香川県の空き家調査|面積が全国最小の県での範囲の決め方と費用

香川県の空き家調査|面積が全国最小の県での範囲の決め方と費用

香川県の空き家率は18.6%で全国10位。前回調査から0.5ポイント上がり、過去最高を更新しました。賃貸にも売却にも出ておらず別荘でもない放置型は4万7,900戸で、空き家の52.3%を占めます。総住宅数に対する割合は9.7%。全国平均5.9%を大きく上回る水準です。

ここまでは、空き家率の高い他の県と同じ構図です。香川県が違うのは、面積です。香川県の面積は約1,877平方キロメートルで、47都道府県で最も小さい。総住宅数49万2,800戸をこの面積に置くと、1平方キロメートルあたりおよそ263戸という計算になります。全国平均のおよそ1.5倍です。

土地調査の料金は調査面積に対する従量制です。つまり香川県は、歩留まりの高さと面積あたりの密度が同時に成立している数少ない県だということになります。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが香川県で範囲をどう決めるべきかを整理します。

この記事の結論

  • 香川県の空き家率は18.6%で全国10位、過去最高を更新(令和5年)
  • 放置型は4万7,900戸で空き家の52.3%。総住宅数に対する割合は9.7%と全国平均の1.6倍
  • 面積は約1,877㎢で全国最小。面積あたりの住宅数は全国平均の約1.5倍
  • 世帯が所有する空き家の63.6%は相続・贈与で取得、6割超が昭和55年以前の建築
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。範囲を広く取っても負担が相対的に軽い

香川県の空き家を数字で確認する

香川県が公表した令和5年住宅・土地統計調査の県内結果による数値です。

項目 香川県 全国
総住宅数 49万2,800戸(+1.0%) 6,504万6,700戸(+4.2%)
空き家率 18.6%(+0.5pt・全国10位) 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 4万7,900戸(9.7%) 385万6,000戸(5.9%)
同上が空き家に占める割合 52.3% 42.8%
住宅に占める一戸建ての割合 66.5% 52.7%
持ち家住宅率 69.4% 60.9%
昭和55年以前に建築された住宅 24.4%

出典:香川県「令和5年住宅・土地統計調査 結果の概要(香川県分)」、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」。面積は国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」による。

空き家の半分以上が放置型

空き家の内訳は、賃貸用が3万8,200戸(41.7%)、売却用が2,200戸(2.4%)、放置型が4万7,900戸(52.3%)です。市場に出ている供給可能な住宅が4割強を占める一方、過半数は市場に出てこない住宅ということになります。

全国では空き家に占める放置型の割合が42.8%なので、香川県はこれを約10ポイント上回ります。一戸建ての割合も66.5%と全国の52.7%より高く、外観からの判定が効きやすい構成です。

総住宅数が総世帯数を9万300上回る

総住宅数49万2,800戸に対し、総世帯数はこれを9万300下回ります。5年間で総住宅数は5,100戸(1.0%)増えました。全国の4.2%増と比べれば緩やかですが、住宅が世帯を上回る状態は固定しており、空き家率は上昇を続けています

面積が全国最小であることの意味

ここが香川県の実務上の要点です。土地調査の費用は、見つけた件数ではなく歩いた面積で決まります。同じ費用でも、面積あたりの住宅が多いエリアほど確認できる件数が増えます。

項目 香川県 全国
面積 約1,877㎢(全国最小) 約37万8,000㎢
総住宅数 49万2,800戸 6,504万6,700戸
1㎢あたりの住宅数(単純計算) 約263戸 約172戸
空き家率 18.6% 13.8%

面積あたりの住宅数は全国平均の約1.5倍。加えて空き家率は全国平均を4.8ポイント上回ります。「歩けば見つかる密度」と「見つけたものが対象である確率」の両方が高いという条件です。

空き家率が高い県は、山間部や離島を抱えて面積が広いことが多く、その場合は率の高さが費用対効果に直結しません。香川県はこの制約が最も小さい県だといえます。

県全域を対象にする選択肢がある

弊社は通常、まず1〜2地区で実施して結果を確認し、そこから範囲を広げる進め方をおすすめしています。従量制のため、いきなり広い範囲を発注すると費用が読みにくくなるためです。

