千葉県の空き家調査|建築時期で対象を絞り込む判断基準と費用

千葉県の空き家調査|建築時期で対象を絞り込む判断基準と費用

千葉県の空き家率は12.3%。平成30年の12.6%から0.3ポイント下がりました。全国の空き家率が過去最高を更新するなかで、低下に転じた県のひとつです。

しかし賃貸にも売却にも出ておらず別荘でもない放置型は、14万4,400戸から15万8,500戸へ1万4,100戸増加。増加率は9.8%です。減ったのは空き家率であって、放置された住宅は増えています。

そして千葉県の資料には、対象を絞るうえで直接使える数字が載っています。世帯が所有している空き家のうち、約8割が1990年(平成2年)以前に建てられたものだという事実です。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが千葉県で対象をどう絞るべきかを整理します。

この記事の結論

  • 千葉県の空き家率は12.3%へ低下。だが放置型は9.8%増の15万8,500戸で実数は全国上位(令和5年)
  • 世帯が所有する空き家の約8割が1990年以前の建築。築年数が対象を絞る最も有効な条件になる
  • 一戸建ての空き家は75.3%が放置型、共同住宅の空き家は75.4%が賃貸用。性格が正反対
  • 県内の差も大きい。外房・南房総と東京通勤圏では別の市場として扱う必要がある
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる

千葉県の空き家を数字で確認する

千葉県総合企画部統計課がまとめた令和5年住宅・土地統計調査の県内結果による数値です。

項目 千葉県 全国
総住宅数 319万1,100戸 6,504万6,700戸
総世帯数 280万8,300世帯
空き家数 約39万戸(+1万1,600戸・過去最多) 900万1,600戸
空き家率 12.3%(平成30年12.6%から低下) 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 15万8,500戸(+1万4,100戸・+9.8%) 385万6,000戸(+10.6%)
同上が総住宅数に占める割合 5.0%(+0.2pt) 5.9%
一戸建ての空き家に占める放置型 75.3%(10万8,100戸) 約8割

出典:千葉県総合企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果 千葉県版」(2024年11月公表)、および同「住宅の構造等に関する集計・土地集計」結果概要。

空き家率は下がったが、放置型は増えている

空き家数そのものは約39万戸で過去最多です。それでも空き家率が下がったのは、総住宅数の伸びが空き家の伸びを上回ったためです。千葉県は住宅が供給され、そのほとんどが埋まっている県だといえます。

一方、放置型は9.8%増。市場に出ている在庫が減り、市場に出てこない住宅が増えるという、内訳の入れ替わりが起きています。率の低下を「対象が減った」と読むと、実態を取り違えます。

一戸建てと共同住宅で性格が正反対

居住世帯のある住宅278万2,300戸のうち、一戸建てが146万3,400戸、共同住宅が126万7,800戸、長屋建が4万7,600戸です。平成30年と比べ、一戸建ては4.5%増、長屋建は8.3%減となっています。

空き家を建て方別に見ると、性格がはっきり分かれます。一戸建ての空き家は75.3%(10万8,100戸)が放置型、共同住宅の空き家は75.4%(18万400戸)が賃貸用です。同じ「空き家」でも、拾ったときの中身がまったく違います。仕入れが目的なら、共同住宅を範囲から外すだけで歩留まりが大きく変わります。

空き家になっているのは、ほぼ1990年以前の住宅

千葉県が公表している資料のなかで、実務に最も直結するのがこの数字です。世帯が所有している空き家のうち、約8割が1990年(平成2年)以前に建てられたものでした。

2023年の調査時点で、1990年築の住宅は築33年です。つまり空き家として残っているのは、そのほとんどが築33年を超えた住宅だということになります。逆にいえば、築30年に満たない住宅は、空き家になっている確率が極めて低いということです。

この事実は、調査範囲を決めるときの条件になります。空き家率の高い地区を漠然と選ぶより、古い住宅がまとまって建っている地区を選ぶほうが、拾える件数は多くなります。造成の時期が揃っている住宅団地などは、この条件に当てはまりやすい地区です。

築年数は、リフォーム提案の条件にもなる

平成31年(令和元年)以降に増改築・改修工事を行った持ち家は、県内の持ち家の約3割。内容では台所・トイレ・浴室・洗面所の改修が最も多くなっています。一方、耐震改修を行った持ち家は1.5%にとどまりました。

