岩手県の空き家調査を外注する方法|費用の目安と依頼の流れを解説

岩手県の空き家調査を外注する方法|費用の目安と依頼の流れを解説

「岩手県で、まだ市場に出ていない空き家の情報を先に押さえたい」
「自社で空き家を調べようとしたが、人手も時間も足りない」

不動産の仕入れ担当者から、こうした相談が増えています。背景にあるのは、岩手県の空き家が全国平均を大きく上回る水準にあり、しかもその多くが「売りにも貸しにも出ていない」状態で放置されているという事実です。ポータルサイトを眺めていても、この層の物件情報は出てきません。

この記事では、令和5年住宅・土地統計調査の最新数値をもとに岩手県の空き家の実態を整理したうえで、空き家調査を自社で行う場合と外注する場合の違い、外注時の費用と期間の目安、依頼から納品までの流れまでを解説します。仕入れ手法の選択肢を検討している方の判断材料としてお使いください。

この記事の結論

  • 岩手県の空き家率は17.3%で、全国平均13.8%を3.5ポイント上回る(令和5年)
  • 岩手県の空き家10万戸のうち約54%が「賃貸・売却用でも別荘でもない空き家」。全国平均(42.8%)より放置型の比率が高い
  • この層はポータルサイトにも登記情報にも「空き家」として現れないため、現地を歩く実地調査でしか把握できない
  • 2023年の法改正で「管理不全空家等」が新設され、所有者が手放す判断をしやすい環境が整いつつある
  • 外注する場合の費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査範囲の広さでほぼ決まる

岩手県の空き家はいま、どうなっているのか

まず、岩手県の空き家の全体像を最新の公的統計で確認します。以下は総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計・確報集計)」による数値です。

項目 岩手県 全国
総住宅数 約57万9千戸 約6,504万7千戸
空き家数 約10万戸 約900万2千戸
空き家率 17.3% 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 約5万4千戸 約385万6千戸
同上が総住宅数に占める割合 9.3% 5.9%

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)

注目すべきは「率」ではなく「中身」

空き家率17.3%という数字だけを見ると、単に空き家が多い県という印象で終わってしまいます。仕入れの観点で重要なのは、その内訳です。

岩手県の空き家10万戸のうち、5万4千戸が「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に分類されます。割合にすると約54%。全国平均の42.8%と比べて10ポイント以上高く、県内の空き家の半数以上が、市場に出ないまま放置されていることを意味します。

もう一点、見落とされがちな事実があります。岩手県の総住宅数は2018年から2023年にかけて増減率0.0%、つまり横ばいです。新築が大量に増えた結果として空き家率が上がったのではなく、既存の住宅がそのまま空き家に転じているという構図です。

ターゲティングの判断材料

放置型空き家の比率が高い地域では、「売却を検討中の所有者」を探すアプローチよりも、「まだ売却を検討していない所有者に気づいてもらう」アプローチのほうが接触機会が多くなります。相続直後で判断がついていない、遠方に住んでいて年に数回しか戻らない、といった所有者が母数の中心だからです。

そのため、リストの精度そのものが成果を左右します。「空き家らしき建物」ではなく「所有者まで特定できた空き家」の状態で手元にあるかどうかが、DM・訪問・電話いずれの手段でも起点になります。

2023年の法改正で何が変わったか

空き家をめぐる制度は、直近で大きく動いています。2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2023年に改正され、同年12月に施行されました。

「管理不全空家等」という区分が新設された

従来は、倒壊の危険があるなど深刻な状態に至った空き家を「特定空家等」として指定する仕組みでした。改正後は、その手前の段階として「管理不全空家等」という区分が設けられています。窓が割れている、植栽が越境している、といったそのまま放置すれば特定空家になるおそれのある状態が対象です。

実務上の影響が大きいのは、市区町村から勧告を受けた場合、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れる点です。特例が外れると、土地にかかる固定資産税の負担が大きく変わります。

所有者側の「動く理由」が増えている

この改正により、これまで「特に困っていないから放置していた」所有者にとって、保有し続けるコストが可視化されやすくなりました。仕入れ側から見れば、接触したときに話を聞いてもらえる確率が上がっている局面といえます。

ただし、所有者本人が制度変更を認識しているとは限りません。だからこそ、こちらから所在を特定して情報を届ける必要があります。

空き家調査を自社で行う場合と外注する場合

空き家の情報収集をどう進めるかは、大きく二通りです。それぞれの特徴を整理します。

比較項目 自社で調査する 調査会社に外注する
初動の速さ 担当者の稼働を空ける必要がある 発注後すぐに着手できる
調査範囲 担当者が回れる範囲に限られる 町丁目単位で範囲を指定できる
人件費 営業担当の時間を調査に充てることになる 調査費用として明確に計上できる
データの形式 担当者ごとに記録の粒度が変わりやすい 統一フォーマットで納品される
所有者の特定 別途、登記情報の取得作業が必要 調査から所有者リスト化まで一括で可能
継続性 担当者の異動で蓄積が途切れやすい 同じ基準で定期的に更新できる

