青森県の空き家データを自社で持つには|調査の外注費用と進め方

青森県の空き家データを自社で持つには|調査の外注費用と進め方

青森県で空き家の仕入れに取り組もうとすると、多くの担当者が同じ壁に当たります。「空き家があるのは分かる。ただ、どこに何軒あって、誰が持っているのかが分からない」という壁です。

公表されている統計は県単位・市町村単位までしか出てきません。空き家バンクに登録されているのは、所有者が既に活用の意思を固めた一部の物件だけです。実際に営業をかけたい対象は、その手前にいる所有者です。

この記事では、令和5年住宅・土地統計調査をもとに青森県の空き家の特徴を整理したうえで、空き家情報を集める手段を三つ並べて比較し、実地調査を外注する場合の費用・期間・納品物までを解説します。

この記事の結論

  • 青森県の空き家率は16.7%。全国平均13.8%を2.9ポイント上回る(令和5年)
  • 県内の空き家9万9千戸のうち約56%が売却にも賃貸にも出ていない空き家(全国平均は42.8%)
  • 青森県は住宅に占める一戸建ての割合が75.3%で全国3位。空き家が放置型になりやすい住宅ストック構造にある
  • 総住宅数は2018年から0.4%減少。全国が4.2%増える中での減少で、新築ではなく既存ストックの問題として現れている
  • 所有者まで特定した状態のリストは、10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制で用意できる

青森県の空き家を数字で押さえる

まず現状を最新の公的統計で確認します。総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計・確報集計)」による数値です。

項目 青森県 全国
総住宅数 約59万戸 約6,504万7千戸
2018年からの増減率 −0.4% +4.2%
空き家数 約9万9千戸 約900万2千戸
空き家率 16.7% 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 約5万5千戸(9.3%) 約385万6千戸(5.9%)
住宅に占める一戸建ての割合 75.3% 52.7%

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)

全国が増えている中で、住宅そのものが減っている

表の中で見落としてほしくないのが、2018年からの増減率です。全国の総住宅数が4.2%増えている一方、青森県は0.4%減っています。総住宅数が前回調査から減少した都道府県は全国でもごく少数です。

住宅が減っているのに空き家率が全国平均を上回るということは、取り壊しが進む速度よりも、空き家になる速度のほうが速いことを意味します。仕入れの観点では、母数が今後急に増える市場ではないぶん、先に情報を押さえた側の優位が長く続く市場だと言えます。

なぜ青森県は「放置型」の比率が高いのか

青森県の空き家9万9千戸のうち、5万5千戸が「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。割合にすると約56%で、全国平均の42.8%を10ポイント以上上回ります。

一戸建て比率75.3%という住宅ストック

この差を説明する要因のひとつが、住宅の建て方です。青森県は住宅に占める一戸建ての割合が75.3%で、秋田県・山形県に次ぐ全国3位。全国平均の52.7%を20ポイント以上上回ります。

全国の統計では、一戸建ての空き家のうち約8割が「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に分類されます。逆に共同住宅の空き家は約8割が賃貸募集中の部屋です。一戸建てが多い地域ほど、空き家が「市場に出ないまま滞留する」構造になりやすいということです。

ターゲティングの判断材料

一戸建て中心の放置型空き家は、相続をきっかけに発生し、そのまま数年動かないケースが典型です。所有者は県外に住んでいることも多く、現地に足を運ぶ頻度は年に数回という水準になります。

つまり、現地にチラシを入れても所有者には届きません。所在地の特定と所有者情報の突き合わせをセットで行い、所有者の居住地宛にアプローチする設計が前提になります。逆に言えば、ここまで整えた会社が地域内にまだ少なければ、それ自体が競合との差になります。

空き家情報を集める3つの手段

空き家の情報をどう集めるか。実務で使われる手段は大きく三つあり、それぞれ取れる情報の性質が違います。

手段 得られる情報 限界
自治体の空き家バンク 所有者が活用・売却の意思を持つ物件 掲載数が限られ、競合も同じ情報を見ている
登記情報の調査 所有者の氏名・住所 そもそも「どの建物が空き家か」は分からない
現地の実地調査 空き家の所在と状態、そこから特定した所有者 調査の人手と時間がかかる

空き家バンクと登記情報は、いずれも「調べる対象が既に決まっている」ことが前提の手段です。対象そのものを見つける工程は、現地を歩く以外に代替手段がありません。ここが自社の営業担当にとって最も時間を取られる部分であり、外注の検討対象になりやすい理由でもあります。

