京都府の空き家調査|京都市だけ減った府での対象エリアの選び方

京都府の空き家率は13.1%。前回調査から0.3ポイント上がり、空き家数も8,600戸増えて18万400戸になりました。全国と同じく増加しています。
ところが京都市だけを見ると、数字が逆を向いています。空き家率12.5%で0.4ポイントの低下、空き家数も700戸減少して10万5,300戸。全国と府が増えるなかで、市は減っています。
ここから分かることは一つです。府全体で増えた8,600戸は、すべて京都市以外の地域で発生しています。市が700戸減った分を差し引けば、市外での増加は9,300戸を超える計算になります。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが京都府でエリアをどう選ぶべきかを整理します。
この記事の結論
- 京都府の空き家率は13.1%(+0.3pt)だが、京都市は12.5%で0.4ポイント低下(令和5年)
- 府全体は8,600戸増、京都市は700戸減。増加分はすべて市外で発生している
- 京都市内でも区で逆方向。東山区は3.2ポイント低下、上京区は2.4ポイント上昇
- 京都市の市場に流通していない空き家は4万4,300戸で、前回から減少。対策なしの推計6万8,700戸を大きく下回った
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる
記事の目次
京都府と京都市で、数字が逆を向いている
京都市が公表した令和5年住宅・土地統計調査の比較資料による数値です。
| 項目 | 京都市 | 京都府 | 全国 |
|---|---|---|---|
| 空き家率 | 12.5% | 13.1% | 13.8% |
| 前回からの増減 | ▲0.4pt | +0.3pt | +0.2pt |
| 空き家数 | 10万5,300戸 | 18万400戸 | 900万戸 |
| 前回からの増減 | ▲700戸 | +8,600戸 | +51万戸 |
出典:京都市「令和5年住宅・土地統計調査の結果(空き家率、空き家数)について」、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」。
府の空き家18万400戸のうち、京都市が10万5,300戸を占めます。府の空き家の6割近くが京都市にありながら、その京都市だけが減少しているという構図です。
市外での増加は9,300戸を超える
府全体で8,600戸増え、京都市で700戸減った。この2つを差し引くと、京都市以外の地域では9,300戸増えたことになります。
京都府は南北に長く、京都市を除けば山城、南丹、中丹、丹後といった地域に分かれます。調査対象という観点では、増えているのはこれらの地域です。府平均13.1%という数字は、減少している市と増加している市外を足して割ったものにすぎません。
京都市の減少には背景がある
京都市の資料によれば、平成25年の調査までは市の空き家率が全国平均を上回っていました。その後、平成26年に「京都市空家等の活用、適正管理等に関する条例」を制定し、総合的な空き家対策を実施した結果、前回調査から減少に転じ、今回さらに減少しています。
市場に流通していない空き家(統計上の放置型にあたる区分)も、4万4,300戸へ減少しました。対策を実施しなかった場合は6万8,700戸まで増えると推計されていた数字です。実態を把握したうえで対策を積み重ねれば、数字は動くという事例になっています。
京都市内でも、区によって方向が違う
市全体は減少していますが、11の行政区のうち減少したのは7区です。残る4区は増えています。
| 行政区 | 空き家率 | 前回からの増減 |
|---|---|---|
| 東山区 | 16.4% | ▲3.2pt |
| 下京区 | 15.7% | +0.9pt |
| 南区 | 13.9% | ▲1.0pt |
| 山科区 | 13.7% | ▲0.4pt |
| 上京区 | 13.2% | +2.4pt |
| 北区・伏見区 | 12.7% | ▲1.5pt/▲2.0pt |
| 西京区 | 11.7% | +1.9pt |
| 左京区 | 11.4% | ▲0.4pt |
| 中京区 | 10.8% | +0.8pt |
| 右京区 | 10.2% | ▲1.1pt |
東山区は3.2ポイント下がり、上京区は2.4ポイント上がりました。同じ市内で、5年間に正反対のことが起きています。
「京都で調査を」では、範囲が決まらない
京都府と京都市で増減の向きが逆、京都市内でも区によって逆。この3層構造がある以上、府単位はもちろん、市単位でも発注条件としては粗すぎます。
土地調査では町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。「上京区のこの一帯」「山城地域のこの市の駅周辺」といった切り方であれば、数字の動きと実際の調査範囲が噛み合います。
目的によって、選ぶエリアが変わる
| 立場 | 主な目的 | 優先すべきエリア | 調査で指定するとよい条件 |
|---|---|---|---|
| 不動産会社 | 売却・買取につながる物件の発掘 | 空き家が増えている市外の地域、市内なら増加区 | 戸建てに限定し、町丁目単位で範囲を切る |
| リフォーム・外壁塗装会社 | 施工需要のある住宅の発掘 | 築古の持ち家が残る地域全般 | 「古家(居住中)」を調査項目に追加する |
| 自治体 | 実態把握、対策計画の効果検証 | 担当区域の全域 | 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する |
