空き家調査の見積りに必要な3つの情報|依頼から納品までの流れ

空き家調査を依頼しようとして、問い合わせの手前で止まってしまうことがあります。何を伝えれば見積りが出るのか分からないからです。
必要なのは3つだけです。対象エリア、調査項目、そして目的。この3点が決まれば、費用と期間をお出しできます。
逆にいえば、この3つが決まっていないと見積りは出せません。とくに目的があいまいなまま発注すると、納品されたリストが使えないものになります。この記事では、それぞれをどう決めるかを整理します。
この記事の結論
- 見積りに必要なのは対象エリア・調査項目・目的の3つ
- 費用は面積に対する従量制。エリアが決まれば金額が確定する
- 目的によって同じエリアでも指定する条件が変わる
- 市の名前だけでは範囲が定まらない。町丁目まで下げる
- 初回は1〜2地区で実施し、中身を確認してから広げる
記事の目次
①対象エリア
費用は調査面積に対する従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)。つまりエリアが決まれば、その時点で金額が確定します。
市の名前だけでは足りない
「A市で」という指定では、範囲が定まりません。市の面積は自治体によって大きく違うためです。
| 比較対象 | 面積 |
|---|---|
| 高山市(岐阜県) | 約2,178㎢ |
| 香川県(全体) | 約1,877㎢ |
1つの市が1つの県より広いという状況があります。この規模を全域で指定すれば、山林を含む面積がそのまま費用に乗ります。
どう伝えればよいか
| 伝え方 | 見積りの精度 |
|---|---|
| 市区町村名のみ | おおよその規模しか出せない |
| 区・町名まで | ある程度絞り込める |
| 町丁目まで | 正確に算出できる |
| 地図で範囲を示す | 最も確実 |
弊社では町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。「この地区とこの地区」という形でお伝えいただければ、そのまま見積りに反映できます。
範囲の絞り込み方から相談したい場合も対応します。目的をお聞かせいただければ、どの範囲が適するかをご提案します。
決めるのは「どこを含めないか」
面積従量制では、範囲に含めた分だけ費用が積み上がります。住宅が密集している地区も、住宅がほとんどない山林も、面積としては同じ扱いです。
そのため、範囲を決める作業の中心は除外することになります。
- 住宅がない範囲/山林、農地、河川敷
- 目的に合わない範囲/戸建てを探すなら共同住宅が集積する地区
- 別荘地/二次的住宅が多い地域では管理された別荘を拾います
これらを外すだけで、費用は下がり、なおかつ対象の密度は上がります。
②調査項目
何を記録するかを指定します。基本の項目は次のとおりです。
| 調査項目 | 対象 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 空き家(戸建て) | 人が住んでいない戸建て住宅 | 仕入れ、買取、実態把握 |
| 空き地(更地) | 建物が建っていない土地 | 用地の確保、土地活用の提案 |
| 古家(居住中) | 人が住んでいる築古の戸建て | 施工の提案、将来の仕入れ |
| 古アパート | 築年数の経過した共同住宅 | 一棟買取、建替え、管理受託 |
| 駐車場 | 月極・コインパーキングなど | 土地活用の提案 |
| 倉庫・工場 | 使われていない事業用建物 | 遊休不動産の活用 |
| 太陽光未設置住宅 | 設置されていない一戸建て | 設置の提案 |
調査項目の追加は1項目につき200円(税別)です。基本料金に加算される形になります。
複数指定したほうが効率的
同じ範囲を歩くのであれば、複数の項目を同時に指定したほうが面積あたりの成果は上がります。後から追加すると、同じ範囲を再度歩くことになります。
納品時は項目ごとに色分けして地図に転記するため、後から用途別に分けて使えます。社内で担当が分かれている場合にも対応できます。
建物の状態も記録できる
外観から確認できる範囲で、建物の状態を記録することもできます。屋根や外壁の劣化、腐朽・破損の程度といった項目です。
この記録があると、リストを受け取った後の扱いが変わります。すぐ流通に乗せられる物件と、解体を前提に話をする物件を、最初から分けられるためです。
どの程度の粒度で記録するかは、ヒアリングの段階でご相談ください。