ただし香川県の場合、県全体の面積が他県の一つの市や郡に近い規模です。市単位、あるいは複数市をまとめた範囲でも、他県より現実的な見積りに収まります。「どこから手をつけるか」で迷う時間を、そのまま調査に回せる県だといえます。

目的によって、見るべき条件が変わる

立場 主な目的 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 放置型の分布と築年数 戸建てに限定し、空き地も対象に含める
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 昭和55年以前の持ち家 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 旧耐震基準の住宅と建物の状態 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

空き家の6割超は昭和55年以前の建築

世帯が所有している空き家を建築時期別に見ると、昭和45年以前が45.5%と最も多く、昭和46〜55年と昭和56年〜平成2年がそれぞれ18.2%。昭和55年以前に建てられた住宅が全体の6割を超えます

県内の住宅全体では、昭和55年以前の建築は24.4%です。つまり住宅全体では4分の1にすぎない層が、空き家では6割以上を占めている。建築時期は、対象を絞るうえで最も効く条件のひとつだということです。古い住宅がまとまって建っている地区を選べば、拾える件数は変わります。

取得方法の63.6%が相続・贈与

世帯が所有する空き家の取得方法を見ると、「相続・贈与」が63.6%と最も高く、次いで「新築・建替」が18.2%、「中古の住宅を購入」が9.1%となっています。全国平均の61.6%をやや上回る水準です。

相続で取得した住宅は、取得した本人が住む予定を持たないまま保有されるケースが少なくありません。所有者の居住地が県外である可能性も、この比率に比例して高くなります。調査で地番を特定したうえで登記情報から所有者事項を取得する手順が、そのまま接触の起点になります。

市単位、複数市単位でもご相談ください。

面積が小さいぶん、他県より広い範囲でも現実的な見積りに収まります。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

香川県では世帯所有空き家の63.6%が相続・贈与によるものです。この改正の影響を直接受ける層が、県内の空き家の主流だということになります。登記名義と実際の所有者が一致するケースは今後増えると見込まれますが、過去分が行き渡るには時間がかかります。現時点では、調査で特定した地番から所有者事項を取得し、現況とあわせて確認する手順が確実です。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市町・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

香川県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 他県と同じ感覚で範囲を絞りすぎる/面積が小さいぶん、他県より広い範囲でも見積りは収まります。まず全体の費用感を確認してください
  • 建築時期を条件に入れない/空き家の6割超は昭和55年以前の建築です。古い住宅が集まる地区のほうが効率が上がります
  • 共同住宅を含めて発注する/賃貸用の空き家が3万8,200戸あります。仕入れが目的なら戸建てに絞ってください
  • 所有者が県内にいる前提で計画する/取得方法の63.6%が相続・贈与です。県外在住の所有者を想定した連絡手段を用意してください
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

香川県の対応エリア

県内は全8市を中心に対応しています。町についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。島しょ部も対応可能です。

高松市/丸亀市/坂出市/善通寺市/観音寺市/さぬき市/東かがわ市/三豊市

よくあるご質問

県全域や複数の市をまとめて依頼できますか?

可能です。香川県は面積が小さいため、他県より広い範囲でも現実的な見積りに収まります。対象範囲と調査項目を伺ったうえで、費用とスケジュールをご提示します。

高松市内の一部エリアだけでも依頼できますか?

可能です。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。まず1地区で試したい場合もご相談ください。

島しょ部も調査対象にできますか?

対応しています。渡航を伴うため日程の組み方が本土とは異なります。対象範囲と件数を伺ったうえで実施方法をご提案します。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?

調査で特定した地番をもとに所有者情報を取得するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくことも可能です。

まとめ

香川県の空き家率18.6%は全国10位。放置型は4万7,900戸で空き家の52.3%を占め、総住宅数に対する割合9.7%は全国平均の1.6倍です。一戸建ての割合も66.5%と高く、実地調査で拾える条件は揃っています。

そして面積は約1,877平方キロメートルで全国最小。面積あたりの住宅数は全国平均の約1.5倍です。空き家率が高い県は面積も広いことが多く、率の高さが費用対効果に結びつかない場合があります。香川県はその制約が最も小さい県です。他県より広い範囲を一度に押さえる選択肢が現実的に取れます。目的と対象を決めたうえで、まずは費用感をご相談ください。

市単位からでも、県全域でもお見積りします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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