石川県の空き家調査|5年で11%増えた県での対象の絞り込み方

石川県の空き家調査|5年で11%増えた県での対象の絞り込み方

石川県の空き家は8万6,400戸。5年間で8,600戸、11.1%増えました。全国の増加率6.0%の約1.8倍のペースです。空き家率も14.5%から15.6%へ1.1ポイント上昇しています。

増えた8,600戸の内訳を見ると、別荘などの二次的住宅は400戸だけ。残る8,200戸、増加分の95%は別荘以外の空き家でした。統計上の分類が押し上げたのではなく、実際に使われなくなった住宅が増えたということです。

北陸3県はいずれも同じ方向に動いています。富山県は空き家が16.2%増、福井県は18.0%増。北陸全体で、空き家が全国平均を大きく上回るペースで増えた5年間でした。この記事では、不動産会社・リフォーム会社・自治体それぞれが石川県で対象をどう絞るべきかを整理します。

この記事の結論

  • 石川県の空き家は11.1%増の8万6,400戸、空き家率15.6%(+1.1pt)(令和5年)
  • 増加分8,600戸のうち8,200戸(95%)が別荘以外の空き家
  • 北陸3県はいずれも急増。福井18.0%、富山16.2%、石川11.1%と全国6.0%を大きく上回る
  • 1住宅当たり延べ面積は120.31㎡で全国7位。空き家になる住宅も大きい
  • 費用は10,000㎡あたり1,000円(税別)〜の従量制。調査項目は目的に応じて追加できる

石川県の空き家を数字で確認する

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」による数値です。

項目 令和5年 平成30年 増減
総住宅数 55万4,000戸 53万5,800戸 +1万8,200戸(+3.40%)
空き家数 8万6,400戸 7万7,800戸 +8,600戸(+11.1%)
空き家率 15.6% 14.5% +1.1pt
二次的住宅を除く空き家 8万3,300戸 7万5,100戸 +8,200戸(+10.9%)
二次的住宅(別荘など) 3,100戸 2,700戸 +400戸
1住宅当たり延べ面積 120.31㎡(全国7位) 全国平均90.86㎡
1人当たり居住室の畳数 16.89畳(全国6位) 全国平均14.65畳

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計・住宅の構造等に関する集計・土地集計(確報集計)結果」。なお本調査の基準日は2023年10月1日で、それ以降の状況は反映されていません。

増加分の95%は別荘以外

空き家の増加を種類別に分けると、二次的住宅は400戸の増加にとどまります。残る8,200戸は、賃貸用・売却用を含む別荘以外の空き家です。

二次的住宅を除いた空き家率も14.0%から15.0%へ1.0ポイント上昇しました。別荘の増減が数字を左右する県ではなく、実質的な空き家が増えていると読めます。

住宅は大きく、ゆとりもある

1住宅当たりの延べ面積は120.31㎡で全国7位、1人当たりの居住室の畳数16.89畳は全国6位。いずれも全国平均を大きく上回ります。居住室数5.07室も全国15位です。

空き家になるのも、この規模の住宅です。解体費用も改修面積も全国平均を上回るため、所有者が判断を先送りしやすい条件が揃っています。

北陸3県はいずれも空き家が急増した

石川県の動きは、単独ではなく北陸全体の傾向として見たほうが正確です。

空き家の増加率 空き家率 前回の空き家率 1住宅当たり延べ面積
福井県 +18.0% 15.6% 13.8%(+1.8pt) 135.66㎡(全国2位)
富山県 +16.2% 14.7% 13.3%(+1.4pt) 138.77㎡(全国1位)
石川県 +11.1% 15.6% 14.5%(+1.1pt) 120.31㎡(全国7位)
全国 +6.0% 13.8% 13.6%(+0.2pt) 90.86㎡

3県とも増加率は全国の2倍前後、空き家率の上昇幅も全国の0.2ポイントを大きく超えます。そして1住宅当たりの延べ面積は3県すべてが全国上位。北陸は「大きな持ち家が空き家になっていく」局面に入っています。

石川県は3県のなかで増加率が最も緩やかですが、それでも全国の1.8倍。延べ面積も3県では最も小さいものの、全国では7位です。

統計と現況は別に確認する

住宅・土地統計調査は5年に1度、10月1日を基準日として実施されます。今回の基準日は2023年10月1日です。それ以降に建物や地域の状況が変わっていても、統計には反映されていません

これはどの県にも当てはまる話ですが、範囲を決めるうえでは押さえておく必要があります。統計で分かるのは市区町村単位の集計まで。どの町丁目のどの建物が、いまどういう状態にあるかは、現地を歩いて確認するしかありません。土地調査では、調査員が対象エリアを歩いて一軒ずつ状態を記録します。

目的によって、見るべき数字と調査項目が変わる

立場 主な目的 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
不動産会社 売却・買取につながる物件の発掘 住宅が集まる地区と建物の状態 戸建てに限定し、状態別の記録を依頼する
リフォーム・外壁塗装会社 施工需要のある住宅の発掘 持ち家の築年数と施工面積 「古家(居住中)」を調査項目に追加する
自治体 実態把握、防災・防犯の重点地区の選定 建物の状態と地区ごとの分布 町丁目・集落単位で全域を対象にし、状態別の分類を依頼する

