空き家の草刈り・庭木の需要をどう見つけるか|敷地の状態で絞る

空き家の草刈り・庭木の需要をどう見つけるか|敷地の状態で絞る

空き家に関わる仕事のうち、最も早い段階で発生するのが敷地の管理です。

建物が傷むには年数がかかりますが、草は数か月で伸びます。樹木は1〜2年で道路や隣地にはみ出します。近隣からの苦情も、まずここから出ます

そしてこの状態は、外から見て明確に分かります。建物の内部や築年数と違い、推測ではありません。この記事では、草刈りや庭木の手入れの需要をどう見つけるかを整理します。

この記事の結論

  • 敷地の状態は建物の傷みより早く表面化する
  • 雑草や樹木の状況は外観から明確に分かる
  • 所有者は状況を知らないことが多い。遠方に住んでいるため
  • 管理不全空家等の判断要素に敷地の管理状況が含まれる
  • 需要は季節に集中する。年間の設計が必要

敷地は建物より早く変化する

空き家の状態変化を、時間の順に並べると次のようになります。

変化 表面化するまで
雑草の繁茂 数か月
樹木の越境 1〜2年
不法投棄 管理されていないと分かると始まる
建物の破損 数年以上

建物の破損は最後です。解体や買取の対象になる頃には、敷地はすでに何年も放置されています。

逆にいえば、草が伸び始めた段階で見つけられれば、他の業種より早く接触できます

外観から明確に分かる

空き家調査では、多くの項目が推測にとどまります。築年数は断定できず、建物内部は見えず、所有者の意向も分かりません。

ところが敷地の状態は違います

項目 外観からの判断
雑草の繁茂 明確に分かる
樹木の越境 明確に分かる
放置物・不法投棄 明確に分かる
建物の築年数 断定できない
建物内部の状態 分からない
所有者の意向 分からない

草が伸びているかどうかに、判断の余地はありません。この明確さが、他の対象との違いです。

所有者は状況を知らない

ここが需要の源です。空き家の所有者は、その物件から離れて住んでいることが少なくありません。

住宅・土地統計調査によると、世帯が持つ敷地以外の土地のうち他県にあるものは全国平均で14.1%。神奈川県では33.8%にのぼります。

物件を見ていなければ、草が伸びていることも分かりません。悪意で放置しているのではなく、状況を知らないケースが相当数あります。

そして近隣から苦情が入り、自治体から指導の通知が来て初めて事態を知る。この時点では、対応が後手に回っています

制度上も敷地の管理は判断要素になる

2023年12月施行の改正空家法で、管理不全空家等の区分が新設されました。適切な管理が行われず、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態が対象です。

国土交通省のガイドラインは、判断について「空家等の物的状態」と「周辺の生活環境に及ぼし得る影響の程度等」を踏まえて総合的に判断するとしています。

系統 見るもの
建物 屋根、外壁、建具、傾き
敷地 雑草の繁茂、樹木の越境、放置物、囲いの状態
周辺への影響 道路や隣地との距離、通行への支障

敷地の管理状況は、判断要素の一つです。建物が無事でも、敷地が放置されていれば該当しうるということになります。

指導の段階なら税への影響は避けられる

市区町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例から外れます。ただし助言・指導の段階では特例は継続します

つまり指導を受けた段階で管理を改善すれば、税への影響は避けられます。所有者にとって、これは分かりやすい判断材料になります。

なお「空き家を持っていると税が上がる」という説明は不正確です。勧告を受けた場合に限られます。制度の仕組みを正確に伝え、詳しくは市区町村の窓口へと案内してください。

対象をどう絞るか

調査では、敷地の状態を記録項目に含めることができます。

記録項目 内容
雑草の状況 繁茂の程度
樹木の状況 大きさ、道路や隣地への張り出し
放置物の有無 敷地内のごみ、不法投棄
囲いの状態 塀や生垣の傾き、破損
建物の状態 あわせて記録できる
周辺との位置関係 道路や隣地との距離

手遅れの物件は対象外

建物の傷みが著しく、解体が現実的な物件では、敷地の管理を提案しても長続きしません

狙うのは手入れが行き届かなくなり始めた段階です。草が伸びてきた、樹木がはみ出してきた。この段階なら、定期的な作業として継続する可能性があります。

管理されている敷地も対象外

逆に、手入れが行き届いている敷地も提案先になりません。所有者が自分で通っている、すでに他社が入っている、あるいは別荘として使われている

とくに二次的住宅(別荘)は、統計上は空き家ですが管理されています。長野県では総住宅数の5.4%、山梨県では4.0%を占めます。別荘地を範囲に含めると、管理済みの物件を大量に拾うことになります

敷地の状態を記録したリストをお出しします。

雑草や樹木の状況まで押さえるため、まだ間に合う段階の物件を拾えます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

