愛知県の空き家調査は戸建てで絞る|都市部での進め方と費用の目安

愛知県の空き家率は11.8%。全国平均13.8%を下回り、都道府県のなかでも低い部類に入ります。この数字だけを見て「愛知は空き家が少ないから仕入れには向かない」と判断していないでしょうか。
しかし実数で見ると景色が変わります。売却にも賃貸にも出ていない放置型の空き家は、県内に15万6千戸。これは東北や近畿の複数県を合わせた規模に匹敵します。率が低いのは分母である住宅数が多いからであって、対象そのものが少ないわけではありません。
一方で、都市部の空き家調査には固有の難しさがあります。この記事では、令和5年住宅・土地統計調査で愛知県の構造を確認したうえで、都市部で調査対象をどう絞るか、費用と進め方はどうなるかを解説します。
この記事の結論
- 愛知県の空き家率は11.8%で、全国平均13.8%を下回る(令和5年)
- ただし放置型の空き家は15万6千戸。率の低さは分母の大きさによるもので、対象数は十分にある
- 住宅に占める共同住宅の割合が45.7%と高く、外観からの空き家判定が効きにくい
- そのため調査対象を戸建てに絞り、町丁目単位で範囲を切るのが現実的な進め方
- 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。所有者情報の取得からDM発送まで一括で対応できる
記事の目次
愛知県の空き家を数字で確認する
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計・確報集計)」による数値です。
| 項目 | 愛知県 | 全国 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 約366万5千戸 | 約6,504万7千戸 |
| 2018年からの増減率 | +5.3% | +4.2% |
| 空き家数 | 約43万3千戸 | 約900万2千戸 |
| 空き家率 | 11.8% | 13.8% |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 | 約15万6千戸(4.3%) | 約385万6千戸(5.9%) |
| 住宅に占める共同住宅の割合 | 45.7% | 44.9% |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月公表)
率で見るか、実数で見るかで判断が変わる
愛知県は空き家率も放置型の割合も全国平均を下回ります。数字の並びだけを追えば「空き家問題が比較的軽い県」という結論になります。
ただし仕入れの母数として意味を持つのは割合ではなく実数です。放置型15万6千戸という規模は、空き家率が全国上位に並ぶ複数の県を合計した水準と変わりません。率で判断すると母数を見誤るのが、愛知県のような住宅数の多い都府県に共通する落とし穴です。
ターゲティングの判断材料
総住宅数が2018年から5.3%増えている点も見ておく価値があります。全国平均を上回る伸びで、住宅供給が継続している県です。新築へ移った世帯の元の住まいが、そのまま残るという流れが働きます。
加えて、放置型の割合が全国平均より低いということは、競合他社にとっても「愛知は空き家が少ない」という認識になりやすいということでもあります。統計の表面で判断して手を付けていない会社が多ければ、実数で動く側に余地が残ります。
都市部の空き家調査が難しい理由
愛知県は住宅に占める共同住宅の割合が45.7%で、全国平均をやや上回ります。この構成が、調査の実務に直接効いてきます。
外観からの判定が効くのは戸建て
実地調査では、調査員が外から確認できる情報をもとに空き家かどうかを判断します。表札の有無、郵便受けの滞留、電気メーターの動き、カーテンや窓の状態、敷地や植栽の荒れ具合などです。
これらは戸建てであれば一軒ごとに確認できますが、集合住宅では建物の外から個々の住戸の状態を読み取ることができません。共同住宅の空き家の多くは賃貸募集中の空室であり、そもそも仕入れの対象にもなりにくい層です。
結論として、戸建てに絞るのが合理的
全国の統計では、一戸建ての空き家のうち約8割が放置型に分類されます。逆に共同住宅の空き家は約8割が賃貸用です。調査対象を戸建てに限定しても、狙いたい層はほとんど取りこぼしません。むしろ対象を絞ることで、同じ費用でより密度の高いリストになります。
範囲は町丁目単位で切る
都市部では、同じ市内でも住宅地の性格が数百メートル単位で変わります。区や市の単位で発注すると、マンション中心の地区まで調査範囲に含まれ、費用が薄まります。戸建てが密集している地区を町丁目単位で指定するのが、最も効率のよい切り方です。
2023年の法改正で所有者の状況が変わった
2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2023年に改正され、同年12月に施行されました。
