大阪府の空き家調査|全国最多の放置型22万戸を絞り込む判断基準

大阪府の空き家調査|全国最多の放置型22万戸を絞り込む判断基準

大阪府の空き家は70万1,900戸。前回調査から7,500戸減り、昭和23年の調査開始以来はじめて減少に転じました。空き家率も15.2%から14.2%へ低下しています。全国の空き家が過去最多を更新するなかで、これは異例の動きです。

ただし内訳を開くと話が変わります。減ったのは賃貸用(1万7,800戸減)と売却用(5,800戸減)。一方で賃貸にも売却にも出ておらず別荘でもない放置型は、20万9,200戸から22万6,900戸へ8.5%増えました。この22万6,900戸は、実数で47都道府県のうち最多です

もう一つ、大阪府にしかない動きがあります。長屋建の空き家が5年間で2万1,800戸、約3割減りました。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが大阪府で何を対象に絞るべきかを整理します。

この記事の結論

  • 大阪府の空き家は70万1,900戸で調査開始以来はじめての減少。空き家率も14.2%へ低下(令和5年)
  • ただし放置型は22万6,900戸へ8.5%増加し、実数は全国最多
  • 一戸建ての空き家に限れば78.0%が放置型。共同住宅は77.4%が賃貸用で性格がまったく違う
  • 長屋建の空き家は5年で約3割(2万1,800戸)減少。大阪固有のストックが急速に入れ替わっている
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる

大阪府の空き家を数字で確認する

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」の大阪府結果による数値です。

項目 大阪府 全国
総住宅数 492万8,600戸 6,504万6,700戸
2018年からの増減率 +5.3% +4.2%
空き家数 70万1,900戸(▲1.1%) 900万1,600戸(+6.0%)
空き家率 14.2% 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 22万6,900戸(+8.5%) 385万6,000戸(+10.6%)
同上が空き家に占める割合 32.3% 42.8%
空き家に占める長屋建の割合 7.1% 4.7%

出典:大阪府総務部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 結果の概要(大阪府)」(2025年2月公表)。

減ったのは賃貸用、増えたのは放置型

空き家70万1,900戸の内訳は、賃貸用が43万6,100戸(62.1%)、放置型が22万6,900戸(32.3%)、売却用が3万戸(4.3%)、二次的住宅が8,800戸(1.3%)です。

この5年間で賃貸用は3.9%減、売却用は16.2%減、二次的住宅は17.0%減。市場に出ている在庫はいずれも縮小しました。一方で放置型だけが8.5%増えています。「大阪の空き家が減った」というニュースは、賃貸市場の空室が埋まった話であり、放置された住宅は増え続けています

一戸建てと共同住宅で、空き家の性格が正反対

空き家を建て方別に見ると、共同住宅が51万2,100戸(73.0%)と圧倒的です。一戸建ては13万8,500戸(19.7%)にとどまります。数だけを見れば共同住宅の府ですが、種類別に分けると評価が逆転します。

建て方 空き家数 うち放置型 放置型の割合
一戸建て 13万8,500戸 10万8,000戸 78.0%
長屋建 4万9,500戸 2万800戸 42.0%
共同住宅 51万2,100戸 9万7,000戸 18.9%

共同住宅の空き家は77.4%が賃貸用で、募集中の部屋がほとんどです。対して一戸建ての空き家は78.0%が放置型。同じ「空き家」でも、調査で拾ったときの中身がまったく違います。

長屋建が5年で3割消えた

大阪府の空き家に占める長屋建の割合は7.1%。全国平均の4.7%を上回ります。居住中の長屋建も11万3,200戸あり、そのうち4万6,700戸は昭和55年以前に建てられたものです。

注目すべきは減少のスピードです。空き家全体は7,500戸減りましたが、その内訳は長屋建が2万1,800戸(30.6%)減る一方、共同住宅は8,900戸、一戸建ては5,600戸増えているという構図でした。長屋建の減少が、府全体の空き家減少をひとりで作り出している計算になります。

長屋建の空き家は42.0%が放置型で、全国平均の32.5%を上回ります。取り壊しや建て替えが進んでいるとみられますが、残っているものは放置型の比率が高いという状態です。地図上でどこに残っているかは、統計では市区町村単位までしか分かりません。

腐朽・破損の有無で優先順位が変わる

府内の空き家のうち「腐朽・破損あり」は11万8,100戸で16.8%。種類別に見ると、放置型では21.8%にのぼり、約4万9,400戸が該当します。賃貸用の14.7%と比べて明確に高い数字です。

実地調査では外観から腐朽・破損の状態を記録できます。22万6,900戸という母数に対して、どこから当たるかを決める軸として使えるのがこの項目です。所有者の切迫度も、建物の状態と相関しやすくなります。

