開発用地を探す方法|市場に出ていない低利用地を地図に落とす

開発用地を探す方法|市場に出ていない低利用地を地図に落とす

開発用地を探すとき、多くの場合はすでに市場に出ている土地から選ぶことになります。仲介業者からの紹介、ポータルサイト、入札。いずれも他社も見ている情報です。

一方で、市場に出ていない土地は大量にあります。使われていない空き地、稼働の落ちた駐車場、遊休化した倉庫や工場。所有者が「売る」と決めていないだけで、条件が合えば動く可能性がある土地です。

問題は、これらがどこにあるか分からないことです。空き家であれば統計に出てきますが、空き地や倉庫・工場には全国調査がありません。この記事では、市場に出ていない用地をどう見つけるかを整理します。

この記事の結論

  • 空き地・駐車場・倉庫工場には全国的な悉皆統計がない。所在は現地でしか分からない
  • 駐車場の所有者はすでに収益化を判断している。更地より提案が通りやすい
  • 低未利用土地の譲渡には100万円の特別控除がある。令和10年末まで延長
  • 隣接する複数の土地を同じ地図で見ることで、まとまった用地の可能性が見える
  • 接道は用地の価値を左右するが、統計にも登記にも出てこない

用地になりうる4つの類型

建物が建っていない、または使われていない土地は、次の4つに分けられます。

類型 状態 提案のしやすさ
空き地(更地) 何も建っていない 所有者が活用を決めていないことが多い
駐車場 暫定的に収益化している すでに収益化の判断をしている
倉庫・工場 建物があるが使われていない 解体を含む検討が必要
空き家(戸建て) 建物があり、使われていない 解体して土地として扱う

このうち統計で把握できるのは、空き家だけです。空き地には世帯の所有状況しか分からず、駐車場と倉庫・工場には全国調査そのものがありません。

空き地の所在は統計に出ない

住宅・土地統計調査の土地集計では、「世帯が土地を持っているかどうか」までは分かります。現住居の敷地以外に土地を所有している世帯は全国で11.8%、宅地に限れば8.0%です。

ただしこれは世帯側から見た数字です。その土地が地図上のどこにあるかは示されません

県によっては、所有されている宅地の利用状況が公表されています。宮崎県の例では、「利用していない(空き地)」が15.5%を占めました。所有されている宅地の6分の1程度が使われないまま保有されている計算です。

駐車場は「使われている土地」だが暫定利用

駐車場は初期投資が最も小さい土地活用です。舗装と区画線があれば始められます。裏を返せば、やめるときの負担も小さいということです。

そして所有者には、更地の所有者にはない特徴があります。すでに一度、土地を収益化する判断をしているということです。

更地のまま置いている所有者は、そもそも活用する意思がない場合があります。駐車場にしている所有者は、より条件の良い提案があれば検討する余地があります

隣接関係を地図で見る

開発用地として成立するかどうかは、1筆ごとではなく、まとまりで決まります

単独では規模が足りなくても、隣接する空き地や駐車場と合わせれば成立することがあります。あるいは空き家を解体すれば、隣の空き地とつながる。この可能性は、複数の類型を同じ地図に落として初めて見えます

組み合わせ 見えてくること
空き地+駐車場 隣接していれば一体での検討が可能
空き家+空き地 解体を前提としたまとまった敷地
倉庫工場+空き地 事業用地としての規模
4類型すべて その区画全体の低利用の状況

弊社の土地調査では、調査項目を複数指定すると項目ごとに色分けして地図に転記します。位置関係が一目で分かるため、まとまりの検討がしやすくなります。

調査項目の追加は1項目につき200円(税別)です。同じ範囲を歩くのであれば、複数を同時に指定したほうが面積あたりの成果は上がります

接道は用地の価値を左右する

どれだけ規模があっても、接道の条件が悪ければ開発は成立しません。

確認すること 影響
前面道路の幅 建築基準法上の制限、工事車両の進入
接する道路の数 角地かどうか、区画の切り方
出入口の位置 造成計画に関わる
周辺の道路網 アクセスの良否