実地調査で見ているもの

調査員が外観から判断する材料は、表札の有無、郵便受けの滞留、電気メーターの動き、カーテンや窓の状態、植栽や敷地の荒れ具合などです。これらを一定の基準で記録することで、担当者ごとの主観に左右されないデータになります。

2023年の法改正で所有者側の事情が変わった

2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2023年に改正され、同年12月に施行されました。実務上の変更点は二つです。

「管理不全空家等」の新設

従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が設けられました。窓の破損や植栽の越境など、放置すれば特定空家になるおそれのある状態が対象です。

固定資産税の住宅用地特例が外れる

管理不全空家等として市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象外となります。これまで「持っていても大きな負担はない」と考えていた所有者にとって、保有コストが具体的な金額として意識されるようになりました。

接触したときに話を聞いてもらえる余地は、以前より広がっています。ただし所有者本人が制度変更を知っているとは限らないため、こちらから情報を届ける必要があります。

青森県内、まずは1エリアから調べてみませんか。

「この市のこの地区だけ」といった範囲指定でお見積りできます。
調査範囲・納品形式・スケジュールをご希望に合わせてご提案します。

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外注する場合の費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。調査範囲は町丁目単位まで絞り込めるため、市全体をまとめて発注する必要はありません。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。

納品物は、現地で確認した空き家の所在と状態、および特定した所有者情報を整理したリストです。調査対象は戸建てに限らず、空き地やアパートの空き部屋を含める形にも調整できます。所有者情報の出力後、そのままDM発送まで一括でご依頼いただくことも可能です。

また弊社は47都道府県に自社ネットワークを持っており、青森県と隣接県をまたぐ調査でも、同じ基準・同じフォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

調査範囲と条件のヒアリング
対象の市町村・町丁目、調査対象とする建物の条件を確認し、面積に応じた見積りをご提示します。
空き家候補の抽出と調査地図の作成
国土交通省の基準に沿って空き家と想定される建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、所有者情報を特定します。
リスト・データベースの納品
所在・状態・所有者情報を整理して納品します。DM発送まで続けてご依頼いただくことも可能です。

空き家調査でつまずきやすいポイント

NG例1:空き家バンクの掲載物件だけを追う
掲載されているのは所有者が既に意思を固めた物件で、競合も同じ情報を見ています。差がつくのは掲載前の段階です。

NG例2:現地にチラシを投函して待つ
放置型の空き家は所有者が現地にいません。ポストに入れた案内が読まれる可能性は低く、所有者の居住地宛に届ける設計が必要です。

NG例3:初回の反応だけで判断する
相続直後の所有者は、そもそも売る・貸すの判断がついていない段階です。1回のDMで反応がなくても、時期を変えた再接触で動くケースがあります。

NG例4:更新せずに使い続ける
空き家の状態は数年で変わります。一度作ったリストを更新しないまま使うと、既に解体済み・売却済みの物件に営業をかけることになります。

青森県の対応エリア

青森県内は、以下の市町村に対応しています。

青森市/弘前市/八戸市/黒石市/五所川原市/十和田市/三沢市/むつ市/つがる市/平川市/平内町/今別町/蓬田村/外ヶ浜町/鰺ケ沢町/深浦町/西目屋村/藤崎町/大鰐町/田舎館村/板柳町/鶴田町/中泊町/野辺地町/七戸町/六戸町/横浜町/東北町/六ケ所村/おいらせ町/大間町/東通村/風間浦村/佐井村/三戸町/五戸町/田子町/南部町/階上町/新郷村

よくあるご質問

市町村より狭い範囲でも依頼できますか?

町丁目単位まで絞り込んで調査できます。「駅周辺だけ」「この学区だけ」といった指定も可能です。

戸建て以外も調査対象にできますか?

空き地やアパートの空き部屋なども対象にできます。調査したい建物の条件はヒアリング時にお伺いします。

所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?

調査で特定した地番をもとに所有者情報を出力するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。

納品されたリストをそのままDMに使えますか?

所有者情報を整理した形で納品しますので、そのままDM発送に進めます。発送作業までまとめてご依頼いただくことも可能です。

定期的に更新したい場合はどうすればよいですか?

同一エリアの再調査も承っています。同じ基準で実施するため、前回との差分が把握しやすくなります。

まとめ

青森県は、住宅そのものが減少に転じている一方で空き家率は全国平均を上回り、その半数以上が市場に出ていない放置型です。一戸建て比率の高さを踏まえると、この傾向は当面続くと見るのが自然でしょう。

裏を返せば、所有者まで特定したデータを先に持てるかどうかが、そのまま仕入れの差になる市場です。まずは自社が実際に動ける範囲を一つ決めるところから始めてみてください。

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