三重県の空き家調査、どこから手をつけるか|優先順位と依頼の流れ

三重県の空き家は14万3千戸。そのうち、売却にも賃貸にも出ていない放置型が8万3千戸あります。総住宅数に対する割合は9.5%で、全国平均5.9%を大きく上回る水準です。
母数が厚いことは、仕入れの機会が多いことを意味します。ただし同時に、別の問題も生みます。全部は回れないということです。リストが1万件あっても、DMを打てる予算と、追客できる人員には限りがあります。
この記事では、令和5年住宅・土地統計調査で三重県の空き家の実像を確認したうえで、どこから手をつけるかの優先順位のつけ方、そして納品されたリストをどう動かすかまでを解説します。
この記事の結論
- 三重県の空き家率は16.3%で、全国平均13.8%を2.5ポイント上回る(令和5年)
- 放置型の空き家は8万3千戸・総住宅数の9.5%。全国平均5.9%を大きく超える
- 空き家に占める放置型の比率は約58%。持ち家住宅率72.3%の高さがこれを裏づける
- 母数が厚いため、「どこを調べるか」より「調べた後にどこから当たるか」で成果が変わる
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。所有者情報の取得からDM発送まで一括で対応できる
記事の目次
三重県の空き家を数字で確認する
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計・確報集計)」による数値です。
| 項目 | 三重県 | 全国 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 約87万4千戸 | 約6,504万7千戸 |
| 空き家数 | 約14万3千戸 | 約900万2千戸 |
| 空き家率 | 16.3% | 13.8% |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 | 約8万3千戸(9.5%) | 約385万6千戸(5.9%) |
| 住宅に占める一戸建ての割合 | 72.4% | 52.7% |
| 持ち家住宅率 | 72.3% | 60.9% |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)
一戸建て・持ち家がそろって全国平均を大きく上回る
三重県は、一戸建ての割合が72.4%、持ち家住宅率が72.3%。どちらも全国平均を大きく超えています。全国の統計では、一戸建ての空き家のうち約8割が放置型に分類されます。住宅ストックの構成そのものが、空き家を放置型にしやすいという県です。
ターゲティングの判断材料
三重県の場合、「放置型の空き家が見つかるかどうか」を心配する必要はほとんどありません。8万3千戸という母数は、県内のどの商圏で調査しても一定の件数が出てくる規模です。
したがって課題は供給側ではなく処理側に移ります。納品されたリストのうち、どれから当たるか。何件を月内に処理するか。反応がなかった先をいつ再訪するか。この設計を発注前に決めておくかどうかで、同じ費用でも成果がまったく変わります。
調べる前に決めておく「優先順位の軸」
リストは、納品された時点では単なる一覧です。実際に動かすには順序が要ります。実務でよく使われる軸を三つ挙げます。
| 軸 | 優先する対象 | 狙い |
|---|---|---|
| 建物の状態 | 傷みが進んでいる物件 | 所有者が維持コストや近隣への影響を意識しやすく、話を聞いてもらえる余地が大きい |
| 所有者の居住地 | 物件から離れて暮らす所有者 | 管理の手間が実感として重く、判断が動きやすい |
| 立地条件 | 駅・幹線道路に近い物件 | 買い手が見つけやすく、成約まで進めやすい |
三つすべてを満たす物件から順に当たるのが理想ですが、実際には件数が限られます。自社の商品力に合う軸を一つ選び、その順に処理すると決めておくほうが、現場は動きやすくなります。
調査依頼時に伝えておくとよいこと
どの軸を優先するかが決まっていれば、調査の段階で記録項目に反映できます。「建物の傷み具合を段階で記録してほしい」「所有者住所が県外かどうかを分けて出してほしい」といったご要望は、着手前のヒアリングでお伝えください。納品後に自分で仕分ける手間が減ります。
リストを受け取ってからの初動
調査そのものより、その後の運用でつまずくケースのほうが多いのが実情です。最低限、次の三点は発注前に決めておくことをおすすめします。
誰が、いつまでに、何件処理するか
担当者と月あたりの処理件数を先に決めます。「手が空いたら」では、鮮度の高いデータが数か月寝ることになります。
1回目で反応がなかった先をどうするか
相続直後の所有者は、売る・貸すの判断がついていない段階です。1回のDMで反応がないのは当然と考え、時期と文面を変えた2回目・3回目を最初から組み込んでおきます。
反応があったときの受け皿
