北海道の空き家調査はエリアの絞り方で決まる|費用と依頼の手順

「北海道は空き家が多いと聞くので、まとめて調べてリストを作りたい」——この発想で空き家調査を発注すると、費用のわりに使えるデータが少ない、という結果になりがちです。
理由は二つあります。ひとつは、北海道の空き家の中身が本州の地方県とはまったく違うこと。もうひとつは、面積が広すぎて「面で網羅する」という発想が費用面で成立しないことです。
この記事では、令和5年住宅・土地統計調査をもとに北海道の空き家の構造を整理したうえで、調査エリアをどう絞ると費用対効果が合うのか、費用と期間の目安はどれくらいかを解説します。仕入れ用のデータを外注で用意しようとしている方に向けた内容です。
この記事の結論
- 北海道の空き家率は15.6%で全国平均13.8%を上回る(令和5年)
- ただし放置型の空き家は総住宅数の5.6%で、全国平均5.9%を下回る。空き家率の高さは主に賃貸の空室によるもの
- 空き家に占める放置型の比率は約36%(全国42.8%)。「空き家が多い=仕入れ候補が多い」とは限らない
- 調査費用は面積に比例するため、町丁目単位での絞り込みが成果を左右する
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。面積に比例するため、範囲の絞り込みがそのまま費用に効く
記事の目次
北海道の空き家は、全国と何が違うのか
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計・確報集計)」による数値です。
| 項目 | 北海道 | 全国 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 約288万9千戸 | 約6,504万7千戸 |
| 空き家数 | 約45万2千戸 | 約900万2千戸 |
| 空き家率 | 15.6% | 13.8% |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 | 約16万3千戸(5.6%) | 約385万6千戸(5.9%) |
| 住宅に占める共同住宅の割合 | 44.6% | 44.9% |
| 持ち家住宅率 | 57.0% | 60.9% |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)
空き家率は高い。しかし「放置型」は全国平均より少ない
ここが北海道を読み解く最大のポイントです。空き家率15.6%は全国平均を1.8ポイント上回りますが、賃貸・売却用でも別荘でもない、いわゆる放置型の空き家は総住宅数の5.6%。こちらは全国平均の5.9%を下回っています。
空き家全体に占める放置型の比率で見ても、北海道は約36%。全国平均の42.8%より低い水準です。持ち家住宅率が全国より4ポイント近く低いことからも分かるとおり、北海道の空き家率の高さは、賃貸物件の空室が押し上げている部分が大きいと読めます。
ターゲティングの判断材料
この構造を踏まえると、北海道で「空き家率が高い自治体から順に調査する」という進め方は危険です。賃貸の空室が多いだけの地域を調べても、仕入れにつながる所有者リストは薄くなります。
狙うべきは、持ち家の一戸建てが多く、かつ人口減少が先行している市町村の、住宅が密集した地区です。空き家率という単一指標ではなく、住宅の建て方と所有関係まで見て候補地区を選ぶ。この工程を飛ばすと、調査費用が成果に結びつきません。
北海道では「エリアの絞り込み」が費用対効果を決める
空き家調査の費用は、調査する面積に応じて決まります。北海道の場合、この点が本州の府県以上に効いてきます。
面積の桁が違う
北海道は都道府県のなかで突出して面積が広く、政令指定都市である札幌市ひとつを取っても1,100k㎡を超えます。仮に市域全体を調査対象にすれば、それだけで相当な規模の発注になります。
一方、実際に営業が動ける範囲は、ほとんどの会社で「特定の区の、特定の地区」程度でしょう。調査範囲は「調べたい範囲」ではなく「接触しに行ける範囲」で切るのが原則です。
絞り込みの具体的な進め方
| 順序 | やること | 判断材料 |
|---|---|---|
| 1 | 営業が動ける商圏を確定する | 移動時間、既存顧客の分布 |
| 2 | 候補市町村を絞る | 持ち家比率、一戸建て比率、人口動態 |
| 3 | 町丁目まで落とす | 建築年代の古い住宅地、区画整理前の地区 |
| 4 | まず1エリアで実施する | 納品リストの件数と、DMの反応率 |
| 5 | 結果を見て範囲を広げる | 1件あたりの獲得コスト |
いきなり広範囲を発注せず、1エリアで数字を取ってから拡大する。この順序であれば、費用の見通しも社内で説明しやすくなります。
2023年の法改正で、所有者の判断材料が変わった
2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2023年に改正され、同年12月に施行されています。