従来は倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家を「特定空家等」として扱っていましたが、その手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設されています。市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
住宅が密集している都市部では、管理されていない空き家が近隣から通報される可能性も相対的に高くなります。所有者にとって「持ち続けるコスト」が意識される場面は、以前より増えていると考えてよいでしょう。
戸建てに絞った調査、まずは1地区から。
町丁目単位での範囲指定と、対象を戸建てに限定した調査に対応しています。
面積・想定件数・スケジュールを含めてご提案します。
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受付 10:00〜20:00/年中無休
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。
納品物は、現地で確認した空き家の所在と状態、および特定した所有者情報を整理したリストです。調査対象は戸建てに限らず、空き地やアパートの空き部屋を含める形にも調整できます。所有者情報の出力後、DM発送まで一括でご依頼いただくことも可能です。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、複数の府県にまたがる調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。エリアによって調査の粒度が変わることはありません。
依頼から納品までの流れ
対象の市町村・町丁目、調査対象とする建物の条件(戸建てのみ/空き地を含む等)を確認し、面積に応じた見積りをご提示します。
国土交通省の基準に沿って空き家と想定される建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一軒ずつ状態を確認・記録します。
調査結果をもとに対象物件の地番を割り出し、所有者情報を特定します。
所在・状態・所有者情報を整理して納品します。DM発送まで続けてご依頼いただくことも可能です。
都市部の空き家調査でつまずきやすいポイント
NG例1:空き家率の低さを理由に見送る
愛知県は率こそ全国平均以下ですが、放置型の実数は15万6千戸あります。率で判断すると、実際には大きな母数を素通りすることになります。
NG例2:区や市の単位で発注する
都市部では住宅地の性格が細かく変わります。マンション中心の地区まで含めると、費用に対してリストの密度が下がります。
NG例3:調査対象を絞らない
集合住宅は外観から住戸ごとの状態を判定できません。狙う層が戸建てであれば、最初から戸建てに限定して発注するほうが効率的です。
NG例4:現地にチラシを投函する
放置型の空き家に所有者は住んでいません。所有者の居住地宛に届ける前提で設計してください。
愛知県の対応エリア
県内54市町村のすべてに対応しています。
市:名古屋市/豊橋市/岡崎市/一宮市/瀬戸市/半田市/春日井市/豊川市/津島市/碧南市/刈谷市/豊田市/安城市/西尾市/蒲郡市/犬山市/常滑市/江南市/小牧市/稲沢市/新城市/東海市/大府市/知多市/知立市/尾張旭市/高浜市/岩倉市/豊明市/日進市/田原市/愛西市/清須市/北名古屋市/弥富市/みよし市/あま市/長久手市
町村:東郷町/豊山町/大口町/扶桑町/大治町/蟹江町/飛島村/阿久比町/東浦町/南知多町/美浜町/武豊町/幸田町/設楽町/東栄町/豊根村
よくあるご質問
調査対象を戸建てだけに限定できますか?
可能です。対象とする建物の条件は着手前のヒアリングで設定しますので、戸建てのみ、空き地を含む、といった指定に対応します。
市内の一部の区だけでも依頼できますか?
区単位はもちろん、町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
どの地区を選べばよいか相談できますか?
営業エリアやターゲットをお伺いしたうえで、範囲の切り方をご提案します。まず1地区で実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。
所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?
調査で特定した地番をもとに所有者情報を出力するため、所有者の居住地が県外であっても対応します。
納品されたリストをそのままDMに使えますか?
所有者情報を整理した形で納品しますので、そのままDM発送に進めます。発送作業までまとめてご依頼いただくことも可能です。
まとめ
愛知県は空き家率だけを見れば目立たない県ですが、放置型の実数は15万6千戸あります。率で判断して手を付けていない会社が多いなら、実数で動く側にとってはむしろ好条件です。
都市部での調査は、対象を戸建てに絞り、町丁目単位で範囲を切ることで精度が上がります。まずは自社が実際に動ける1地区から、数字を取ってみてください。
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