月極駐車場の調査とは|土地活用の提案先を地図で洗い出す方法

月極駐車場の調査とは|土地活用の提案先を地図で洗い出す方法

土地活用の提案先を探すとき、更地を探す方は多いと思います。ただ、更地は競合も多く、そもそも数が限られます。

見落とされがちなのが、月極駐車場です。使われている土地なので「空いていない」ように見えますが、実態は違います。駐車場は多くの場合、本格的な活用が決まるまでの暫定利用です。建物を建てるだけの資金や決断がまだない、相続してとりあえず貸している、といった経緯で始まっています。

そして駐車場の所有者には、更地の所有者にはない特徴があります。すでに一度、土地を収益化する判断をしているということです。この記事では、駐車場調査で何が分かるのか、なぜ提案先として有望なのかを整理します。

この記事の結論

  • 駐車場は暫定利用であることが多い。転用の余地が残っている
  • 所有者はすでに収益化を判断した層。更地の所有者より提案が通りやすい
  • 外観から空き区画の多さが分かる。稼働が落ちた駐車場は転用の候補になる
  • 低未利用土地の100万円特別控除の対象に、駐車場等も含まれる場合がある
  • 費用は空き家調査と同じ従量制。同時指定なら1項目200円の追加

駐車場調査とは

調査員が対象エリアを歩き、月極駐車場やコインパーキングなどを一件ずつ確認・記録する調査です。弊社の土地調査では「駐車場」を調査項目として指定できます。

記録項目 内容 使いどころ
位置 地図上の位置を特定し、色分けして転記 エリア内の分布を把握する
おおよその規模 区画数の目安、敷地の広さ 建築できる規模の一次判断
稼働の状況 外観から見た空き区画の多さ 収益性と転用の余地を推測する
舗装・設備の状態 アスファルト、砂利、区画線、機械式か平面か 投下資本の大きさを推測する
接道の状況 前面道路の幅、出入口の位置 建築可否や用途の検討材料
地番 調査結果をもとに割り出す 登記情報の取得につなげる

調査後、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得し、DMの発送まで一括で対応できます。

なぜ駐車場が提案先になるのか

①暫定利用であることが多い

駐車場は、土地の用途としては初期投資が最も小さい部類です。舗装と区画線があれば始められます。裏を返せば、やめるときの負担も小さいということです。

建物が建っていれば、解体費用と入居者の問題があります。駐車場であれば、契約の解除と設備の撤去で済みます。転用のハードルが構造的に低い土地だといえます。

②所有者はすでに収益化を判断している

ここが更地との最大の違いです。

土地の状態 所有者の状況 提案への反応
更地のまま 活用を決めていない、判断を保留している そもそも動く気がないことがある
駐車場にしている 一度は収益化の判断をしている より条件の良い活用には関心を持ちやすい

更地の所有者に「活用しませんか」と提案しても、そもそも活用する意思がない場合があります。相続したまま手をつけていない、いずれ自分で使うつもりでいる、といった状況です。

一方、駐車場にしている所有者は、すでに土地から収益を得るという判断を下しています。より条件の良い提案があれば検討する余地があります。

③空き区画は外から見える

駐車場の稼働状況は、外観から相当程度分かります。空いている区画がいくつあるか、その状態が続いているか。これは現地を見れば把握できる情報です。

空き区画が多い駐車場は、収益が想定を下回っている可能性があります。所有者にとって、転用を検討する動機になりうる状態です。

統計では駐車場は把握できない

住宅・土地統計調査では、住宅と土地の所有状況は分かりますが、その土地が駐車場として使われているかどうかまでは示されません

宮崎県の例では、世帯が所有する宅地などのうち「主に建物の敷地以外に利用」が15.5%という数字が公表されています。ここに駐車場も含まれると考えられますが、地図上のどこにあるかは分かりません

空き地と同様、駐車場も所在の把握には現地調査が必要になります。

外観から分かること・分からないこと

正直に整理しておきます。

分かること 分からないこと
おおよその区画数 正確な敷地面積
空き区画の有無と数 実際の契約状況、賃料
舗装や設備の状態 収支、投資回収の状況
看板の有無、管理会社名 土地の所有者が誰か
接道の状況 建築上の制限、用途地域

看板に管理会社名が出ていることは多いのですが、管理会社と土地の所有者は別です。所有者に直接アプローチするなら、地番を特定して登記情報を取得する必要があります。

調査で得られるのは、あくまで提案する価値のある候補までです。ここから先は接触して確かめる工程になります。

目的によって、見る条件が変わる

立場 主な目的 優先して見る条件 調査で指定するとよい条件
不動産会社 用地の確保、買取の提案 規模、接道、空き区画の多さ 駐車場に加えて空き地も対象に含める
建設・土地活用の提案会社 賃貸住宅・店舗などの建築提案 敷地の広さ、周辺の需要、接道 規模の下限を指定して絞り込む
自治体 低未利用地の把握 分布、周辺の土地利用状況 町丁目単位で全域を対象にし、集計形式で納品を依頼する

