空き家所有者へのDM文面の作り方|反応が変わる3つの要素

空き家所有者へのDM文面の作り方|反応が変わる3つの要素

DMが届いたとして、その先で何が起きるか。多くの場合、封を切られる前に判断されます。差出人を見て、必要かどうかを決める。かかる時間は数秒です。

空き家の所有者は、DMを受け取り慣れています。同じような封書が、別の会社から何通も届いていることも珍しくありません。その中で読んでもらうには、他と同じ書き方では届きません。

この記事では、受け取る側がどういう状況にあるかを整理したうえで、反応を左右する3つの要素を説明します。文面のテクニックというより、何を書くべきで、何を書くべきでないかの話です。

この記事の結論

  • 受け取る人は遠方にいて、判断を保留していることが多い。急いでいない
  • 反応を左右するのは差出人の明確さ・物件の特定・次の行動の軽さの3つ
  • 「その物件について書いている」と伝わるかどうかが最も大きい。一般論のDMは読まれない
  • 不安を煽る書き方は逆効果。制度の説明は正確に、断定は避ける
  • 文面より前に、対象が正しく選ばれているかで成果の大半が決まる

受け取る人はどういう状況にあるか

文面を考える前に、相手の状況を押さえておく必要があります。空き家の所有者には、いくつか共通した特徴があります。

状況 背景 文面への影響
遠方に住んでいる 相続や転居で離れた場所にいる 物件の現状を把握していないことがある
判断を保留している 解体費用、相続の整理、親族との調整 急かされると身構える
他社からもDMが届いている 同じ情報源から複数社が接触する 差別化されていないと読まれない
売却を決めていない 実家であれば感情的な整理も必要 「売ってください」では早すぎる

共通しているのは、急いでいないということです。困っている自覚はあっても、今日明日で決める話ではありません。この前提を外すと、文面は空回りします。

相続直後は特に配慮が必要

全国で世帯が所有する空き家のうち、61.6%は相続・贈与によって取得したものです。つまり多くの所有者にとって、その物件は亡くなった家族の家です。

登記情報を見れば所有権の移転時期が分かります。移転から日が浅い場合、相手はまだ整理の途中かもしれません。文面のトーンは、この点を踏まえて調整する必要があります

反応が変わる3つの要素

①差出人が明確であること

最初に見られるのは差出人です。ここで「誰から、何の目的で届いたのか」が分からなければ、中を読まれることはありません。

会社名、所在地、連絡先、そして何をしている会社か。この4つが封筒の段階で分かる状態にしておくことが出発点です。個人名だけ、あるいは屋号だけでは警戒されます。

宅地建物取引業者であれば、免許番号の記載も信頼につながります。地域に事業所があるなら、その所在地を明記したほうが読まれやすくなります。

②その物件について書いていると伝わること

ここが最も大きく差の出る部分です

「空き家をお持ちの方へ」という書き出しは、受け取った側にとって自分宛とは限りません。名簿を買って一斉送信しているように見えます。一方、「○○町○丁目のご所有物件について」と書かれていれば、明らかに自分宛です。

書き方 受け取る側の印象
「空き家をお持ちの方へ」 誰にでも送っている。自分宛ではない
「○○町のご所有物件について」 この物件を見て送ってきている

さらに一歩進めるなら、現地を確認したうえで書いていることが伝わる要素を入れます。周辺の状況、建物の様子、近隣で動きがあることなど。地図やデータだけでは書けない内容です。

これは現地調査を行っているかどうかで、書ける内容がはっきり変わる部分です。実際に見ていないことを見たように書くのは避けてください。問い合わせがあった際に食い違いが生じます。

③次の行動が軽いこと

DMのゴールを「売却の決断」に置くと、まず動きません。判断を保留している相手に、いきなり最終決定を求めることになるためです。

現実的なゴールは、「連絡してもらうこと」です。そのためには、連絡することの負担を下げる必要があります。

負担が重い 負担が軽い
売却の意向を回答してもらう 現状を知りたいか聞く
来店を求める 電話・返信用はがき・メールなど手段を選べる
期限を切る いつでも構わないと伝える
資料を請求させる 同封しておく

「売る気はないが、今いくらくらいなのかは知りたい」という所有者は少なくありません。その入口を用意しておくかどうかで、返ってくる件数は変わります

不安を煽る書き方は逆効果

「放置すると固定資産税が6倍になります」といった書き方を見かけますが、おすすめできません。

2023年の法改正で「管理不全空家等」の区分が新設され、市区町村から勧告を受けると住宅用地特例の対象から外れる仕組みになりました。ただしこれは勧告を受けた場合の話であり、空き家であれば自動的にそうなるわけではありません。

不正確な説明は、詳しい所有者には見抜かれます。そうでない所有者には不要な不安を与えます。制度を伝えるなら正確に、断定は避けて、詳しくは市区町村の窓口や専門家へと案内する形が安全です。

やらないほうがよいこと

やりがちなこと なぜ避けるか
手書き風に見せかける 印刷と分かったときに信用を失う
「必ず」「絶対」を使う 不動産の価格や売却の可否は断定できない
金額を先に示す 現地や権利関係を確認せずに出した数字は根拠がない
期限を設ける 急かされると相手は身構える
同じ文面を何度も送る 受け取る側には重なって見える

