空き家調査の年間計画をどう組むか|実施時期で結果が変わる理由

空き家調査をいつ実施するか。この判断は、思っている以上に結果を左右します。
雪に覆われていれば屋根も敷地も見えません。自社の繁忙期に納品されても、営業に回せません。調査そのものの質が同じでも、時期によって使えるかどうかが変わります。
そして継続して実施するなら、毎回同じ時期に揃えるほうが比較しやすくなります。この記事では、年間計画の組み方を整理します。
この記事の結論
- 時期を左右するのは季節・自社の繁忙期・年度の3つ
- 積雪期は判断材料が一斉に減る。初回は避ける
- 雑草の状況は季節で大きく変わる。比較するなら時期を揃える
- 納品は営業に動ける時期に合わせる
- リストの一巡期間から逆算して次の調査を計画する
記事の目次
①季節の影響
外観から確認できる情報は、季節によって変わります。
| 時期 | 影響 |
|---|---|
| 積雪期 | 屋根も敷地も雪に覆われ、判断材料が大きく減る |
| 夏場 | 雑草が伸び、放置に見えやすい |
| 落葉期 | 樹木の状態や建物の外観が見えやすくなる |
| 梅雨時 | 雨天が続くと調査日程が組みにくい |
積雪の影響が最も大きい
雪に覆われると、屋根の状態、敷地の様子、庭木の手入れ、駐車場所の使われ方が一斉に分からなくなります。
判断材料の多くが失われるため、初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。継続する場合も、積雪地では時期を固定するほうが確実です。
雑草は判断を左右する
雑草の繁茂は、管理されていないことの手がかりになります。ただし夏場と冬場では見え方がまったく違います。
夏に調査すれば放置に見える住宅も、冬に見れば分かりません。逆に冬でも草が残っていれば、長く放置されている可能性が高くなります。
どちらが正しいということではなく、時期を揃えないと比較できないということです。
継続するなら時期を固定する
調査を継続する場合、比較が成立する条件は4つです。範囲・判定基準・記録項目・そして調査時期。
このうち時期は忘れられがちですが、影響は小さくありません。1回目を夏、2回目を冬に実施すれば、雑草の状況だけで印象が変わります。
件数が増減しても、実態が変わったのか季節の影響なのか区別できなくなります。毎回同じ時期に実施することを、計画に組み込んでおいてください。
②自社の繁忙期
もうひとつ、忘れられやすいのが受け取る側の都合です。
リストは納品された時点が最も価値が高く、そこから古くなっていきます。繁忙期に届いても営業に回せなければ、その間に情報は劣化します。
| 業種 | 考慮すべき時期 |
|---|---|
| リフォーム・外壁塗装 | 塗装工事の繁忙期 |
| 不動産 | 繁忙期と閑散期の差 |
| 解体 | 年度末の工事集中 |
営業に動ける時期から逆算して依頼するほうが、リストの鮮度を活かせます。
調査から納品までの期間を見込む
調査には一定の期間がかかります。対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲を決めた段階でスケジュールをご提示します。
「来週から使いたい」という依頼には対応できません。逆算して余裕を持った依頼をおすすめします。
③年度の区切り
自治体の場合、年度が計画の単位になります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 予算要求の時期 | 調査費用の見積りが必要になる |
| 年度初め | 仕様の確定、発注手続き |
| 年度内 | 調査の実施 |
| 年度末 | 納品、集計、計画への反映 |
予算要求の段階で、おおよその費用を示す必要があります。費用は面積に対する従量制のため、予算額から調査可能な面積を逆算できます。基本料金が10,000㎡あたり1,000円(税別)であれば、予算100万円で約10平方キロメートルが目安です。
積雪地では年度内の実施が難しいことがある
年度は4月から3月ですが、積雪地では冬季の調査が困難です。実質的に使える期間が限られます。
年度末の納品を求められる場合、逆算すると発注時期がかなり早まります。この点は仕様の検討段階で織り込んでおいてください。
複数年度に分ける進め方
単年度で市域全体を調査するのが難しい場合、年度ごとに範囲を分ける方法があります。
1年目に優先度の高い地区、2年目に隣接地区、3年目に残りの範囲。予算を分散できるほか、1年目の結果を見て条件を調整できます。
ただし判定基準を変えると年度間の比較ができなくなります。変更する場合は、内容と理由を記録に残してください。
納品時期から逆算して設計します。
いつ使いたいかをお聞かせいただければ、それに合わせてスケジュールをご提案します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
一巡期間から次を計画する
リストは、使い切ってから次を作るのが基本です。使い切れていない状態で新しいリストを重ねても、成果は出ません。
| 週あたりの処理件数 | 100件を一巡する期間 |
|---|---|
| 5件 | 20週間 |
| 10件 | 10週間 |
| 20件 | 5週間 |
週20件で3か月かけて一巡させるなら、およそ240件が目安です。この規模で年に数回実施するのか、年1回まとめて実施するのか。処理能力から逆算して決めてください。
再調査のタイミング
| 立場 | 目安 | 判断材料 |
|---|---|---|
| 不動産会社 | 1〜2年 | 前回の反応率、取り壊しの進み方 |
| リフォーム・外壁塗装会社 | 3〜5年 | 塗り替え周期、施工実績の積み上がり |