空き地と組み合わせると精度が上がる

駐車場と空き地は、いずれも建物が建っていない土地です。用地を探す目的であれば、両方を同時に押さえておくほうが候補は増えます。

さらに、隣接している場合は一体で検討できることもあります。地図上で色分けして納品するため、位置関係が一目で分かります。調査項目の追加は1項目につき200円(税別)です。

倉庫・工場も同じ発想で使える

使われていない倉庫や工場も、転用や建替えの提案先になります。駐車場・空き地・倉庫工場を同時に指定すれば、そのエリアの低利用な土地を一度の調査で把握できます

駐車場・空き地・倉庫を、まとめて地図に落とせます。

低利用な土地をエリア単位で押さえたリストをお作りします。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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所有者が動く材料がある

低未利用土地の100万円特別控除

令和2年度税制改正で創設された特例措置です。個人が都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を譲渡した場合、長期譲渡所得の金額から最大100万円を控除できます。

項目 内容
控除額 長期譲渡所得から最大100万円
対象 都市計画区域内にある一定の低未利用土地等
譲渡価額 500万円以下(市街化区域等にある場合は800万円以下)
所有期間 譲渡した年の1月1日時点で5年超
必要書類 市区町村が発行する「低未利用土地等確認書」
適用期限 令和8年度税制改正により令和10年12月31日まで延長

ここでいう低未利用土地には、利用の程度が著しく劣っている土地も含まれます。駐車場として使われている土地が該当するかどうかは、個別の状況によって判断が分かれます。

控除の要件や確認書の取得方法については、所管する市区町村の窓口や税理士などの専門家への確認をご案内ください。

相続登記の申請義務化

2024年4月からは、相続登記の申請が義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に登記申請を行うことが求められ、過去に発生した相続についても対象となります。

相続した土地をとりあえず駐車場にしている、という状態は少なくありません。登記の手続きを機に、土地の扱いを検討する所有者は今後増えると考えられます。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。駐車場単独で調査する場合も、他の項目と同時に指定する場合も、基本料金の考え方は同じです。

調査項目は、駐車場のほか、空き地、空き家(戸建て)、古アパート、古家(居住中)、倉庫・工場などから選べます。用地を探す目的であれば、駐車場・空き地・倉庫工場の組み合わせが有効です

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(用地の確保/建築提案/実態把握)を確認し、対象とする規模の下限なども含めて条件を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、一件ずつ規模・稼働状況・接道を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

駐車場調査を進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • 看板の管理会社に連絡する/管理会社と土地の所有者は別です。所有者への提案なら登記情報から特定してください
  • 規模の条件を決めずに発注する/数台分の駐車場まで拾うと件数が膨らみます。下限を指定してください
  • 稼働状況を1回の確認で判断する/時間帯や曜日で埋まり具合は変わります。傾向として捉えてください
  • 更地と同じ提案をする/駐車場の所有者はすでに収益化しています。現状との比較で提案してください
  • リストを受け取った後の担当と件数を決めていない/誰がいつまでに何件処理するかを先に決めておかないと、リストが動かないまま古くなります

よくあるご質問

空き区画の数まで記録してもらえますか?

外観から確認できる範囲で記録します。ただし時間帯や曜日によって埋まり具合は変わるため、正確な契約状況ではありません。傾向を把握する材料としてご活用ください。

一定の規模以上に絞れますか?

できます。おおよその区画数や敷地の広さで下限を指定していただければ、それに該当する駐車場を対象として調査します。条件はヒアリング時にお伺いします。

空き地や倉庫と同時に調査できますか?

できます。調査項目として複数を指定していただければ、同じ範囲を1回歩いてすべてを記録し、地図上で色分けして納品します。追加は1項目につき200円(税別)です。

土地の所有者を特定できますか?

できます。調査で特定した地番をもとに登記情報から所有者事項を取得します。看板に出ている管理会社ではなく、土地の所有者本人の情報です。

コインパーキングも対象になりますか?

ご指定いただければ対象に含めます。月極のみ、コインパーキングのみ、両方といった形で条件を設定できます。

まとめ

駐車場は「使われている土地」ですが、多くの場合は本格的な活用が決まるまでの暫定利用です。初期投資が小さいぶん、やめるときの負担も小さく、転用のハードルは構造的に低くなります。

そして所有者は、すでに一度、土地を収益化する判断をしています。更地のまま置いている所有者と比べれば、より条件の良い活用には関心を持ちやすい層です。

稼働の状況は外から見えます。空き区画が続いている駐車場は、収益が想定を下回っている可能性があります。ただし、どこにどんな駐車場があるかは統計には出てきません。空き地や倉庫・工場と同時に指定すれば、そのエリアの低利用な土地を一度の調査で押さえられます。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

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