空き家の家財処分の需要をどう見つけるか|片付けが止めている

空き家の家財処分の需要をどう見つけるか|片付けが止めている

空き家の売却や解体が進まない理由のひとつに、家財が残ったままという状態があります。

内見もできない、解体の見積りも出せない。片付けが済まなければ、その先の工程に進めません。所有者にとっては、ここが最初の関門になります。

ただし、この需要は外から見つけにくいものです。家財が残っているかどうかは、公道から外観を見ても分かりません。この記事では、その制約を踏まえたうえで、どう対象を絞るかを整理します。

この記事の結論

  • 家財の片付けは売却も解体も止める工程
  • ただし外観からは家財の有無が分からない
  • 分かるのは放置期間の長さの手がかりまで
  • 空き家の57.9%は相続によるもの。形見分けの問題も絡む
  • 他業種からの紹介という導線が現実的

片付けが前工程になっている

空き家をどうするにしても、家財が残っていれば止まります。

やろうとすること 家財があると
売却する 内見も査定も進まない
賃貸に出す 入居できない
解体する 処分費用が別途かかる
自分や親族が使う 片付けが必要

どの選択肢を選んでも、片付けは避けられません。この意味で、家財処分は空き家の出口すべての前工程にあたります。

所有者が止まる理由

障害 内容
物理的な負担 遠方だと何度も通えない
費用 処分費用の負担
判断 何を残し、何を捨てるかを決められない
親族間の調整 形見分けが済んでいない

費用だけの問題ではありません。判断がつかない、親族と話がついていない。この理由で何年も止まっていることがあります。

調査では家財の有無は分からない

正直に書いておきます。現地調査は公道から外観を確認する形のため、建物内部の状態は分かりません

所有者の許可なく敷地に立ち入ることはできませんし、窓から中をのぞくといった行為も行いません。家財が残っているかどうかは、この方法では判断できません

調査で得られるのは、使われていない住宅がどこにあるか、外観がどういう状態かまでです。内部の状況は、接触して確認する工程になります。

この点を踏まえたうえで、どう使えるかを考える必要があります。

放置期間は推測できる

家財の有無は分かりませんが、どれくらい放置されているかは外観から推測できます

見る場所 分かること
庭木・雑草 手入れが止まってからの期間
郵便受け 投函物の滞留、封鎖の有無
建物の劣化 放置期間の長さ
敷地の放置物 片付けが行われていないこと

長く放置されているほど、片付けの負担も大きくなる傾向があります。ただしこれは推測であって、確定ではありません。

敷地の放置物は見える

建物の中は見えませんが、敷地に置かれているものは見えます

屋外に置かれた家具や資材、ごみ。これらがある物件では、屋内の状況も同様である可能性があります

調査では、放置物の有無を記録項目に含めることができます。

相続直後の物件が中心になる

空き家の57.9%は相続によって取得したものです。そして空き家になった原因の58.3%は所有者の死亡でした。

亡くなった方の家財がそのまま残っている状態が、この層にあたります。

形見分けが済んでいないことがある

相続直後は、遺産分割の整理や親族との調整があります。「何を残すか」が決まらなければ、片付けは始められません

この段階では、急かさないことが重要です。亡くなった家族の持ち物を処分するという話は、簡単に進むものではありません

3年という区切りがある

相続した空き家を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。期限は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。

売却するなら、その前に片付けを済ませる必要があります。逆算すると、相続から1〜2年が動きやすい時期ということになります。

ただし期限を強調して急かすのは避けてください。制度としてこういう仕組みがあるという事実を伝え、詳しくは税理士や市区町村の窓口へと案内する形が適切です

空き家の所在と放置の状況を記録します。

家財の有無は分かりませんが、対象を絞る材料にはなります。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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他業種からの紹介という導線

直接の営業より、他業種からの紹介のほうが確度は高くなります

紹介元 場面
不動産会社 売却の相談を受けたが、片付けが済んでいない
解体会社 解体の前に家財の処分が必要
空き家管理会社 管理を受託している物件で片付けの相談が出た
士業 相続の手続きに関連して相談を受けた

いずれも「家財が残っている」ことが分かっている状態です。外から見つけるより、確度が高くなります。

連携先を見つける手がかりにはなる

直接の需要は外から見えなくても、その地域で空き家がどれだけあるかは調査で分かります

空き家が多い地域であれば、不動産会社や解体会社の取扱件数も多くなります。連携先を検討する材料としては使えます

自社で営業する場合

直接接触する場合も、方法はあります。

工程 やること
1 現地調査で放置期間の長い空き家を確定し、地番を割り出す
2 登記情報から所有者事項を取得する
3 DMを送る

空き家の所有者は、その建物に住んでいません。訪問しても会えないのが前提です。登記情報に電話番号は記載されないため、郵送が実質的な手段になります。

弊社では、調査で特定した地番をもとに登記情報を1件750円(税別)で取得し、そのままDMの印刷・封入・発送まで1通180円(税別)で代行できます。

伝え方に注意する

避けたいこと 理由
「家財が残っていますね」と伝える 外から見て分かるものではありません
形見分けの状況を詮索する 親族間の事情に踏み込むことになる
期限を強調して急かす 相手は身構えます
「近隣から苦情が出ています」と伝える 実際にあるかは分かりません