③目的
3つのなかで、最も重要な情報です。同じエリアを調査しても、目的が違えば指定する条件が変わります。
| 目的 | 指定する条件 | 外すもの |
|---|---|---|
| 仕入れ・買取 | 戸建ての空き家、建物の状態 | 共同住宅、別荘地 |
| 施工の提案 | 古家(居住中)、外壁・屋根の状態 | 空き家(住んでいないため対象外) |
| 用地の確保 | 空き地、駐車場、倉庫工場 | 建物が使われている物件 |
| 実態把握 | 全域、状態別の分類 | —(除外せず網羅する) |
とくに施工の提案は、対象が空き家ではありません。リフォームや外壁塗装の提案先は、人が住んでいる築古の戸建てです。目的を伝えずに「空き家調査」を依頼すると、まったく使えないリストになります。
目的が複数ある場合
1回の調査で複数の目的に対応することもできます。調査項目を複数指定すれば、用途別に分けて使えるリストになります。
たとえば「空き家(戸建て)」と「古家(居住中)」を同時に指定すれば、現在の仕入れ対象と、数年後に空き家になりうる住宅の両方を同じ地図に落とせます。
費用の目安を計算する
3つが決まれば、費用は次のように算出されます。
| 項目 | 料金(税別) |
|---|---|
| 基本料金 | 10,000㎡あたり 1,000円 |
| 追加調査(1項目) | 200円 |
| 登記情報取得(所有者事項) | 750円/件 |
| DM印刷・封入・発送代行 | 180円/通 |
1平方キロメートル(1,000,000㎡)であれば、基本料金は100,000円(税別)という計算になります。
逆算もできます。予算が決まっていれば、そこから調査可能な面積を出せます。予算50万円(基本料金分)なら約5平方キロメートルが目安です。
所有者への接触まで含める場合
調査で特定した地番をもとに、登記情報の取得とDMの発送まで一括でご依頼いただけます。
登記情報の取得は1件750円(税別)。地番の割り出しから取得、リストへの反映までを含む金額です。DMの印刷・封入・発送代行は1通180円(税別)です。
これらは件数に比例するため、調査で何件見つかるかによって総額が変わります。まず調査を実施し、件数を確認してから判断していただく形も可能です。
3つが決まれば、その場で費用をご提示できます。
エリア・調査項目・目的をお聞かせください。絞り込み方からのご相談も承ります。
まずはお気軽にお問い合わせください。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
期間はどう決まるか
調査期間は、対象面積と調査項目数によって変わります。範囲をうかがったうえで、費用とあわせてスケジュールをご提示します。
時期による制約
| 時期 | 影響 |
|---|---|
| 積雪期 | 雪に覆われると外観から得られる情報が減る |
| 繁忙期(依頼側) | リストが届いても営業に回せない |
積雪のある地域では、初回の調査は雪のない時期をおすすめしています。屋根も敷地も雪に覆われれば、状態の記録が困難になるためです。
また、依頼側の繁忙期にリストが届いても活用できません。営業に動ける時期から逆算してご依頼いただくほうが、リストの鮮度を活かせます。
発注前に社内で決めておくこと
見積りには不要ですが、納品前に決めておいたほうがよいことが3つあります。
| 決めること | 具体的に | 決まっていないと |
|---|---|---|
| 担当 | 誰がこのリストを扱うか | 誰も手をつけない |
| 件数 | 1週間あたり何件処理するか | 一巡にかかる時間が読めない |
| 期限 | いつまでに一巡させるか | 後回しになり続ける |
この3つが決まっていれば、必要なリストの規模も決まります。週20件で3か月かけて一巡させるなら、およそ240件が目安です。それに見合う範囲を設定すれば、リストが古くならないうちに使い切れます。
逆に1,000件のリストを作っても、月に20件しか処理できなければ一巡に4年かかります。最後の1件に当たる頃には、最初に調べた情報は使えなくなっています。
初回は1〜2地区で
いきなり広い範囲を発注すると、件数と中身が想定と違ったときに調整できません。
まず1〜2地区で実施し、拾える件数と中身を確認してから広げる。この進め方であれば、条件の見直しもできます。共同住宅を除くべきだった、築年数の想定が違った、状態の記録が足りなかった。これらは1回目の結果を見て初めて分かることです。