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所有者への接触

空き家の所有者は、その建物に住んでいません。訪問しても会えないのが前提です。

登記情報から取得できるのは氏名と住所で、電話番号は含まれません。公開情報だけで接触するなら、郵送が実質的な手段になります

工程 やること
1 現地調査で管理されていない敷地を確定し、地番を割り出す
2 登記情報から所有者事項を取得する
3 DMを送る

弊社では、調査で特定した地番をもとに登記情報を1件750円(税別)で取得し、そのままDMの印刷・封入・発送まで1通180円(税別)で代行できます。

伝え方に注意する

避けたいこと 理由
「近隣から苦情が出ています」と伝える 実際に苦情があるかは分かりません
「管理不全空家等に該当します」と伝える 判断は市区町村が行います
「税金が上がります」と伝える 勧告を受けた場合に限られます

伝えるべきは、現地で確認できた事実です。草が伸びている、樹木が道路側に出ている。この形であれば、正確であり信頼されます。

季節性を織り込む

草刈りの需要は、季節に集中します。年間を通じて平準化することは難しい業種です

時期 状況
春から夏 草の伸びが早く、需要が集中する
落ち葉の対応、樹木の剪定
需要が減る。積雪地では作業が困難

調査の時期も影響する

調査で雑草の状況を記録する場合、実施時期によって見え方が大きく変わります

夏に調査すれば放置に見える敷地も、冬に見れば分かりません。逆に冬でも草が残っていれば、長く放置されている可能性が高くなります。

需要期の手前に調査を実施し、営業に使う。この順序であれば、リストの鮮度を活かせます。

また積雪のある地域では、雪に覆われると敷地の状態が確認できません。雪のない時期の調査をおすすめしています

単価は低いが継続性がある

1回あたりの作業単価は、解体や改修と比べて小さくなります。ただし継続する可能性があります

特徴 内容
単価 1回あたりは小さい
頻度 年に複数回になることがある
継続性 状況が変わらなければ続く
関係の構築 所有者との接点が残る

接点が続くことに意味があります。数年後に売却や解体を検討する段階で、最初に相談される立場になります。

使用目的のない空き家の40.6%は「空き家として所有しておく」意向を持っています。この層は売却の対象ではありませんが、管理の対象にはなります

目的によって、見る条件が変わる

立場 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
造園・草刈り会社 雑草・樹木の状況 敷地の状態を記録項目に含める
空き家管理会社 管理されていない、かつ傷みが軽微 敷地+建物の状態
不動産会社 建物の状態、接道 敷地の状態もあわせて記録
自治体 建物・敷地・周辺への影響の3系統 町丁目単位で全域を対象にする

他業種との連携もある

草刈りで接点を持った所有者が、その後に売却や解体を検討することがあります

自社で扱えない相談は、他社を紹介する形になります。逆に、不動産会社や解体会社から管理の依頼を受けることもあります

1件の物件に複数の業種が関わるため、連携の余地は小さくありません

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。作業に回れる範囲に合わせて設定できます。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。現場を回る前提であれば、地図が中心になります

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
作業に回れる範囲を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目、記録する状態の区分を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。別荘地を範囲から外す設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。敷地の管理状況もこの工程で記録します。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 傷みが激しい物件を狙う/解体が現実的な物件では、管理の提案が続きません
  • 別荘地を範囲に含める/管理された二次的住宅を大量に拾うことになります
  • 「近隣から苦情が出ています」と伝える/実際にあるかは分かりません。事実だけを伝えてください
  • 調査時期を考えない/雑草の状況は季節で大きく変わります
  • 「税金が上がります」と伝える/勧告を受けた場合に限られます

よくあるご質問

敷地の管理状況を記録してもらえますか?

できます。雑草の繁茂、樹木の越境、放置物の有無、囲いの状態といった項目を記録できます。建物の状態とは別の系統として記録することも可能です。

樹木が道路に出ているかどうかも分かりますか?

記録できます。道路や隣地への張り出しは、通行への影響につながるため実務上の判断材料になります。周辺との位置関係もあわせて記録できます。

別荘を除いて調査することはできますか?

可能です。調査範囲の設定段階で別荘地を外す形で調整します。長野県・山梨県・静岡県など二次的住宅の多い地域では特におすすめしています。

作業に回れる範囲で依頼できますか?

できます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。1日で回れる範囲がお決まりであれば、それに合わせて設計します。

いつ頃調査するのがよいですか?

雑草の状況は季節で大きく変わります。需要期の手前に実施し、営業に使う順序をおすすめしています。積雪のある地域では、雪のない時期の調査をおすすめしています。

まとめ

空き家に関わる仕事のうち、最も早い段階で発生するのが敷地の管理です。草は数か月、樹木の越境は1〜2年。建物の破損はもっと後です。

そして敷地の状態は、外から見て明確に分かります。築年数や建物内部と違い、推測ではありません。草が伸びているかどうかに判断の余地はありません。

需要の源は、所有者が状況を知らないことです。他県に土地を持つ世帯は全国平均で14.1%。物件を見ていなければ、草が伸びていることも分かりません。

狙うのは手入れが行き届かなくなり始めた段階。傷みが激しい物件では管理の提案が続かず、手入れが行き届いている敷地は提案先になりません。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

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