岡山県の空き家調査|住宅が増える県での対象エリアの選び方

岡山県の空き家調査|住宅が増える県での対象エリアの選び方

岡山県の総住宅数は95万5,400戸。5年間で3万9,100戸、4.27%増えました。全国平均4.2%を上回り、中国地方5県のなかで最も速いペースです。広島県2.4%、鳥取県2.2%、島根県1.9%、山口県0.9%と比べても差があります。

住宅が供給され続けている県では、空き家は増えにくいはずです。ところが岡山県の空き家は14万2,500戸から15万7,200戸へ、1万4,700戸(10.3%)増加。全国の6.0%を大きく上回りました。空き家率も15.6%から16.5%へ上昇しています。

さらに、賃貸にも売却にも出ておらず別荘でもない放置型は、総住宅数の8.0%から8.6%へ。新しい住宅が増えるかたわらで、既存の住宅が使われなくなっているということです。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが岡山県でエリアをどう選ぶべきかを整理します。

この記事の結論

  • 岡山県の総住宅数は5年で4.27%増。中国地方5県で最も速い(令和5年)
  • それでも空き家は10.3%増の15万7,200戸。全国の6.0%を大きく上回る
  • 放置型の割合は8.0%→8.6%へ上昇。全国平均5.9%のおよそ1.5倍
  • 新築が供給される地区と、空き家が積み上がる地区は同じ県内の別の場所にある
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる

岡山県の空き家を数字で確認する

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」による数値です。

項目 岡山県 全国
総住宅数 95万5,400戸(+4.27%) 6,504万7,000戸(+4.2%)
空き家数 15万7,200戸(+1万4,700戸・+10.3%) 900万2,000戸(+6.0%)
空き家率 16.5%(前回15.6%) 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家の割合 8.6%(前回8.0%) 5.9%
同上の戸数(推計) 約8万2,000戸 385万6,000戸
二次的住宅(別荘など) 5,800戸(前回3,600戸・+61.1%) 38万3,500戸
1か月当たり家賃・間代 4万8,267円(全国16位) 5万9,656円

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計・住宅の構造等に関する集計(確報集計)結果」。放置型の戸数は総住宅数と割合から算出した概数です。

中国5県のなかで岡山だけ住宅が大きく増えた

中国地方5県の総住宅数の増え方を並べると、岡山県の位置づけがはっきりします。

総住宅数の増減率 空き家率 前回の空き家率
岡山県 +4.27% 16.5% 15.6%
広島県 +2.43% 15.8% 15.1%
鳥取県 +2.22% 15.7% 15.5%
島根県 +1.94% 17.0% 15.4%
山口県 +0.90% 19.4% 17.6%

岡山県だけが全国平均を上回る伸びを示しています。それでも空き家率は0.9ポイント上昇。住宅が増えていることと、空き家が増えないことは別の話だということです。

放置型は約8万2,000戸

放置型の割合は8.0%から8.6%へ0.6ポイント上昇しました。戸数にすると約7万3,000戸から約8万2,000戸へ、およそ8,900戸の増加です。増加率は12%前後で、空き家全体の10.3%を上回ります。

空き家に占める放置型の割合はおよそ52%。岡山県で空き家を調査すると、半分以上が市場に出てこない住宅になります

新築が建つ場所と、空き家が残る場所は違う

住宅が増えているのに空き家も増える。この2つが同時に起こるのは、それぞれ別の場所で起きているからです。

地域の性格 起きていること 調査での扱い
岡山市・倉敷市の周辺部 新築が供給され、住宅数が増えている 空き家調査では件数が伸びにくい。空き地・用地の調査が向く
県北部・中山間地区 既存の住宅が使われなくなっている 放置型が中心。集落単位で範囲を切る
旧市街地・古い住宅団地 建て替えが進まず築古が残る 戸建てに限定すれば歩留まりが上がる

県全体の数字で調査範囲を決めると、この違いが見えません。新しい住宅地を調査しても対象はほとんど出ず、逆に古い住宅がまとまって残っている地区を選べば件数は変わります。

二次的住宅が5年で6割増えた

別荘などの二次的住宅は3,600戸から5,800戸へ、61.1%増えました。実数は総住宅数の0.6%と小さいものの、増加率としては全国でも高い部類に入ります。

県北部や瀬戸内の島しょ部を候補に入れる場合、調査結果に管理された別荘やセカンドハウスが混ざる可能性があります。仕入れが目的であれば、範囲の設定段階で除外するか、調査項目を戸建ての空き家に限定してください。

