納品された空き家リストをどう確認するか|使い始める前の5項目

納品された空き家リストをどう確認するか|使い始める前の5項目

調査結果が納品されました。すぐに営業に回す前に、確認しておくべきことがあります

件数は想定と合っているか、範囲は歩き切られているか、判定の粒度は使える形か。ここで気づけば、2回目の条件を調整できます

そして正直に書いておくと、調査には一定の誤差が生じます。外観から判断する以上、避けられません。この記事では、受け取った後の確認方法と、想定と違った場合の対応を整理します。

この記事の結論

  • 確認するのは件数・網羅性・判定・地番・粒度の5項目
  • 誤判定は一定割合で生じる。外観からの判断のため
  • 数件を実際に見に行くと精度が確認できる
  • 想定と違ったら、2回目の条件に反映する
  • 確認した内容を記録に残すと次に使える

①件数を確認する

まず、想定していた規模と合っているかを見ます。

状況 考えられる原因
想定より多い 条件が緩かった、共同住宅を含んでいた、地区の実態が厚かった
想定より少ない 条件が厳しかった、範囲が狭かった、地区の実態が薄かった

統計から立てた目安とずれるのは、ある程度当然です。住宅・土地統計調査は標本調査による推計値で、基準日は2023年10月1日。市の数字を町丁目に当てはめれば、実態から離れます。

処理能力と照らす

件数が処理能力を超えていないかも確認してください。週20件で3か月かけて一巡させるなら、およそ240件が目安です

大幅に超えている場合、優先順位をつけて着手する範囲を絞ることになります。すべてに手をつけようとすると、どれも中途半端になります。

②網羅性を確認する

指定した範囲が歩き切られているかを見ます。地図上で空白の区画がないかを確認するのが早い方法です。

確認 見方
範囲の端まで記録があるか 地図の境界付近を見る
不自然な空白がないか 住宅地なのに記録がない区画
指定した町丁目がすべて含まれるか 集計表と照合する

空白があっても、対象が存在しないだけということもあります。共同住宅ばかりの区画で戸建てを探していれば、記録がないのは当然です。

気になる箇所があれば、調査会社に確認してください。歩いたが対象がなかったのか、範囲から漏れていたのかは、記録を見れば分かります。

誤判定は一定割合で生じる

調査は公道から外観を確認する形で行います。この方法である以上、誤差は避けられません

長期入院や長期出張で郵便物が溜まっている、使っていない部屋のカーテンだけが開いている、高齢で庭木の手入れができていない。居住中でも空き家に見える状態は起こります

逆に、所有者が定期的に来て郵便物を回収している、前の居住者のカーテンが残っている。空き家でも居住中に見えることがあります

だから複数の材料を突き合わせて判断しますが、それでも100%にはなりません。一定の誤差がある前提で使ってください。

③判定の精度を確認する

精度を知る最も確実な方法は、数件を実際に見に行くことです。

やること 分かること
リストから数件を選ぶ
現地を見る 記録と実際が合っているか
記録内容と照合する 状態の記録が実態に合っているか

10件も見れば、おおよその傾向は分かります。すべてを検証する必要はありません。

ずれがあれば、どういうずれかを記録してください。判定が甘い、状態の評価が実態より軽い、といった傾向が分かれば、2回目の基準に反映できます。

DMを送る前に確認する

誤判定のコストは、1通分の費用だけではありません。居住中の住宅に空き家についてのDMが届けば、受け取った側は不快に感じます

地域での評判に関わりますし、その世帯が将来の顧客になる可能性も消えます。本格的に発送する前に、一部で試すことをおすすめしています

④地番を確認する

登記情報を取得する予定であれば、地番が含まれているかを確認してください

登記情報の請求には地番が必要で、普段使っている住所(住居表示)では取得できません。地番がなければ、受け取った後に1件ずつ変換する作業が発生します。

確認 内容
地番が入っているか リストの項目を見る
形式が揃っているか 枝番の表記など
数件を実際に照合する 公図等で確認する

数百件になると、地番の割り出しだけで数日から数週間かかります。この工程が含まれているかどうかは、受け取った後の負担を大きく左右します。

⑤記録の粒度を確認する

建物の状態がどの粒度で記録されているかを見ます。使える形になっているかが判断のポイントです

状況 対応
粗すぎて優先順位がつけられない 2回目は段階を増やす
細かすぎて結局まとめ直している 2回目は段階を減らす
ちょうど使える 次回も同じ基準で

その後の対応が3通りしかないのに5段階に分かれていれば、運用でまとめ直すことになります。逆に2区分だけでは、どれから当たるべきかが分かりません。

実際に使ってみて、どちらに寄っていたかを記録しておいてください

まず1〜2地区で試してください。

中身を確認したうえで、2回目の条件を調整できます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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想定と違ったときの対応