接道の状況は、統計にも登記情報にも記載されません。地図上では正確な幅員が分からず、俯瞰の画像でも測れません。現地で確認するしかない条件です。

参考として、京都市の資料は「接道している道の幅員が狭いほど空き家率が高い傾向にある」と明記しています。神戸市でも放置型の36%が幅員4メートル未満の道路にしか接していません。安く取得できる土地ほど、接道が悪い可能性があります

所有者が動く材料

低未利用土地の100万円特別控除

令和2年度税制改正で創設された特例措置です。個人が都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を譲渡した場合、長期譲渡所得の金額から最大100万円を控除できます。

項目 内容
控除額 長期譲渡所得から最大100万円
対象 都市計画区域内にある一定の低未利用土地等
譲渡価額 500万円以下(市街化区域等にある場合は800万円以下)
所有期間 譲渡した年の1月1日時点で5年超
必要書類 市区町村が発行する「低未利用土地等確認書」
適用期限 令和8年度税制改正により令和10年12月31日まで延長

ここでいう低未利用土地には、利用の程度が著しく劣っている土地も含まれます。駐車場として使われている土地が該当するかどうかは、個別の状況によって判断が分かれます。

制度の目的は、低額な土地の譲渡を促し、新たな所有者不明土地の発生を防ぐことにあります。譲渡価額の上限があるため、対象は小規模な土地が中心になります。

相続登記の義務化

2024年4月から相続登記の申請が義務化され、2026年4月には住所等変更登記も義務化されました。どちらも施行日前の相続・転居が対象です。

相続した土地をとりあえず駐車場にしている、登記もしていない。この状態は制度上の対応が必要になります。手続きを機に、土地の扱いを検討する所有者は今後増えると考えられます。

なお制度の適用や手続きの詳細は個別の状況によって判断が分かれます。具体的な内容については、所管する市区町村の窓口や税理士などの専門家への確認をご案内ください。

低利用の土地を、まとめて地図に落とせます。

空き地・駐車場・倉庫工場・空き家を色分けして納品。隣接関係が一目で分かります。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

所有者の特定

土地の所有者は、登記情報から調べられます。ただし請求には地番が必要で、普段使っている住所(住居表示)では取得できません。

工程 やること
1 現地調査で対象を確定し、地番を割り出す
2 登記情報から所有者事項を取得する
3 DMを送る、または直接接触する

弊社の土地調査では、現地で対象を確認したうえで地番の割り出しまで行います。納品されるリストには地番が含まれるため、そのまま登記情報の取得に進めます。1件750円(税別)で代行も可能です。

所有者は近くにいることが多い

接触のしやすさという点では、土地には有利な条件があります。住宅・土地統計調査によると、世帯が現住居の敷地以外に持っている土地のうち、同じ市区町村内にあるものは全国平均で70.9%です。

県によっては福井県87.1%、鳥取県86.4%とさらに高くなります。所有者が遠方にいることの多い空き家と比べ、話が進みやすい条件です

目的によって、見る条件が変わる

立場 主な目的 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
デベロッパー まとまった開発用地の確保 隣接関係、規模、接道 空き地・駐車場・倉庫工場を同時に指定
建設・ハウスメーカー 建築用地の確保 敷地の広さ、接道、周辺の需要 規模の下限を指定して絞り込む
土地活用の提案会社 活用提案先の発掘 現在の利用状況、収益性 駐車場を中心に、低利用の土地も含める
自治体 低未利用地の把握 分布、周辺の土地利用状況 町丁目単位で全域を対象にし、集計形式で納品を依頼する

用途地域で範囲を絞る

倉庫や工場は、工業系の用途地域や幹線道路沿いに偏在します。住宅系の用地であれば、住宅地とその周辺に集中します。

調査費用は面積に対する従量制です。用途地域や道路の状況をもとに範囲を絞り込むほうが、面積あたりの成果は上がります。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

