兵庫県の空き家調査|県平均13.8%が使えない県のエリア選び方

兵庫県の空き家率は13.8%。全国平均も13.8%です。小数点まで一致しています。
この数字だけを見れば、兵庫県は「全国並み」の県ということになります。しかし県が公表している地域別データを開くと、話はまったく変わります。県内10地域の空き家率は、最も低い阪神北地域の10.5%から、最も高い淡路地域の23.8%まで。2倍以上の開きがあります。
市町単位まで下げれば差はさらに広がり、5倍を超えます。県平均が全国平均と一致しているのは、性格の違う地域が打ち消し合った結果にすぎません。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが兵庫県でエリアをどう選ぶべきかを整理します。
この記事の結論
- 兵庫県の空き家率は13.8%で全国平均と同値。空き家数38万6,900戸は過去最多(令和5年)
- ただし県内10地域では10.5%〜23.8%と2倍以上の開き。県平均はどの地域の実態も表していない
- 増え方も逆方向。西播磨は空き家が26.4%増、但馬は23.2%増、一方で阪神北は0.6%減
- 市町単位では5倍を超える差。エリア選定は町丁目単位まで下げる必要がある
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる
記事の目次
兵庫県の空き家を数字で確認する
兵庫県が公表した令和5年住宅・土地統計調査の県内結果による数値です。
| 項目 | 兵庫県 | 全国 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 279万8,000戸(+4.4%) | 6,504万6,700戸(+4.2%) |
| 総世帯数 | 241万6,900世帯(+4.0%) | +4.1% |
| 空き家数 | 38万6,900戸(+7.4%) | 900万1,600戸(+6.0%) |
| 空き家率 | 13.8%(+0.4pt) | 13.8% |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 | 約17万2,700戸(6.2%・実数全国3位) | 385万6,000戸(5.9%) |
| 持ち家住宅率 | 64.4% | 60.9% |
| 1世帯当たり人員 | 2.22人 | ― |
出典:兵庫県「令和5(2023)年住宅・土地統計調査 兵庫県調査結果の概要」、および総務省統計局の全国結果。
空き家数は38万6,900戸で過去最多、空き家率13.8%も過去最高です。放置型の実数は約17万2,700戸で、大阪府・東京都に次ぐ全国3位の規模になります。県全体では「全国並み」でも、抱えている量は全国有数ということです。
県内10地域で2倍以上の差がある
兵庫県は、県自身が10地域に区分して数値を公表しています。空き家率の高い順に並べると、次のようになります。
| 地域 | 空き家率(2023年) | 2018年からの差 | 空き家数の増減率 |
|---|---|---|---|
| 淡路 | 23.8% | +0.6pt | +1.3% |
| 但馬 | 21.2% | +3.8pt | +23.2% |
| 西播磨 | 19.0% | +3.2pt | +26.4% |
| 丹波 | 18.4% | +2.0pt | +18.7% |
| 北播磨 | 15.3% | +0.3pt | +6.9% |
| 中播磨 | 14.4% | ▲0.6pt | +1.9% |
| 神戸 | 13.9% | +0.6pt | +8.4% |
| 阪神南 | 12.9% | +0.4pt | +7.9% |
| 東播磨 | 11.4% | ▲0.5pt | +3.5% |
| 阪神北 | 10.5% | ▲0.2pt | ▲0.6% |
最も高い淡路と最も低い阪神北で、13.3ポイントの差。倍率にすると2.3倍です。県平均13.8%に近いのは神戸地域と中播磨地域だけで、残る8地域はいずれも大きく外れています。
増え方も地域で逆を向いている
注目すべきは増減率です。西播磨地域は空き家が26.4%、但馬地域は23.2%、丹波地域は18.7%増えました。一方、阪神北地域は0.6%減っています。
同じ5年間に、県内で空き家が3割近く増えた地域と、減った地域が同時に存在しているということです。県全体の増加率7.4%という数字は、この両方を平均したものにすぎません。
市町単位では5倍を超える
市町まで下げると差はさらに開きます。県が公表している市町別の数値では、佐用町が31.4%と最も高く、相生市27.2%、淡路市26.9%、養父市25.8%が続きます。一方で稲美町は5.7%、播磨町8.0%、福崎町8.9%、三田市と太子町が9.3%です。
佐用町と稲美町の比較で5.5倍。同じ県内でこれだけ違えば、同じ発注条件で同じ結果を期待することはできません。
政令市の区でも動きは一様ではない
神戸市の空き家率は13.9%ですが、区ごとに見ると幅があります。特に兵庫区は2018年の16.2%から2023年には24.7%へ、8.5ポイント上昇しました。空き家数も1万1,370戸から2万500戸へ、約8割増えています。
一方、同じ神戸市内でも東灘区は10.6%、須磨区は11.0%と低い水準です。「神戸市で調査を」という依頼は、区を指定しないと成立しません。政令市を抱える県では、市単位でもまだ粗すぎるということです。
目的によって、選ぶ地域が変わる
| 立場 | 主な目的 | 優先すべき地域の性格 | 調査で指定するとよい条件 |
|---|---|---|---|
| 不動産会社 | 売却・買取につながる物件の発掘 | 放置型の実数が厚い神戸・阪神・播磨の市街地 | 戸建てに限定し、町丁目単位で範囲を切る |
| リフォーム・外壁塗装会社 | 施工需要のある住宅の発掘 | 持ち家率が高く住宅が密集する阪神北・東播磨 | 「古家(居住中)」を調査項目に追加する |