確認の結果、想定と違っていた場合の考え方です。

状況 対応
件数が多すぎる 優先順位をつけて着手範囲を絞る。2回目は範囲を狭める
件数が少なすぎる 条件を緩める、範囲を広げる
対象が違う 目的と調査項目の対応を見直す
状態の記録が使えない 2回目は粒度を調整する
誤判定が目立つ 判定基準を見直す

対象が違っていた場合

最も影響が大きいのがこれです。リフォームや外壁塗装の提案先を探していたのに、空き家のリストが届いたというケースがあります。

この2つは正反対です。施工の提案先は、人が住んでいる築古住宅です。目的を伝えていなければ、こうしたずれが生じます。

気づいた時点で、調査会社に目的を伝えて条件を組み直してください

確認した内容を記録に残す

確認して終わりにせず、次に使える形で残してください

残すこと 次に使えること
実際の件数 次の範囲の規模を決められる
統計の目安とのずれ 同じ市の他の地区にも当てはめられる
サンプル確認の結果 判定基準の調整に使える
記録の粒度の適否 2回目の設計に反映できる
調査範囲と実施時期 次回との比較の前提になる

1回目の結果があれば、2回目以降は統計の推計値ではなく自社の実測値を基準にできます。推計の精度は、そこから大きく上がります。

接触した結果も記録する

リストを使い始めたら、発送数・返送数・反応数を記録してください

エリア別の反応率が分かれば、次はどの地区を調査すべきかが判断できます。これは統計からは出てこない、自社だけが持つ情報です。

目的によって、重視する確認が変わる

立場 とくに確認すべき項目
不動産会社 地番の有無、判定の精度
リフォーム・外壁塗装会社 対象が居住中の住宅になっているか
解体会社 状態と接道の記録が使える粒度か
自治体 網羅性、判定基準との整合

自治体は網羅性が重要になる

実態調査では、対象範囲の全件を把握することが求められる場合があります。この場合、抜けがないかの確認が最も重要です

また判定基準を仕様で定めているなら、その基準に沿って記録されているかも確認してください。次回調査との比較が成立するかどうかは、ここで決まります。

リフォームは対象の確認を最優先に

対象が空き家になっていないかを、最初に確認してください。人が住んでいない住宅では、施工の提案ができません。

「古家(居住中)」を調査項目として指定していれば、居住中の築古住宅が対象になります。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。

地図があれば網羅性の確認がしやすく、集計表があれば件数の把握がしやすくなります。用途に応じて組み合わせてください。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストかを確認したうえで、対象範囲・調査項目・判定基準・記録の粒度を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、指定された基準に沿って外観から状態を確認・記録します。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。内容についてご不明な点があれば、お問い合わせください。

確認するときの注意点

よくあるつまずき

  • 確認せずに全件へ発送する/誤判定は一定割合で生じます。まず一部で試してください
  • 統計の目安と合わないことを問題視する/推計値であり、基準日も2023年10月1日です
  • 地図上の空白をすべて漏れと考える/対象が存在しないだけの場合があります
  • 確認した内容を残さない/2回目の設計に使える材料です
  • 1件も現地を見ない/数件見れば、おおよその精度が分かります

よくあるご質問

誤判定はどれくらいありますか?

一律にお示しすることはできません。外観から判断する以上、居住中でも空き家に見える状態や、その逆が起こりうるためです。複数の材料を突き合わせて判断していますが、一定の誤差がある前提でご利用ください。

件数が想定と違ったのですが

統計は標本調査による推計値で、基準日も2023年10月1日です。市の数字を町丁目に当てはめると実態から離れます。1回目の実数が分かれば、2回目以降はそれを基準にできます。

地図に空白の区画があります

対象が存在しなかった可能性と、範囲から漏れた可能性があります。記録を確認すれば分かりますので、お問い合わせください。

記録の粒度が合いませんでした

2回目の設計で調整できます。細かすぎたか粗すぎたかをお聞かせいただければ、段階数を見直してご提案します。

条件を変えて再調査できますか?

できます。1回目の結果を踏まえて条件を調整した形で実施します。範囲を絞る、条件を緩めるといった調整も可能です。追加分は改めてお見積りします。

まとめ

納品されたら、使い始める前に5つを確認してください。件数・網羅性・判定・地番・粒度です。

そして誤判定は一定割合で生じます。公道から外観を確認する方法である以上、避けられません。居住中でも空き家に見える状態はありますし、その逆もあります。

精度を知る最も確実な方法は、数件を実際に見に行くことです。10件も見れば傾向は分かります。とくにDMを送る前には、一部で試してください。誤判定のコストは1通分の費用だけではありません

想定と違っていたら、2回目の条件に反映してください。件数、統計とのずれ、判定の傾向、記録の粒度。これらを記録しておけば、2回目以降は統計の推計値ではなく自社の実測値を基準にできます。

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