調査で分からないこと

正直に整理しておきます。

分からないこと 知るには
正確な敷地面積 登記情報を取得する
境界の位置 測量が必要
用途地域・建ぺい率・容積率 都市計画の情報を確認する
地盤の状態 専門の調査を行う
所有者の売却意向 接触して確認する

調査で得られるのは「検討する価値のある候補」までです。ここから先は登記情報の確認と、接触して確かめる工程になります。

ただし、候補が地図に落ちているかどうかで動ける件数が変わります。市場に出ていない土地を把握しているのは、調べた会社だけです

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。用途地域や道路の状況で範囲を絞り込むほど、費用あたりの成果は上がります。

調査項目は、空き地のほか、駐車場、倉庫・工場、空き家(戸建て)、古アパート、古家(居住中)などから選べます。用地を探す目的であれば、空き地・駐車場・倉庫工場の組み合わせが基本になります

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。隣接関係を見るなら、地図が中心になります

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
どういう用地を探しているか、対象とする規模の下限も含めて確認します。用途地域や道路の状況に合わせた範囲設定をご提案します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する土地・建物を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、一件ずつ規模・利用状況・接道を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

用地を探すときの注意点

よくあるつまずき

  • 統計で当たりをつけようとする/空き地・駐車場・倉庫工場には全国的な悉皆調査がありません
  • 1類型だけを調べる/隣接関係は複数を同じ地図に落として初めて見えます
  • 接道を確認しない/規模があっても、条件が悪ければ開発は成立しません
  • 規模の条件を決めずに発注する/数台分の駐車場まで拾うと件数が膨らみます
  • 駐車場を対象外にする/所有者はすでに収益化を判断しています。更地より提案が通る場合があります

よくあるご質問

空き地・駐車場・倉庫を同時に調査できますか?

できます。調査項目として複数を指定していただければ、同じ範囲を1回歩いてすべてを記録し、地図上で色分けして納品します。隣接関係が一目で分かる形になります。追加は1項目につき200円(税別)です。

一定の規模以上に絞れますか?

できます。おおよその敷地の広さで下限を指定していただければ、それに該当する土地を対象として調査します。条件はヒアリング時にお伺いします。

接道の状況も記録してもらえますか?

ご相談ください。外観から確認できる範囲で、前面道路の状況を記録項目に組み込めます。統計にも登記にも出てこない条件のため、現地調査の価値が出やすい部分です。

正確な敷地面積は分かりますか?

外観からはおおよその目安までです。正確な面積は登記情報でご確認いただく形になります。地番を含むリストを納品しますので、そのまま取得に進めます。

工業系の地区だけを対象にできますか?

できます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。倉庫・工場は分布に偏りがあるため、この切り方をおすすめしています。

まとめ

市場に出ている用地は、他社も見ています。一方、使われていない空き地、稼働の落ちた駐車場、遊休化した倉庫や工場は、所有者が「売る」と決めていないだけで大量に存在します。

ところがこれらの所在は、統計では分かりません。空き地には世帯の所有状況しか出ず、駐車場と倉庫・工場には全国調査そのものがありません。現地を歩いて記録するしかない対象です。

そして開発用地は、1筆ごとではなくまとまりで決まります。複数の類型を同じ地図に落として初めて、隣接関係が見えます。空き地と駐車場が隣り合っている、空き家を解体すれば隣の空き地とつながる。この可能性は、色分けされた地図の上で判断できます。

加えて接道の確認を忘れないでください。規模があっても条件が悪ければ開発は成立せず、安く取得できる土地ほど接道が悪い可能性があります。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

関連記事

まず1地区から、現地データをお出しします。

開発用地の確保、土地活用の提案、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

反響を生む配布設計をプロがご提案します

反響を生む配布設計

プロがご提案します

お気軽にご相談ください

お気軽にどうぞ 無料見積もり相談