自治体にとっては、実態把握が指標になる
京都市の事例が示しているのは、空き家の数を政策目標として管理するには、まず現況を正確に把握する必要があるということです。市場に流通していない空き家を4万4,300戸と数えられるからこそ、目標値との比較ができます。
統計調査は5年に1度で、市区町村単位までしか結果が出ません。町丁目単位でどこに何戸あるか、どの状態かを把握するには、現地を歩いて記録する調査が必要になります。弊社では自治体向けに、町丁目単位で空き家を調査し、状態別に分類して地図上に可視化する形での納品に対応しています。
不動産・リフォームは方向が違う
仕入れが目的なら、対象が増えている市外の地域が候補になります。一方、リフォームや外壁塗装が目的の場合、本命は空き家ではなく居住中の築古住宅です。京都市内で空き家が減っているということは、流通や活用が進んでいるということでもあり、改修需要そのものは市内にも十分にあります。空き家率の増減は、この用途では判断材料になりません。
区・町丁目を指定して、1地区からお出しできます。
京都市内の特定の区、山城や丹後の一部地域など、細かい範囲指定に対応します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。
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受付 10:00〜20:00/年中無休
制度の変化が所有者に届いているか
空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。
京都市のように条例を含めた対策を進めてきた自治体がある一方、市外では空き家が増え続けています。制度と対策の進み方が、同じ府内でも一様ではないということです。調査で特定した地番から所有者事項を取得し、現況とあわせて確認する手順が確実です。
なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町村の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、府県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。
京都府で空き家調査を進めるときの注意点
よくあるつまずき
- 府平均13.1%を基準にする/京都市は減少、市外は増加と方向が逆です。平均はどちらの実態も表していません
- 「京都市で」と市単位で発注する/11区のうち7区が減少、4区が増加しています。区、できれば町丁目まで指定してください
- 市内の減少を「対象がない」と読む/減っているのは空き家であって、居住中の築古住宅は別の話です。目的によって見る数字が変わります
- 市外を一括りにする/山城・南丹・中丹・丹後では住宅の集まり方が異なります。集落や駅周辺など、住宅の集積に合わせて範囲を切ってください
- リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります
京都府の対応エリア
府内は全15市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。
京都市/福知山市/舞鶴市/綾部市/宇治市/宮津市/亀岡市/城陽市/向日市/長岡京市/八幡市/京田辺市/京丹後市/南丹市/木津川市
よくあるご質問
京都市の特定の区だけでも依頼できますか?
可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。京都市は区によって空き家率の動きが異なるため、区を指定していただくことをおすすめしています。
京都市以外の地域も対応していますか?
対応しています。山城、南丹、中丹、丹後の各地域についても、市町単位あるいは集落単位での範囲指定が可能です。
居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?
できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。
自治体の実態把握や計画の効果検証にも使えますか?
ご利用いただいています。町丁目単位で調査し、状態別に分類したうえで地図上に可視化する形での納品に対応しています。継続的に同じ範囲を調査することで、前回との比較もできます。
大阪府や滋賀県とまたいで調査できますか?
対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、府県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。
まとめ
京都府の空き家率13.1%は前回から0.3ポイント上昇しましたが、京都市は12.5%へ0.4ポイント低下しました。府全体で8,600戸増えるなかで、市は700戸減っています。府の増加分は、すべて京都市以外で発生しているということです。
市内も一様ではありません。11区のうち7区が減少、4区が増加。東山区は3.2ポイント下がり、上京区は2.4ポイント上がりました。府、市、区の3つの層で数字の向きが違う以上、府平均も市平均も、調査範囲を決める根拠にはなりません。目的を決め、町丁目単位まで下げて1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。
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