目的によって、絞り込む対象が変わる

立場 主な目的 優先して見る数字 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 一戸建て・長屋建の放置型 共同住宅を除外し、戸建てと長屋建に限定する
リフォーム・外壁塗装 施工需要のある住宅の発掘 中古取得の持ち家と築年数 「古家(居住中)」「古アパート」を調査項目に追加
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 腐朽・破損のある空き家の分布 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

中古住宅の取得が全国平均の1.6倍

大阪府の持ち家228万5,500戸のうち、中古住宅を購入して取得したものは60万3,000戸で26.4%。全国平均の16.2%を10ポイント以上上回ります。そのうちリフォーム前の状態で購入されたものが41万5,400戸(18.2%)です。

つまり中古を買って手を入れるという行動が、全国より定着している市場だといえます。加えて、二重サッシまたは複層ガラスの窓がある住宅は19.8%で全国31.9%を12ポイント下回り、太陽光発電機器がある住宅も2.6%(全国4.9%)にとどまります。断熱・省エネ関連の未施工層は厚く残っています。

自治体は、腐朽・破損と地域差を重ねて見る

府内の空き家率は市町村で差があります。柏原市が20.8%で最も高く、守口市17.1%、門真市17.0%が続く一方、島本町6.3%、豊能町8.9%、茨木市9.1%と低い自治体もあります。

放置型の実数で見ると、大阪市が7万4,100戸で突出し、次いで堺市2万2,200戸、東大阪市1万4,090戸です。率で見るか実数で見るかで重点地区の候補は入れ替わります。ここに腐朽・破損の分布を重ねると、防災・防犯の観点からの優先順位が立てられます。

共同住宅を除いた大阪府のリスト、お出しできます。

戸建て・長屋建に限定した調査や、腐朽・破損の状態記録にも対応します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

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2023年の法改正で所有者の状況が変わった

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。

従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されています。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

大阪府では、世帯が所有する空き家3万7,000戸のうち51.4%が相続・贈与によるものでした。ただし全国の61.6%と比べると低く、代わりに中古住宅を購入して所有している空き家が24.3%(全国11.8%)と高い比率を占めます。相続だけでなく、投資や取得後に活用されないまま残っている物件も一定数あるということです。

なお制度の適用は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な課税や勧告の可否については、所管する市町村の窓口や専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。大阪府では住宅が密集しているため、面積あたりで拾える件数が多くなります。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、府県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅を除外した設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

大阪府で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 「空き家が減ったから対象も減った」と読む/減ったのは賃貸用と長屋建です。放置型は8.5%増え、実数は全国最多です
  • 共同住宅を含めて発注する/共同住宅の空き家は77.4%が賃貸用です。仕入れが目的なら戸建てと長屋建に絞ってください
  • 母数の大きさだけで満足する/22万6,900戸をそのまま追うことはできません。腐朽・破損や築年数で優先順位を決めてから動いてください
  • 市全体をまとめて発注する/従量制のため範囲が広がるほど費用が増えます。1〜2地区で実施し、結果を見て広げるほうが判断しやすくなります
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

大阪府の対応エリア

府内は全33市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。

大阪市/堺市/岸和田市/豊中市/池田市/吹田市/泉大津市/高槻市/貝塚市/守口市/枚方市/茨木市/八尾市/泉佐野市/富田林市/寝屋川市/河内長野市/松原市/大東市/和泉市/箕面市/柏原市/羽曳野市/門真市/摂津市/高石市/藤井寺市/東大阪市/泉南市/四條畷市/交野市/大阪狭山市/阪南市

よくあるご質問

大阪市内の一部の区だけでも依頼できますか?

可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。まず1地区で実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。

共同住宅を除いて調査できますか?

できます。大阪府では一戸建ての空き家の78.0%が放置型である一方、共同住宅は77.4%が賃貸用です。仕入れが目的の場合は戸建て・長屋建に限定したほうが歩留まりが上がります。

建物の傷み具合まで記録してもらえますか?

外観から確認できる範囲で状態を記録します。どの程度の粒度が必要かはヒアリング時にお伺いし、調査項目に反映します。

居住中の古い戸建てや古アパートも対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」「古アパート」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の建物を調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

兵庫県や京都府とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、府県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。

まとめ

大阪府の空き家は調査開始以来はじめて減りました。しかし減ったのは賃貸用と売却用、そして長屋建です。放置型は8.5%増えて22万6,900戸となり、実数では47都道府県で最も多くなっています。

問題は絞り込みです。空き家の73.0%を占める共同住宅は、その77.4%が賃貸用で募集中の部屋。一方、一戸建ての空き家は78.0%が放置型です。調査項目を戸建てと長屋建に限定し、腐朽・破損の状態で優先順位を決める。この2段階を先に決めておけば、22万戸という母数は扱える大きさになります。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

まず1地区から、大阪府の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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受付 10:00〜20:00/年中無休

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