空き家が築33年超に偏っているということは、その一歩手前にある「居住中の築古住宅」も同じ年代に集中しているということです。土地調査では「古家(居住中)」を調査項目として指定できます。空き家と同時に指定すれば、現在と将来の両方を一度の調査で地図に落とせます。

目的によって、見るべき条件が変わる

立場 主な目的 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 1990年以前に造成された住宅地 戸建てに限定し、共同住宅を範囲から外す
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 築30年前後の居住中の持ち家 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 腐朽・破損のある空き家と旧耐震の住宅 町丁目単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

県内は3つの市場に分かれる

千葉県は、地域によって住宅市場の性格が大きく異なります。県平均の12.3%でエリアを判断すると、どの地域の実態とも合いません。

エリア 空き家の主な性格 調査での扱い
東京通勤圏(県北西部) 共同住宅が多く、賃貸用の空き家が中心 戸建てに限定し、町丁目単位で切る
外房・南房総 別荘などの二次的住宅が混ざる 別荘地を範囲から外すか、戸建ての放置型に限定する
県北東部・内陸部 放置型の比率が相対的に高い 集落や住宅団地の単位で範囲を区切る

同調査の市区町村別データによると、県内で空き家率が最も高いのは勝浦市で約41%。県平均の3倍以上です。市を指定するだけでは足りず、町丁目まで下げて判断してください

古い住宅が集まる地区から、調べられます。

空き家と居住中の築古住宅を同時に調査し、地図上で色分けして納品できます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

実務上の意味は明確です。登記簿上の名義が実際の所有者と一致しているケースが、今後は増えていくと見込まれます。ただし過去分の登記が行き渡るには時間がかかるため、現時点では調査で特定した地番から所有者事項を取得し、現況とあわせて確認する手順が確実です。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町村の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。千葉県では空き家と古家を同時に指定しておくと、築年数の近い層をまとめて押さえられます。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、都県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅を除外した設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

千葉県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 「空き家率が下がったから対象も減った」と読む/放置型は9.8%増えています。減ったのは率だけです
  • 建築時期を条件に入れない/空き家の約8割は1990年以前の建築です。古い住宅が集まる地区を選ぶほうが効率が上がります
  • 共同住宅を含めて発注する/共同住宅の空き家は75.4%が賃貸用です。仕入れが目的なら戸建てに絞ってください
  • 県平均でエリアを判断する/県内には約41%の市もあります。市の指定だけでは足りません
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

千葉県の対応エリア

県内は全37市を中心に対応しています。町村についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。

千葉市/銚子市/市川市/船橋市/館山市/木更津市/松戸市/野田市/茂原市/成田市/佐倉市/東金市/旭市/習志野市/柏市/勝浦市/市原市/流山市/八千代市/我孫子市/鴨川市/鎌ケ谷市/君津市/富津市/浦安市/四街道市/袖ケ浦市/八街市/印西市/白井市/富里市/南房総市/匝瑳市/香取市/山武市/いすみ市/大網白里市

よくあるご質問

築年数を条件にした調査はできますか?

外観から築年数そのものを断定することはできませんが、建物の仕様や傷み具合から築古と判断できる住宅を対象として調査・報告します。どの程度の年代を想定するかはヒアリング時にお伺いします。

別荘を除いて調査することはできますか?

可能です。調査範囲の設定段階で別荘地を外す、あるいは調査項目を戸建ての空き家に限定するといった形で調整します。外房・南房総を対象にする場合はご相談ください。

千葉市内の一部の区だけでも依頼できますか?

可能です。区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。まず1地区で実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。空き家と同時に指定すれば、両方を色分けした地図で納品できます。

東京都や茨城県とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、都県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。

まとめ

千葉県の空き家率12.3%は前回から0.3ポイント下がりましたが、放置型は9.8%増えて15万8,500戸になりました。減ったのは率であって、対象は増えています。

絞り込みの手がかりは明確です。世帯が所有する空き家の約8割は1990年以前の建築。一戸建ての空き家に限れば75.3%が放置型。この2つを組み合わせれば、「古い住宅が集まる地区で、戸建てに限定して調べる」という条件が立ちます。県平均や市単位ではなく、造成年代のそろった住宅地を町丁目単位で切る。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

まず1地区から、千葉県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

反響を生む配布設計をプロがご提案します

反響を生む配布設計

プロがご提案します

お気軽にご相談ください

お気軽にどうぞ 無料見積もり相談