目的によって、選ぶ地域が変わる

立場 主な目的 優先すべき地域 調査で指定するとよい条件
不動産会社(仕入れ) 売却・買取につながる物件の発掘 県北部・旧市街地・古い住宅団地 戸建てに限定し、集落や町丁目単位で範囲を切る
不動産会社(用地) 開発用地の確保 住宅が増えている岡山市・倉敷市周辺 「空き地(更地)」「駐車場」を調査項目に指定
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 持ち家の築古住宅が集まる地域 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 担当区域の全域 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

賃貸市場は中国地方で上位

岡山県の1か月当たり家賃は4万8,267円で全国16位。中国地方では広島県5万1,555円(全国10位)に次ぐ水準です。賃貸市場がある程度機能していることを示す数字といえます。

その一方で放置型の割合は8.6%と全国平均の1.5倍。貸せる住宅は貸されているが、貸せない住宅が残っているという構図です。調査で共同住宅を含めると募集中の物件を拾うことになるため、仕入れが目的であれば戸建てへの限定が効きます。

リフォームは改修の実施率が全国平均を下回る

2019年以降に増改築・改修工事を行った持ち家の割合は29.8%で全国24位、高齢者が住む住宅の一定のバリアフリー化率は46.2%で全国20位。いずれも全国平均に近い水準ですが、耐震診断を行った持ち家は8.1%で全国38位と低くなっています。

施工需要を探す場合、対象は空き家ではなく居住中の築古住宅です。1住宅当たりの延べ面積は103.59㎡で全国平均を上回り、施工面積も相応にあります。「古家(居住中)」を調査項目として指定し、外観の状態を記録しておけば、提案の優先順位もつけられます。

地域によって、調査項目を変えられます。

住宅が増えている地域は空き地調査、空き家が積み上がる地域は戸建て調査。目的に合わせて組めます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

岡山県では放置型が約8万2,000戸、5年間で8,900戸ほど増えました。住宅が供給され続けている県であっても、制度の対象になりうる住宅は着実に増えています。所有者本人が改正内容を把握しているとは限らないため、伝える役割はこちら側にあります。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町村の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。岡山県では地域によって指定する項目を変えると、面積あたりの成果が変わります。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/用地確保/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。集落単位での区切りにも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

岡山県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 住宅が増えているから空き家は少ないと考える/総住宅数は4.27%増ですが、空き家は10.3%増えています
  • 新しい住宅地を調査範囲に含める/増えているのは既存ストックの放置型です。古い住宅が集まる地区を選んでください
  • 県北部や島しょ部を空き家率だけで選ぶ/二次的住宅が5年で61.1%増えています。別荘地を範囲に含めるかを先に決めてください
  • 共同住宅を含めて発注する/家賃水準は中国地方で上位です。募集中の物件を拾うことになります
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

岡山県の対応エリア

県内は全15市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。島しょ部も対応可能です。

岡山市/倉敷市/津山市/玉野市/笠岡市/井原市/総社市/高梁市/新見市/備前市/瀬戸内市/赤磐市/真庭市/美作市/浅口市

よくあるご質問

地域によって調査項目を変えられますか?

できます。住宅が増えている地域では空き地(更地)や駐車場、空き家が積み上がる地域では戸建ての空き家など、エリアごとに調査項目を指定していただけます。目的を伺ったうえでご提案します。

岡山市の特定の区だけでも依頼できますか?

可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。まず1地区で実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。

別荘を除いて調査することはできますか?

可能です。調査範囲の設定段階で別荘地を外す、あるいは調査項目を戸建ての空き家に限定するといった形で調整します。県北部や島しょ部を対象にする場合はご相談ください。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

広島県や兵庫県とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。

まとめ

岡山県の総住宅数は5年で4.27%増え、中国地方5県のなかで最も速いペースでした。それでも空き家は10.3%増、空き家率も16.5%へ上昇。放置型の割合は8.0%から8.6%へ上がり、全国平均5.9%のおよそ1.5倍になっています。

新築が建つ場所と、空き家が残る場所は同じ県内の別の場所です。県全体の数字で範囲を決めると、この違いが見えません。仕入れが目的なら古い住宅が集まる地区を戸建てに限定して、用地が目的なら住宅が増えている地域で空き地を。目的に応じて対象そのものを切り替えてください。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げる進め方をおすすめします。

まず1地区から、岡山県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、用地の確保、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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