| 自治体 | 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 | 空き家率が急上昇した但馬・西播磨・丹波 | 集落単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する |
不動産会社が仕入れを目的とする場合、空き家率の高い淡路や但馬を選びがちですが、実数で見れば神戸地域が11万8,400戸と圧倒的です。率で選ぶか実数で選ぶかで、候補地はまったく入れ替わります。
リフォーム・外壁塗装が目的なら、対象は空き家ではなく居住中の持ち家です。兵庫県の持ち家住宅率は64.4%で全国の60.9%を上回ります。空き家率が最も低い阪神北地域でも、持ち家の築古住宅という母数は十分にあります。この場合、空き家率の順位はエリア選定の根拠になりません。
地域を指定して、1地区からお出しできます。
神戸市の特定の区、播磨の一部、淡路の集落単位など、細かい範囲指定に対応します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
2023年の法改正で所有者の状況が変わった
空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。
従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されています。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
兵庫県のように地域差が大きい県では、制度の運用状況も市町によって差が出ます。空き家率が急上昇した但馬や西播磨の市町と、減少に転じた阪神北の市町では、対策の進み方も異なると考えたほうがよいでしょう。
なお制度の適用は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な課税や勧告の可否については、所管する市町の窓口や専門家への確認をご案内ください。
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。集落単位での区切りにも対応します。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。
兵庫県で空き家調査を進めるときの注意点
よくあるつまずき
- 県平均13.8%を基準にする/県内は10.5%から23.8%まで開いています。県平均に近いのは10地域のうち2地域だけです
- 「神戸市で」と市単位で発注する/区によって10.6%から24.7%まで差があります。区、できれば町丁目まで指定してください
- 率の高い地域だけを候補にする/実数では神戸地域が11万8,400戸で最多です。目的が仕入れなら実数も併せて見てください
- 5年前のデータで判断する/西播磨は26.4%増、但馬は23.2%増と大きく動いています。地域によって前提が変わりました
- リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります
兵庫県の対応エリア
県内は全29市を中心に対応しています。町についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。淡路島も対応可能です。
神戸市/姫路市/尼崎市/明石市/西宮市/洲本市/芦屋市/伊丹市/相生市/豊岡市/加古川市/赤穂市/西脇市/宝塚市/三木市/高砂市/川西市/小野市/三田市/加西市/丹波篠山市/養父市/丹波市/南あわじ市/朝来市/淡路市/宍粟市/加東市/たつの市
よくあるご質問
神戸市の特定の区だけでも依頼できますか?
可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。神戸市は区によって空き家率が大きく異なるため、区を指定していただくことをおすすめしています。
淡路島や但馬の集落単位でも依頼できますか?
対応しています。市全域ではなく町丁目や集落の単位まで絞り込んだ範囲指定が可能です。移動を伴うエリアについては、範囲と件数を伺ったうえで実施方法をご提案します。
まずどこから調べるとよいですか?
目的によります。仕入れが目的なら放置型の実数が厚い市街地、実態把握が目的なら空き家率が急上昇した地域から、それぞれ1地区で実施して中身を確認する進め方をおすすめしています。
居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?
できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。
大阪府や京都府とまたいで調査できますか?
対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、府県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。
まとめ
兵庫県の空き家率13.8%は、全国平均と小数点まで一致します。しかしこの一致に意味はありません。県内10地域は10.5%から23.8%まで開いており、県平均に近いのは神戸と中播磨の2地域だけです。市町まで下げれば差は5倍を超えます。
増え方も逆方向です。西播磨は26.4%増、但馬は23.2%増、一方で阪神北は0.6%減。同じ5年間に、県内で正反対のことが起きています。放置型の実数は約17万2,700戸と全国3位の規模があり、母数は十分。問題は、どの地域をどの単位で切るかです。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。
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不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。
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