| 自治体 | 計画の改定に合わせる | 空家等対策計画の期間 |
短ければよいというものではありません。前回のリストを使い切っていなければ、再調査より一巡が先です。
年間サイクルの組み方
3つの要因を踏まえると、次のような順序になります。
| 段階 | 決めること |
|---|---|
| 1 | 営業に動ける時期を確認する |
| 2 | そこから逆算して納品時期を決める |
| 3 | 調査期間を見込んで発注時期を決める |
| 4 | 季節の制約と照らし合わせる |
| 5 | 処理能力から範囲の規模を決める |
起点は「いつ使うか」です。調査の都合ではなく、営業の都合から組んでください。
積雪地は選択肢が限られる
積雪のある地域では、調査できる期間そのものが限られます。営業の都合と季節の制約が合わない場合、どちらを優先するかの判断が必要になります。
雪のない時期に調査を実施し、納品されたリストを保管しておいて営業期に使うという進め方もあります。ただしその間に情報は古くなるため、期間が空きすぎないよう注意してください。
目的によって、計画の立て方が変わる
| 立場 | 起点にすること | 注意点 |
|---|---|---|
| 不動産会社 | 営業体制と処理能力 | リストの鮮度が成果に直結する |
| リフォーム・外壁塗装会社 | 工事の繁忙期 | 閑散期に営業できる体制かを確認する |
| 解体会社 | 工事の受注状況 | 年度末の集中を避ける |
| 自治体 | 予算年度と計画の期間 | 積雪地では年度内の実施期間が限られる |
閑散期の営業に使う
リフォームや外壁塗装の場合、工事の繁忙期と営業の時期をずらすという考え方があります。
工事が立て込む時期に営業しても、対応できません。逆に閑散期であれば、営業に人を割けます。この時期にリストがあれば活用できます。
調査は工事の繁忙期に実施し、閑散期に納品を受ける。この形であれば、双方の都合が合います。
費用・期間・納品物
弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
調査期間は、対象面積と調査項目数によって変わります。範囲をうかがったうえで、費用とあわせてスケジュールをご提示します。
納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。
所有者情報を取得したうえで、DMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただくことも可能です。発送の時期もあわせてご相談ください。
弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。複数エリアで時期を揃えた実施にも対応します。
依頼から納品までの流れ
何のためのリストか、いつ使いたいかを確認します。納品時期から逆算して、調査のスケジュールをご提案します。
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。天候によって日程を調整する場合があります。
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。
時期を決めるときの注意点
よくあるつまずき
- 積雪期に初回調査を行う/屋根も敷地も雪に覆われ、判断材料が大きく減ります
- 継続調査で時期を変える/雑草の状況が変わり、比較の前提が崩れます
- 自社の繁忙期に納品を受ける/営業に回せないまま情報が古くなります
- 調査期間を見込まずに依頼する/面積と項目数によって期間が変わります
- 使い切る前に次の調査を発注する/一巡が先です
よくあるご質問
積雪期でも調査できますか?
実施自体は可能ですが、屋根も敷地も雪に覆われるため判断材料が大きく減ります。初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。継続する場合も、積雪地では時期を固定するほうが確実です。
いつ頃までに依頼すればよいですか?
いつ使いたいかをお聞かせいただければ、そこから逆算してご提案します。調査期間は対象面積と調査項目数によって変わるため、範囲とあわせてご相談ください。
雨の日はどうなりますか?
天候の状況に応じて日程を調整します。梅雨時など雨天が続く時期は、日程に余裕を持たせていただくと調整しやすくなります。
毎年同じ時期に実施できますか?
できます。継続を前提とする場合、時期を揃えるほうが比較しやすくなります。前回の実施時期をお示しいただければ、それに合わせて計画します。
複数エリアで時期を揃えられますか?
できます。47都道府県に自社ネットワークがあるため、複数エリアでの同時期の実施に対応します。ただし積雪地を含む場合は、雪のない時期にまとめて実施することをおすすめしています。
まとめ
調査の時期を左右するのは3つ。季節・自社の繁忙期・年度です。
積雪期は判断材料が一斉に減ります。屋根、敷地、庭木、駐車場所。初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。
雑草の状況も季節で大きく変わるため、継続するなら時期を固定してください。1回目を夏、2回目を冬に実施すれば、件数が増減しても実態の変化か季節の影響か区別できません。
そして起点は「いつ使うか」です。営業に動ける時期を確認し、そこから逆算して納品時期と発注時期を決める。調査の都合ではなく、営業の都合から組んでください。
あわせて、使い切れる規模を選ぶこと。週20件で3か月なら約240件が目安です。前回のリストを使い切っていなければ、再調査より一巡が先になります。
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