なお、宅地建物取引業者による勧誘については業法上のルールが定められています。DMの内容や再度の連絡について判断に迷う場合は、所管の窓口や専門家への確認をおすすめします

目的によって、書くべきことは変わる

立場 主な目的 文面で伝えること 次の行動として求めること
不動産会社 売却・買取の提案 その物件を把握していること、選択肢があること 現状を知るための問い合わせ
リフォーム・外壁塗装会社 施工の提案 近隣での施工実績、外観から見た状態 点検・見積りの依頼
自治体 実態把握、管理の働きかけ 制度の内容、相談窓口の案内 窓口への相談、意向の回答

リフォームや外壁塗装の場合、対象は空き家ではなく居住中の築古住宅です。この場合、所有者はその家に住んでいるため、現地の状況を具体的に書けます。「近隣で施工した」という情報も効きます。

「その物件について書ける」リストをお出しします。

現地調査で確認した状態を記録しているため、一般論ではない文面が書けます。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

文面より前に決まっていること

ここまで文面の話をしてきましたが、実際には送る前の段階で成果の大半が決まっています

段階 決まること
対象の選定 そもそも空き家かどうか、居住中の住宅に送っていないか
所有者の特定 宛名が正しいか、住所が現在も有効か
文面 届いた人が読むかどうか

どれだけ文面を練っても、居住中の住宅に「空き家について」というDMが届けば、その1通は無駄になります。それどころか、受け取った側は不快に感じます。

地図やデータだけで判断すると、この誤りは防げません。郵便受けの状態、カーテンの有無、庭木の伸び方といった判断材料は、現地で近づいて初めて分かるものです。

また、現地を確認していれば文面に書ける材料も増えます。物件の状態、周辺の様子、地区の状況。一般論ではない内容を書けるかどうかは、リストの作り方で決まります。

費用・納品物

弊社では、現地調査から所有者の特定、DMの発送までを一括してご依頼いただけます。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

調査費用は面積に対する従量制です。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

調査結果は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)の形で納品します。建物の状態を記録項目に含めておけば、文面を書く際の材料としても使えます

DMの原稿については、ご用意いただいたものを使用する形が基本です。印刷・封入・発送を1通180円(税別)で代行します。リストのみを受け取って自社で送ることもできます。

依頼から発送までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。居住中の住宅にDMを送ってしまう事態を防ぐ工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、登記情報から所有者事項を取得します。
DMの印刷・封入・発送
ご用意いただいた原稿でDMを作成し、発送まで行います。リストのみの納品にも対応します。

文面を作るときの注意点

よくあるつまずき

  • 「空き家をお持ちの方へ」で始める/誰にでも送っているように見えます。物件を特定して書いてください
  • 売却の決断を求める/相手は判断を保留しています。まず連絡してもらうことをゴールにしてください
  • 制度を不正確に伝える/詳しい所有者には見抜かれ、そうでない所有者には不要な不安を与えます
  • 見ていないことを見たように書く/問い合わせがあった際に食い違いが生じます
  • 文面だけを直して再送する/対象の選定と宛名が正しくなければ、文面をどれだけ直しても届きません

よくあるご質問

DMの原稿も作ってもらえますか?

印刷・封入・発送を代行しています。原稿はご用意いただいたものを使用する形が基本です。体裁や仕様についてご相談があれば、お問い合わせの際にお伝えください。

建物の状態を文面に使いたいのですが、記録してもらえますか?

できます。外観から確認できる範囲で状態を記録します。屋根や外壁の劣化といった項目に分けて記録することも可能です。どの粒度が必要かはヒアリング時にお伺いします。

居住中の住宅に送ってしまうことを防げますか?

現地調査で対象を確定してからリスト化するため、地図やデータだけで判断する場合と比べて誤りを減らせます。郵便受けの状態や庭木の様子など、近づかないと分からない情報を確認します。

リストだけ受け取って自社で送ることはできますか?

できます。調査で特定した地番と所有者情報をリストの形で納品しますので、そのまま自社で発送していただけます。

まず何通くらいから試すとよいですか?

受け皿の準備が整う範囲から始めることをおすすめしています。反応があったときに対応できる件数を先に決めておくと、取りこぼしを防げます。文面の調整も、一部で試してから広げるほうがしやすくなります。

まとめ

空き家の所有者は、遠方にいて、判断を保留していて、他社からも同じようなDMを受け取っています。急いでいる人はほとんどいません。

その中で反応を左右するのは3つです。差出人が明確であること、その物件について書いていると伝わること、次の行動が軽いこと。特に2つ目が大きく、「空き家をお持ちの方へ」で始まるDMと、「○○町のご所有物件について」で始まるDMでは、読まれ方がまったく違います。

そして文面より前に、送る相手が正しく選ばれているかで成果の大半が決まります。居住中の住宅に空き家のDMが届けば、文面がどれだけ良くてもその1通は無駄になります。現地で確認したリストであれば、この誤りを減らせるうえ、文面に書ける材料も増えます。

関連記事

まず1地区から、現地データをお出しします。

不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。

0120-107-209

受付 10:00〜20:00/年中無休

無料見積り相談はこちら

反響を生む配布設計をプロがご提案します

反響を生む配布設計

プロがご提案します

お気軽にご相談ください

お気軽にどうぞ 無料見積もり相談