神奈川県の空き家調査|所有者が県外にいる前提での進め方と費用

神奈川県の空き家調査|所有者が県外にいる前提での進め方と費用

神奈川県の空き家率は9.8%で全国45位。しかも前回調査の10.8%から1.0ポイント下がり、空き家数も1万7,600戸(3.6%)減っています。全国の空き家が過去最多を更新するなかでの減少です。

それでも実数は46万7,100戸。総住宅数が476万5,000戸と全国3位の規模なので、率が低くても量は残ります。率で判断すると最下位クラス、実数で見ると全国有数という県です。

そして神奈川県には、調査後の動き方を左右する条件があります。県内の世帯が持っている宅地のうち、33.8%は他県にあります。全国平均は14.1%、東京都に次いで全国2位の高さです。裏を返せば、県内の空き家や空き地の所有者も、県外に住んでいる可能性が高いということになります。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが神奈川県でどう進めるべきかを整理します。

この記事の結論

  • 神奈川県の空き家率は9.8%で全国45位。空き家数も1万7,600戸(3.6%)減少した(令和5年)
  • ただし実数は46万7,100戸。総住宅数が全国3位のため、率が低くても量は多い
  • 放置型は総住宅数の約3.2%で全国46位。戸数にすると15万戸台
  • 県内世帯が持つ宅地の33.8%は他県にある(全国14.1%)。所有者が県外にいる前提で設計する必要がある
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。所有者特定からDM発送まで一括対応

神奈川県の空き家を数字で確認する

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」による数値です。

項目 神奈川県 全国
総住宅数 476万5,000戸(+5.8%) 6,504万7,000戸(+4.2%)
空き家数 46万7,100戸(▲1万7,600戸・▲3.6%) 900万2,000戸(+6.0%)
空き家率 9.8%(全国45位・前回10.8%) 13.8%
二次的住宅(別荘など) 1万5,300戸(前回1万8,100戸) 38万3,500戸
二次的住宅を除く空き家率 9.5%(全国45位) 13.2%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 約3.2%(全国46位) 5.9%
1住宅当たり延べ面積 76.12㎡(全国44位) 90.86㎡

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計・土地集計(確報集計)結果」。

空き家が1万7,600戸減った

総住宅数は26万1,500戸増えて476万5,000戸。増加率5.8%は全国でも上位です。それでも空き家は減りました。供給された住宅がそのまま埋まり、既存の空き家も解消が進んだという動きになります。

別荘などの二次的住宅も1万8,100戸から1万5,300戸へ2,800戸減っています。空き家の種類を問わず、市場が動いている県だといえます。

それでも実数は46万7,100戸

ただし率と量は別の話です。空き家率9.8%は全国45位ですが、実数46万7,100戸は総住宅数が大きいぶん残ります。放置型に絞っても総住宅数の約3.2%、戸数にすると15万戸台です。

「率が低い=対象がない」という読み方は、母数の大きい県では成り立ちません。判断材料になるのは実数のほうです。

所有している土地の3分の1が県外にある

神奈川県で特徴的なのは、土地の持ち方です。

項目 神奈川県 全国
現住居の敷地を所有している世帯 42.7%(全国43位) 47.1%
現住居の敷地以外の宅地などを所有している世帯 5.4%(全国45位) 8.0%
その所有地が現住居と同じ市区町村にある割合 51.8%(全国46位) 70.9%
その所有地が他県にある割合 33.8%(全国2位) 14.1%

敷地以外に宅地を持っている世帯の割合そのものは5.4%と低く、全国45位です。しかし持っている場合、その3分の1は他県にあります。同じ市区町村内にあるのは51.8%で、全国46位です。

福井県とは正反対の構造

比較すると分かりやすくなります。福井県では敷地以外の宅地を持つ世帯が15.5%で全国1位、その所有地の87.1%が同じ市区町村内にありました。神奈川県はどちらの数字も反対側に位置します。

この差は、調査後の進め方に直結します。神奈川県内の空き家や空き地を調べて所有者を特定しても、その人が県内にいるとは限りません。訪問による接触を前提にした計画は、成立しにくい県だということです。

DMを含めた設計が現実的

所有者が遠方にいる場合、まず必要なのは確実に届く連絡手段です。土地調査では、調査で特定した地番から登記情報(所有者事項)を取得し、そのままDMの印刷・封入・発送まで一括して対応できます。