自社調査が向いているのは、対象エリアが狭く、既に土地勘のある担当者が動ける場合です。一方、市町村をまたいで面で押さえたい、あるいは他社に先んじてスピードを取りたい場合は、外注のほうが結果的に安く済むケースが多くなります。営業担当が調査に半日使えば、その分の商談機会が失われるためです。

外注する場合の費用と期間の目安

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。調査範囲は町丁目単位まで絞り込めるため、「市全体」ではなく「駅から徒歩圏のこの一帯だけ」といった指定にも対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。

納品物は、現地調査で確認した空き家の所在と状態、および所有者情報を整理したリストです。所有者情報の出力後、そのままDM発送まで一括で依頼いただくこともできます。調査で終わらせず、接触までを一本の流れにできる点が、実務上の負担軽減につながります。

なお弊社は岩手県内だけでなく47都道府県に自社ネットワークを持ち、複数県にまたがる調査でも同じ基準・同じフォーマットで実施できます。県境をまたいで営業エリアを持つ企業様からのご依頼にも対応可能です。

岩手県の空き家データ、まずは対象エリアだけでも。

「この町丁目だけ調べたら、どれくらいの費用感になるか」といったご相談から承ります。
調査範囲・納品形式・スケジュールを、ご希望に合わせてご提案します。

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空き家調査の流れ

ご依頼から納品までは、次の5ステップで進みます。

調査範囲のヒアリングと見積り
対象の市町村・町丁目、調査したい建物の条件(戸建てのみ/空き地を含む等)を確認し、面積に応じた見積りをご提示します。
空き家候補の抽出と調査地図の作成
国土交通省の基準に沿って空き家と想定される建物を選定し、調査員が使用する地図を作成します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認します。表札・郵便物・電気メーター・植栽の状況などが判断材料です。
地番と所有者の特定
現地調査の結果をもとに、対象物件の地番を割り出し、所有者情報を特定します。
リスト・データベースの納品
所在・状態・所有者情報を整理したリストとして納品します。この後のDM発送まで一括でご依頼いただくことも可能です。

空き家調査でよくある失敗

NG例1:エリアを広く取りすぎる
「まず岩手県全域で」と依頼範囲を広げると、費用も期間も膨らむうえ、届いたリストを消化しきれずに終わります。自社が実際に動ける商圏から始め、成果を見て広げるほうが確実です。

NG例2:古い統計をそのまま提案資料に使う
空き家の統計は5年ごとに更新され、直近の調査では分類名称も変更されています。数年前の数値のまま社内提案や顧客説明に使うと、実態とずれた前提で判断することになります。

NG例3:リストを作って満足してしまう
所有者リストは接触して初めて価値が出ます。DMを送る、文面を変えて再送する、反応があった先を追う、という運用まで含めて設計してください。

NG例4:所有者への接触方法を決めずに発注する
リスト納品後に「誰がどう連絡するか」を決め始めると、鮮度の高いデータが寝てしまいます。発注段階で社内の担当と初動を決めておくことをおすすめします。

岩手県の対応エリア

岩手県内は、以下の市町村に対応しています。

盛岡市/宮古市/大船渡市/花巻市/北上市/久慈市/遠野市/一関市/陸前高田市/釜石市/二戸市/八幡平市/奥州市/滝沢市/雫石町/葛巻町/岩手町/紫波町/矢巾町/西和賀町/金ケ崎町/平泉町/住田町/大槌町/山田町/岩泉町/田野畑村/普代村/軽米町/野田村/九戸村/洋野町/一戸町

よくあるご質問

調査できるのは戸建ての空き家だけですか?

空き地、アパートの空き部屋なども対象にできます。調査対象はご要望に合わせて設定しますので、ご相談時にお知らせください。

市町村単位ではなく、もっと狭い範囲で頼めますか?

町丁目単位まで絞り込んでの調査が可能です。「駅の東側だけ」といった指定にも対応しています。

所有者の特定まで含めて依頼できますか?

可能です。現地調査で確認した物件の地番を割り出し、所有者情報を整理したリストとして納品します。その後のDM発送まで一括でお任せいただくこともできます。

岩手県以外もまとめて依頼できますか?

47都道府県に自社ネットワークがあり、複数県にまたがる調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアごとに品質が変わることはありません。

調査結果が想定より少なかった場合はどうなりますか?

調査範囲や抽出条件の再設計をご提案します。着手前のヒアリング段階で、想定される件数感についてもすり合わせを行っています。

まとめ

岩手県の空き家率は17.3%と全国平均を大きく上回り、しかもその半数以上が売却にも賃貸にも出ていない放置型の空き家です。この層はポータルサイトに現れないため、先に情報を持った会社が有利になります。

2023年の法改正で所有者が保有コストを意識しやすくなった今は、接触のタイミングとしても悪くありません。必要なのは、動ける商圏を決めて、そこから一歩を踏み出すことです。

まずは1エリアから、空き家データを持ってみませんか。

調査範囲の切り方から、納品後の活用方法まで、無料でご相談いただけます。

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