徳島県の空き家調査|空き家率全国1位の県での範囲の決め方と費用

徳島県の空き家調査|空き家率全国1位の県での範囲の決め方と費用

徳島県の空き家率は21.3%で全国1位。住宅4.7戸に1戸が空き家という計算になります。全国平均は13.8%、つまり7.2戸に1戸ですから、密度がまるで違います。

さらに中身を見ると差は開きます。賃貸にも売却にも出ておらず別荘でもない放置型は4万7,600戸で、住宅総数に対する割合は12.2%。全国3位の水準です。県内の住宅8.2戸に1戸が放置型という計算で、全国平均の約17戸に1戸と比べると2倍以上の濃さです。

実地調査の観点でいえば、これは1地区を歩いたときに拾える件数が全国でも最上位クラスだということを意味します。ただし徳島県には別の制約もあります。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが徳島県で範囲をどう切るべきかを整理します。

この記事の結論

  • 徳島県の空き家率は21.3%で全国1位。住宅4.7戸に1戸が空き家(令和5年)
  • 放置型は4万7,600戸で総住宅数の12.2%(全国3位)。住宅8.2戸に1戸という濃さ
  • 空き家に占める放置型の割合は57.3%と過半。全国平均42.8%を大きく上回る
  • ただし歩留まりが高い地区ほど、面積あたりの住宅数は少ない。この関係が費用を左右する
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。範囲の切り方が成果を決める

徳島県の空き家を数字で確認する

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」による数値です。

項目 徳島県 全国
総住宅数 38万9,200戸 6,504万6,700戸
2018年からの増減率 +2.2% +4.2%
総世帯数の増減率 +0.2% +4.1%
空き家数 8万3,000戸 900万1,600戸
空き家率 21.3%(全国1位) 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 4万7,600戸(12.2%・全国3位) 385万6,000戸(5.9%)
同上が空き家に占める割合 57.3% 42.8%
住宅に占める一戸建ての割合 69.4% 52.7%
1世帯当たりの住宅数 1.27戸(全国1位) 1.16戸

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)。

空き家の57.3%が放置型

県内の空き家8万3,000戸のうち、放置型が4万7,600戸で57.3%を占めます。賃貸用は3万1,300戸、売却用と二次的住宅はそれぞれ2,000戸台にとどまります。

全国では空き家に占める放置型の割合が42.8%なので、徳島県はこれを14ポイント以上上回ります。徳島県で「空き家」を調査すると、その半分以上が市場にも別荘としても出てこない住宅になるということです。歩留まりという観点では、これほど条件の揃った県は多くありません。

住宅は増え、世帯は横ばい

総住宅数は5年間で2.2%増えた一方、総世帯数の伸びは0.2%にとどまりました。その結果、1世帯当たりの住宅数は1.27戸となり、和歌山県と並んで全国1位です。全国平均は1.16戸ですから、住宅が世帯を大きく上回る状態が固定しています。

空き家数そのものも5年間で8,900戸増え、増加率は12.0%。母数は今後も減る見込みが薄く、調査対象は安定して存在し続けます

歩留まりは高いが、密度は低い

ここが徳島県の実務上の要点です。土地調査の料金は調査面積に対する従量制なので、費用を左右するのは「歩いた面積」であって「見つけた件数」ではありません。

同調査の市区町村別データでは、県内で空き家率が最も高いのは三好市で約38%。しかし山間部は面積あたりの住宅数が少なく、同じ1平方キロメートルを歩いても対象に行き当たる回数は都市部より減ります。

エリアの性格 歩留まり(住宅あたりの該当率) 密度(面積あたりの住宅数) 向いている使い方
山間部・過疎地区 高い 低い 集落単位で範囲を区切る。町丁目や字で指定
徳島市・鳴門市などの市街地 中程度 高い 面積あたりの件数が出る。まず試すならこちら

空き家率のランキングをそのまま調査エリアの優先順位にすると、費用対効果を落とすことがあります。率の高い地区を選ぶ場合は、市全域ではなく集落単位まで範囲を絞り込むことが前提になります。