伝えるべきは、そういうサービスがあるという案内までです。相手にとって、その家は亡くなった家族の家であることが多くなります。

季節性と地域性

需要には、いくつかの傾向があります。

要因 影響
相続の時期 四十九日や一周忌の前後に動くことがある
年末年始・お盆 親族が集まる時期に話が進むことがある
所有者の居住地 遠方ほど委託の需要が高い

遠方の所有者ほど需要がある

住宅・土地統計調査によると、世帯が持つ敷地以外の土地のうち他県にあるものは全国平均で14.1%。神奈川県では33.8%にのぼります。

遠方に住んでいれば、何度も通って片付けることはできません。委託の需要が生じやすい層です。

目的によって、見る条件が変わる

立場 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
遺品整理・不用品回収 放置期間、敷地の放置物 建物と敷地の状態を記録
解体会社 建物の状態、接道 状態+接道の記録
不動産会社 建物の状態、立地 状態別の分類
空き家管理会社 管理されていない、かつ傷みが軽微 敷地の管理状況

解体とセットで考える

建物を解体する場合、家財の処分は解体費用とは別にかかることが一般的です

解体会社と連携すれば、1件の物件で両方の需要が発生します。逆に家財処分から入り、解体を紹介する流れもあります。

京都市の資料では、放置型の空き家について腐朽・破損率が一戸建28%、長屋建52%、共同住宅11%と示されています。状態の悪い物件ほど、解体が現実的な選択肢になります

調査でできること・できないこと

できること できないこと
使われていない住宅の特定 建物内部の家財の有無
外観から見た放置の程度 正確な放置期間
敷地の放置物の記録 相続によるものかの判断
地番の割り出し 所有者の意向
登記情報からの所有者事項の取得 親族間の状況

直接の需要を特定することはできません。提供できるのは、接触の候補を絞るための記録までです。

この点を踏まえたうえで、他業種との連携と組み合わせる進め方をおすすめします

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

調査では、建物の状態と敷地の放置物を記録項目に含めることができます。放置期間の長さを推測する材料になります。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストかを確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目、記録する状態の区分を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅や別荘地を除外した設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、公道から確認できる範囲で状態を確認・記録します。敷地の放置物もこの工程で記録します。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 調査で家財の有無が分かると期待する/建物内部は見えません
  • 「家財が残っていますね」と伝える/外から分かるものではありません
  • 形見分けの状況を詮索する/親族間の事情に踏み込むことになります
  • 期限を強調して急かす/亡くなった家族の持ち物を処分する話です
  • 直接営業だけに頼る/他業種からの紹介のほうが確度は高くなります

よくあるご質問

家財が残っている物件を特定できますか?

できません。現地調査は公道から外観を確認する形のため、建物内部の状態は分かりません。記録できるのは、使われていない住宅の所在と外観の状態までです。

放置期間は分かりますか?

正確な期間は分かりませんが、庭木や雑草の状況、郵便受けの状態、建物の劣化から推測はできます。長く放置されているほど、片付けの負担も大きくなる傾向があります。

敷地に置かれているものは記録できますか?

できます。屋外の放置物やごみの有無を記録項目に含められます。屋内の状況を推測する材料になる場合があります。

相続された物件だけを調べられますか?

外観から相続の有無は判断できません。現地調査で使われていない住宅を確定し、登記情報から所有権移転の経緯を確認する流れになります。

他業種と連携したほうがよいですか?

直接の営業より確度は高くなります。不動産会社や解体会社は、家財が残っていることが分かっている状態で相談を受けるためです。調査は連携先を検討する材料としてもご活用いただけます。

まとめ

家財の片付けは、空き家の出口すべての前工程にあたります。売却も賃貸も解体も、家財が残っていれば進みません。

ただし調査で家財の有無は分かりません。公道から外観を確認する方法では、建物内部は見えないためです。この制約は正直にお伝えしておきます。

分かるのは、放置期間の長さの手がかりまで。庭木や雑草の状況、郵便受けの状態、敷地の放置物。長く放置されているほど、片付けの負担も大きくなる傾向があります。

そして他業種からの紹介という導線のほうが、確度は高くなります。不動産会社や解体会社は、家財が残っていることが分かっている状態で相談を受けるためです。

直接営業と連携を組み合わせる。調査は、そのどちらにも使える材料になります

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