費用は登記情報取得が1件750円(税別)、DM印刷・封入・発送代行が1通180円(税別)です。調査から接触までを一本の流れにしておけば、所有者の居住地に左右されずに件数を処理できます

目的によって、見るべき数字と調査項目が変わる

立場 主な目的 優先して見る数字 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 放置型の実数と戸建ての集積 戸建てに限定し、DM発送まで含めて設計する
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 築古の持ち家と外観の傷み 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 放置型の比率が高い地区と建物の状態 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

政令市が3つある唯一の県

神奈川県には横浜市・川崎市・相模原市の3つの政令指定都市があり、合わせて28の行政区が置かれています。これは全国で神奈川県だけの条件です。

「横浜市で調査を」という依頼は、18区のどこを指すかで内容がまったく変わります。土地調査は町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しているため、区、さらに町丁目まで下げて指定していただくほうが、結果の精度が上がります。

県内の差は3倍以上

県平均は9.8%ですが、同調査の市区町村別データによると、県内で空き家率が最も高いのは湯河原町で約34%。県平均の3倍以上です。

ただしこの数字は別荘の影響を含みます。県西部や三浦半島の一部を候補に入れる場合は、二次的住宅が混ざる前提で件数を見積もる必要があります。仕入れが目的であれば、調査範囲の設定段階で別荘地を外すか、戸建ての空き家に限定する調整をおすすめします。

調査から所有者へのDM発送まで、一括で対応します。

所有者が県外にお住まいでも、リストの作成から発送まで一本の流れで進められます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

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制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

神奈川県のように所有者が県外にいるケースが多い地域では、制度が変わったこと自体が所有者に届いていない可能性が高くなります。現地の状況も、市区町村からの通知も、遠方にいるほど把握しにくくなるためです。伝える役割はこちら側にあります。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市区町村の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。神奈川県は面積あたりの住宅数が多いため、同じ費用で確認できる建物の数は他県より多くなります。調査期間は対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、都県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。別荘地を範囲から外す設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。所有者の居住地が県外でも対応します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

神奈川県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 空き家率9.8%で対象なしと判断する/実数は46万7,100戸あります。母数の大きい県では率ではなく実数で見てください
  • 訪問前提でアプローチを設計する/所有地の33.8%は他県にあります。DMなど確実に届く手段を先に用意してください
  • 「横浜市で」と市単位で発注する/県内には3政令市・28区があります。区、できれば町丁目まで指定してください
  • 県西部を空き家率の高さだけで選ぶ/二次的住宅の比率が高い地域があります。別荘地を範囲に含めるかを先に決めてください
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

神奈川県の対応エリア

県内は全19市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。

横浜市/川崎市/相模原市/横須賀市/平塚市/鎌倉市/藤沢市/小田原市/茅ヶ崎市/逗子市/三浦市/秦野市/厚木市/大和市/伊勢原市/海老名市/座間市/南足柄市/綾瀬市

よくあるご質問

所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?

調査で特定した地番をもとに所有者情報を取得するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくことも可能です。

横浜市の特定の区だけでも依頼できますか?

可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。神奈川県は3つの政令市に28の区があるため、区を指定していただくことをおすすめしています。

別荘を除いて調査することはできますか?

可能です。調査範囲の設定段階で別荘地を外す、あるいは調査項目を戸建ての空き家に限定するといった形で調整します。県西部や三浦半島を対象にする場合はご相談ください。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

東京都や静岡県とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、都県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。

まとめ

神奈川県の空き家率9.8%は全国45位で、空き家数も3.6%減りました。ただし実数は46万7,100戸、放置型に絞っても15万戸台あります。総住宅数が全国3位の県では、率ではなく実数が判断材料になります。

もう一つ押さえておきたいのが、所有者の居住地です。県内世帯が持つ宅地の33.8%は他県にあり、同じ市区町村内にあるのは51.8%で全国46位。訪問を前提にしたアプローチが成立しにくい県です。調査で地番を特定し、登記情報から所有者を割り出し、DMで確実に届ける。この流れを最初から設計しておけば、所有者の居住地に左右されずに進められます。まずは区・町丁目を指定した1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

まず1地区から、神奈川県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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