の全域 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

県内は都市部・周辺市・島嶼部・中山間で分かれる

広島市と福山市という2つの大きな都市圏があり、その周辺に呉市・東広島市・尾道市・三原市などが並びます。さらに瀬戸内の島嶼部と、三次市・庄原市を含む県北の中山間地区。1つの県に4つの異なる市場が同居しています

調査費用は面積に対する従量制のため、住宅がまばらな地域を市全域で発注すると割高になります。島嶼部や中山間地区を対象にする場合は、集落単位まで範囲を絞り込むほうが費用対効果が上がります。

所有地の2割は県内の別の市町にある

広島県では、現住居の敷地以外に土地を持っている世帯のうち、その所有地が同じ市区町村内にあるのは69.8%。県内の別の市区町村にあるものが20.4%で、これは全国4位の高さです。他県にあるのは9.9%にとどまります。

実務上の意味は明確です。所有者は県内にいる可能性が高いが、物件と同じ市町にいるとは限らないということ。訪問による接触を計画する場合は、県内広域での移動を前提にしておく必要があります。所有者情報の取得からDM発送まで一括で対応することもできます。

区・町丁目を指定して、1地区からお出しできます。

戸建ての放置型が多い地域を選べば、条件指定を減らしても歩留まりが上がります。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

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制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

広島県では、世帯が所有する空き家の59.6%が賃貸・売却用や別荘を除く空き家です。全国平均47.5%を12ポイント上回ります。制度の影響を直接受ける層が、県内の世帯所有空き家の6割を占めるということです。所有者本人が改正内容を把握しているとは限らないため、伝える役割はこちら側にあります。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅を除外した設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

広島県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 「広島市で」と市単位で発注する/中区は賃貸用の共同住宅が82.3%、安佐北区はその他の一戸建が48.2%です。区を指定してください
  • 県全体の空き家率15.8%を基準にする/広島市は11.7%で減少しています。市によって方向が違います
  • 共同住宅を含めて発注する/共同住宅の空き家は約8割が賃貸用です。仕入れが目的なら戸建てに絞ってください
  • 島嶼部や県北を市全域で発注する/面積あたりの住宅数が少なくなります。集落単位で切ってください
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

広島県の対応エリア

県内は全14市を中心に対応しています。町についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。島嶼部も対応可能です。

広島市/呉市/竹原市/三原市/尾道市/福山市/府中市/三次市/庄原市/大竹市/東広島市/廿日市市/安芸高田市/江田島市

よくあるご質問

広島市の特定の区だけでも依頼できますか?

可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。広島市は区によって空き家の種類が大きく異なるため、区を指定していただくことをおすすめしています。

共同住宅を除いて調査できますか?

できます。広島県は一戸建ての空き家の約8割が放置型である一方、共同住宅は約8割が賃貸用です。仕入れが目的の場合は戸建てに限定したほうが歩留まりが上がります。

島嶼部も調査対象にできますか?

対応しています。渡航を伴う場合は日程の組み方が本土とは異なります。対象範囲と件数を伺ったうえで実施方法をご提案します。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

岡山県や山口県とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。

まとめ

広島県の空き家は23万1,400戸で過去最多、空き家率15.8%。一方で広島市は11.7%と低下しており、県と市で方向が違います。

重要なのは中身です。一戸建ての空き家は約8割が放置型、共同住宅の空き家は約8割が賃貸用。そして広島市内でも、中区は賃貸用の共同住宅が82.3%、安佐北区はその他の一戸建が48.2%と正反対です。

これは裏を返せば、範囲を正しく切れば、細かい条件指定をしなくても目的に合ったリストになるということでもあります。区、できれば町丁目まで下げて指定する。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

まず1地区から、広島県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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