問い合わせが来てから対応を考えると、初動が遅れます。査定の流れ、訪問の可否、返答の期限を事前に決めておいてください。
調査から、その後のDM発送まで一括で。
リストを作って終わりにしないために、所有者情報の出力と発送作業までまとめてご依頼いただけます。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
2023年の法改正で所有者の判断材料が増えた
2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2023年に改正され、同年12月に施行されました。
従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されています。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
前述した「建物の状態」を優先軸に置く場合、この改正は追い風になります。傷みが進んだ物件の所有者ほど、保有コストが具体的な金額として意識されやすいためです。ただし所有者本人が改正内容を知っているとは限らないため、伝える役割はこちらにあります。
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。
納品物は、現地で確認した空き家の所在と状態、および特定した所有者情報を整理したリストです。調査対象は戸建てに限らず、空き地やアパートの空き部屋を含める形にも調整できます。所有者情報の出力後、DM発送まで一括でご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、三重県と隣接する府県にまたがる調査も、同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
対象の市町・町丁目、調査対象とする建物の条件、優先したい記録項目を確認し、面積に応じた見積りをご提示します。
国土交通省の基準に沿って空き家と想定される建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、所有者情報を特定します。
所在・状態・所有者情報を整理して納品します。DM発送まで続けてご依頼いただくことも可能です。
三重県で空き家調査を進めるときの注意点
NG例1:処理体制を決めずに広く発注する
三重県は母数が厚いため、発注しただけリストは出てきます。処理できる件数を超えた発注は、費用が寝るだけです。
NG例2:優先順位を決めずに上から順に当たる
リストの並び順に意味はありません。状態・所有者の居住地・立地のいずれかで並べ替えてから着手してください。
NG例3:県全体の数値で個別エリアを判断する
三重県は南北に長く、地域によって住宅事情も所有者の属性も異なります。市町単位、できれば町丁目単位まで見て候補を選ぶことをおすすめします。
NG例4:現地にチラシを投函する
放置型の空き家に所有者は住んでいません。所有者の居住地宛に届ける前提で設計する必要があります。
三重県の対応エリア
県内14市15町のすべてに対応しています。
津市/四日市市/伊勢市/松阪市/桑名市/鈴鹿市/名張市/尾鷲市/亀山市/鳥羽市/熊野市/いなべ市/志摩市/伊賀市/木曽岬町/東員町/菰野町/朝日町/川越町/多気町/明和町/大台町/玉城町/度会町/大紀町/南伊勢町/紀北町/御浜町/紀宝町
よくあるご質問
建物の傷み具合も記録してもらえますか?
記録項目はご要望に合わせて調整します。優先したい軸が決まっていれば、着手前のヒアリングでお知らせください。
所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?
調査で特定した地番をもとに所有者情報を出力するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。
納品されたリストをそのままDMに使えますか?
所有者情報を整理した形で納品しますので、そのままDM発送に進めます。発送作業までまとめてご依頼いただくことも可能です。
まずは小さい範囲から試せますか?
町丁目単位まで絞り込んだ調査が可能です。1エリアで実施し、反応を見てから広げる進め方をおすすめしています。
同じエリアを定期的に調べ直せますか?
再調査も承っています。同じ基準で実施するため、前回との差分が把握しやすくなります。
まとめ
三重県は、空き家率も放置型の比率も全国平均を上回り、一戸建て・持ち家の比率の高さもそれを裏づけています。仕入れ候補の母数という点では、条件の整った県です。
だからこそ、成果を分けるのは調査そのものではなく、その後の処理です。優先順位の軸を一つ決め、月あたりの処理件数を決め、反応がなかった先の再接触まで組んでおく。ここまで設計したうえで発注すれば、同じ費用でも結果は変わります。
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