リフォームは1件あたりの規模が大きい

2019年以降に増改築・改修工事を行った持ち家の割合は31.5%で全国11位。高齢者が住む住宅の一定のバリアフリー化率も47.7%で全国13位と、いずれも全国平均を上回ります。

未施工層が極端に厚いわけではありませんが、1住宅当たりの延べ面積120.31㎡は全国7位。屋根や外壁の施工面積も相応にあります。1件あたりの受注規模で見れば有利な市場です。屋根や外壁の塗装は10年から15年程度の周期で再度必要になるため、「古家(居住中)」を調査項目として指定し、外観の状態を記録しておけば、時期が来た住宅から順に当たれます。

所有地は同じ市町村内が中心

現住居の敷地以外に土地を持っている世帯は17.0%、宅地に限れば11.9%で全国15位。その所有地の78.4%は同じ市区町村内にあります。全国平均70.9%を上回る水準です。

調査で所有者を特定できれば、その人が同じ市町村内にいる可能性は全国平均より高いということになります。空き地を調査項目に加えれば、拾える件数も増えます。

積雪期の扱いを先に決める

石川県は積雪のある地域を抱えます。雪に覆われると、屋根や外壁の状態、敷地の様子、建物の傷み具合といった外観から得られる情報が大きく減ります。

初回の調査は、雪のない時期に実施することをおすすめします。管理されていない大きな建物ほど積雪の影響を受けやすいため、自治体の実態把握を目的とする場合は、調査時期そのものが結果の精度を左右します。

いまの状態を、現地で確認します。

外観から確認できる建物の状況を記録し、扱いを分けられる形で納品します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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制度の変化が所有者に届いているか

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、同年12月に施行されました。倒壊の危険がある「特定空家等」の手前の段階として「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。

あわせて、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

石川県のように1軒あたりの規模が大きい県では、解体費用が判断を止める要因になりやすいと考えられます。制度の変化を知らないまま年数だけが経過し、建物の状態も変わっていく。この流れを止められるのは、正確な情報が所有者に届いたときです。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市町の窓口や司法書士などの専門家への確認をご案内ください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。調査期間も対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲をうかがったうえで費用とあわせてスケジュールをご提示します。

調査項目は、空き家(戸建て)のほか、空き地、古アパート、古家(居住中)、駐車場、倉庫・工場などから選べます。目的に合わせて組み合わせてください。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。北陸3県をまたいだ範囲でも、同じ条件で比較できる形で納品します。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市町・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。集落単位での区切りにも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

石川県で空き家調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 統計の数字をそのまま現況として扱う/調査の基準日は2023年10月1日です。現況の把握は別途必要になります
  • 石川県だけで判断する/北陸3県はいずれも空き家が急増しています。福井18.0%、富山16.2%と比べて位置づけを確認してください
  • 件数だけで費用対効果を判断する/1住宅当たりの延べ面積は全国7位です。1件あたりの規模も併せて見てください
  • 積雪期に初回調査を入れる/雪に覆われると外観から得られる情報が大きく減ります。初回は雪のない時期をおすすめしています
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

石川県の対応エリア

県内は全11市を中心に対応しています。町についても、隣接する市とあわせた範囲でご相談ください。

金沢市/七尾市/小松市/輪島市/珠洲市/加賀市/羽咋市/かほく市/白山市/能美市/野々市市

よくあるご質問

建物の傷み具合まで記録してもらえますか?

外観から確認できる範囲で状態を記録します。屋根や外壁の劣化といった項目に分けて記録することも可能です。どの粒度が必要かはヒアリング時にお伺いします。

積雪期でも調査は実施できますか?

実施自体は可能ですが、積雪により外観から判断できる情報が大きく減ります。初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。時期についてもご相談ください。

金沢市内の一部エリアだけでも依頼できますか?

可能です。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。まず1地区で実施し、結果を見て広げる進め方をおすすめしています。

富山県や福井県とまたいで調査できますか?

対応しています。47都道府県に自社ネットワークがあるため、県境をまたぐ範囲でも同一の基準・フォーマットで実施できます。北陸3県の件数と中身を比較したい場合にもご利用いただけます。

居住中の古い戸建ても調査対象にできますか?

できます。「古家(居住中)」を調査項目として指定いただければ、築年数相当の居住中戸建てを調査・報告します。リフォームや外壁塗装のご提案先を探す場合はこちらが中心になります。

まとめ

石川県の空き家は5年間で11.1%増え、8万6,400戸になりました。全国の増加率6.0%の約1.8倍です。増加分8,600戸のうち8,200戸、95%は別荘以外の空き家でした。

この動きは石川県だけのものではありません。福井18.0%増、富山16.2%増と、北陸3県はいずれも全国を大きく上回るペースで空き家が増えています。3県とも1住宅当たりの延べ面積が全国上位で、大きな持ち家が空き家になっていく局面に入っています。

統計で分かるのは市区町村単位までです。どの町丁目のどの建物が、いまどういう状態にあるか。それを確かめるには現地を歩くしかありません。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

まず1地区から、石川県の現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

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