徳島県で範囲を決めるときの順番

  • まず目的を決める/仕入れなのか、施工提案なのか、実態把握なのかで対象が変わります
  • 次に密度で1回目を決める/初回は市街地寄りで実施し、実際の件数と質を確認する
  • 結果を見て率の高い地区へ広げる/集落単位で区切れば、面積を抑えたまま歩留まりの高さを取れます

一戸建ての割合が69.4%と高いことも有利に働きます。外観から使用状況を判断しやすく、共同住宅のように「どの部屋が空いているか」を建物の外から特定する難しさがありません。

目的によって、見るべき数字と調査項目が変わる

立場 主な目的 優先して見る数字 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 放置型の実数と、面積あたりの密度 戸建ての空き家に加えて空き地も対象に含める
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 持ち家の築年数と外観の傷み 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 放置型の比率が高い集落 集落単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

リフォーム・外壁塗装は持ち家を見る

施工需要を探す場合、対象は空き家ではありません。人が住んでいる築古の戸建てが本命です。徳島県の持ち家は20万6,300戸で持ち家住宅率は68.1%、全国の60.9%を上回ります。木造の割合も63.3%と高く、外観からの劣化判定が効きやすい構成です。

空き家率の高さは、この用途にはほとんど関係ありません。「古家(居住中)」を調査項目として指定し、築年数相当の住宅を地図に落とす形が実務に合います。

自治体は集落単位で押さえる

実態把握が目的なら網羅性が前提になります。営業効率のために絞るのではなく、放置型の比率が高い集落を単位として全域を押さえ、状態別に分類して地図に落とす形です。徳島県のように山間部に対象が集中する県では、市全域ではなく集落や字の単位で区切るほうが、予算に対する精度が上がります。

集落単位での範囲指定にも対応しています。

市全域ではなく「この集落だけ」といった切り方が可能です。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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2023年の法改正で所有者の状況が変わった

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。

従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されています。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

放置型が住宅8.2戸に1戸という徳島県では、この改正の対象になりうる物件の比率も相応に高くなります。所有者が県外に出ているケースでは、建物の現況も制度の変化も把握されていないのが普通です。状況を正確に伝える相手が現れたときに動きやすい所有者でもあります。

なお制度の適用は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な課税や勧告の可否については、所管する市町村の窓口や専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。集落単位での区切りにも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

徳島県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 空き家率のランキング順にエリアを選ぶ/率の高い地区は面積あたりの住宅数が少なく、従量制では費用がかさみます。集落単位まで絞ってください
  • 市全域をまとめて発注する/山間部を含む市では面積が大きくなります。範囲は行政区分ではなく住宅の集まり方で切ってください
  • 初回から率の高い地区に入る/まず市街地寄りで実施して件数と質を確認したほうが、その後の判断がしやすくなります
  • 移動時間を見込まずに日程を組む/複数の集落を対象にする場合、範囲の飛び地は日程に影響します。早めにご相談ください
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

徳島県の対応エリア

県内は全8市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。

徳島市/鳴門市/小松島市/阿南市/吉野川市/阿波市/美馬市/三好市

よくあるご質問

集落単位でも依頼できますか?

可能です。市全域ではなく町丁目や字の単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。山間部を対象にする場合は、この切り方をおすすめしています。

まずどこから調べるとよいですか?

目的によりますが、初回は徳島市周辺など住宅が集まっているエリアで1地区実施し、件数と中身を確認する進め方をおすすめしています。そのうえで率の高い地区へ広げると判断がしやすくなります。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?

調査で特定した地番をもとに所有者情報を取得するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。

自治体の実態把握にも使えますか?

ご利用いただいています。集落や町丁目の単位で調査し、状態別に分類したうえで地図上に可視化する形での納品に対応しています。

まとめ

徳島県は空き家率21.3%で全国1位、放置型の割合も12.2%で全国3位。空き家の57.3%が放置型で、住宅8.2戸に1戸が該当します。一戸建ての割合も69.4%と高く、実地調査で拾える件数という点では全国でも上位の条件が揃っています。

ただし率の高さがそのまま費用対効果になるわけではありません。調査費用は面積に対する従量制なので、率の高い山間部を市全域で発注すると割高になります。目的を決め、初回は住宅が集まっているエリアで試し、結果を見て集落単位で広げる。この順番で進めれば、全国1位という数字を実際の件数として受け取れます。

まず1地区から、徳島県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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