従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、改正によりその手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されました。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
積雪地である北海道では、管理されていない住宅の劣化が本州より早く進みます。除雪されない敷地、雪の重みで傷んだ屋根といった状態は、そのまま管理不全の指摘対象になり得ます。所有者が「持ち続けるコスト」を意識するきっかけは、他地域より生じやすいと言えるでしょう。
まずは「この地区だけ」で見積りを取ってみませんか。
町丁目単位での範囲指定に対応しています。
面積・想定件数・スケジュールを含めてご提案します。
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受付 10:00〜20:00/年中無休
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。
納品物は、現地で確認した空き家の所在と状態、および特定した所有者情報を整理したリストです。調査対象は戸建てに限らず、空き地やアパートの空き部屋を含める形にも調整できます。所有者情報の出力後、DM発送まで一括でご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、道内と本州の営業エリアを併せ持つ企業様の調査も、同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
対象の市町村・町丁目、調査対象とする建物の条件を確認し、面積に応じた見積りをご提示します。
国土交通省の基準に沿って空き家と想定される建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、所有者情報を特定します。
所在・状態・所有者情報を整理して納品します。DM発送まで続けてご依頼いただくことも可能です。
北海道での空き家調査でつまずきやすいポイント
NG例1:空き家率の高い自治体から順に選ぶ
北海道では賃貸の空室が空き家率を押し上げている地域があります。持ち家・一戸建ての比率まで見ないと、狙いと違う地域を調べることになります。
NG例2:市域全体を一括で発注する
費用は面積比例です。実際に営業が回れない範囲まで調べても、リストが寝るだけになります。
NG例3:真冬に初回調査を入れる
積雪期は外観からの判断材料が雪に覆われ、敷地の状態や建物の傷みが読み取りにくくなります。初回は雪のない時期に設定するほうが、記録の精度が上がります。
NG例4:現地にチラシを入れて反応を待つ
放置型の空き家は所有者が現地にいません。所有者の居住地宛に届ける前提で設計してください。
北海道の対応エリア
道内は全35市を中心に対応しています。周辺の町村については、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。
札幌市/函館市/小樽市/旭川市/室蘭市/釧路市/帯広市/北見市/夕張市/岩見沢市/網走市/留萌市/苫小牧市/稚内市/美唄市/芦別市/江別市/赤平市/紋別市/士別市/名寄市/三笠市/根室市/千歳市/滝川市/砂川市/歌志内市/深川市/富良野市/登別市/恵庭市/伊達市/北広島市/石狩市/北斗市
よくあるご質問
札幌市内の一部の区だけでも依頼できますか?
可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
冬季でも調査は実施できますか?
実施自体は可能ですが、積雪により外観から得られる情報が減るため、初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。時期についてもご相談ください。
どのエリアを調べるべきか、相談に乗ってもらえますか?
営業エリアやターゲットをお伺いしたうえで、範囲の切り方をご提案します。まずは1エリアで実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。
所有者が道外に住んでいる場合も特定できますか?
調査で特定した地番をもとに所有者情報を出力するため、所有者の居住地が道外であっても対応します。
戸建て以外も調査対象にできますか?
空き地やアパートの空き部屋なども対象にできます。調査したい建物の条件はヒアリング時にお伺いします。
まとめ
北海道は空き家率こそ全国平均を上回るものの、その中身は賃貸の空室が多く、放置型の比率は全国平均を下回ります。「空き家が多い地域だから調べれば出てくる」という前提で発注すると、期待した内容のリストにはなりません。
必要なのは、住宅の建て方と所有関係まで見て候補地区を選び、営業が動ける範囲に絞って実施することです。まずは1エリアで数字を取り、そこから判断するのが確実な進め方です。
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