追加分は改めてお見積りします。2回目以降は、1回目の結果をもとに条件を調整できます。
納品されるもの
| 形式 | 内容 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| ゼンリン地図への転記 | 調査項目ごとに色分けして地図上に記録 | 現場を回る、担当エリアを割り振る |
| 住所・地番リスト(PDF形式) | 対象物件の住所と地番の一覧(追加料金) | 登記情報の取得、DM発送 |
| Excel件数リスト | 地区別・分類別の件数集計 | エリアの比較、社内報告 |
用途に応じて組み合わせられます。地図とリストの両方を受け取り、地図で全体を把握しながらリストで個別に当たっていくという使い方が一般的です。
依頼から納品までの流れ
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目、納品形式を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅や別荘地を除外した設定にも対応します。
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。WEB上のデータでは把握できない現況を押さえる工程です。
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。
見積りを取るときの注意点
よくあるつまずき
- 目的を伝えずに「空き家調査を」と依頼する/施工提案が目的なら、対象は空き家ではありません
- 市の名前だけで見積りを依頼する/面積は自治体によって大きく違います。町丁目まで下げてください
- 調査項目を後から追加する/同じ範囲を再度歩くことになります
- 「1件いくら」で比べようとする/面積従量制では、範囲を決めなければ単価も出ません
- 処理能力を超える規模で発注する/一巡に時間がかかるほど、後半の情報は古くなります
よくあるご質問
見積りに必要な情報は何ですか?
対象エリア、調査項目、そして何のためのリストかという目的の3つです。この3点が決まれば費用と期間をご提示できます。エリアは町丁目まで下げていただくと正確に算出できます。
範囲の絞り込みから相談できますか?
できます。目的と対象エリアをお伺いしたうえで、どの範囲を含めるか、どこを外すかをご提案します。処理できる件数をお聞かせいただければ、それに見合う規模で設計します。
調査期間はどのくらいかかりますか?
対象面積と調査項目数によって変わります。範囲をうかがったうえで、費用とあわせてスケジュールをご提示します。積雪のある地域では時期についてもご相談ください。
何件見つかるか、事前にわかりますか?
正確な件数は調査してみなければわかりません。ただし統計データからおおよその水準を見積もることはできます。ご相談いただければ、対象エリアの空き家率などをもとに目安をお伝えします。
予算に合わせて範囲を決められますか?
できます。費用は面積に対する従量制のため、予算額から逆算して調査範囲を設定できます。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)ですので、おおよその規模はこの単価で見当がつきます。
まとめ
見積りに必要なのは3つです。対象エリア、調査項目、目的。
費用は面積に対する従量制なので、エリアが決まれば金額が確定します。ただし市の名前だけでは範囲が定まりません。高山市のように1市で香川県より広い自治体もあります。町丁目まで下げてお伝えください。
調査項目は、空き家・空き地・古家・古アパート・駐車場・倉庫工場などから選べます。追加は1項目200円(税別)。同じ範囲を歩くなら、複数を同時に指定したほうが効率的です。
そして最も重要なのが目的です。同じエリアでも、目的が違えば指定する条件が変わります。とくに施工提案が目的なら、対象は空き家ではなく居住中の築古住宅になります。
初回は1〜2地区で実施し、件数と中身を確認してから広げてください。条件の見直しは、1回目の結果を見て初めてできます。
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まず1地区から、現地データをお出しします。
不動産の仕入れ、施工提案先の発掘、自治体の実態把握、それぞれに合わせた調査項目をご提案します。
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