空き家バンクに載らない物件をどう見つけるか|掲載されない理由

空き家バンクに載らない物件をどう見つけるか|掲載されない理由

空き家を探すとき、まず空き家バンクを見る方は多いと思います。自治体が運営していて、誰でも無料で閲覧できます。

ただし、バンクに載っているのは所有者が「売りたい」「貸したい」と自ら意思表示した物件だけです。逆にいえば、判断を保留している所有者の物件は載りません。

全国の放置型の空き家は385万6,000戸。一方、全国版空き家・空き地バンクの掲載件数はアットホーム版で1万1,117件です。桁が3つ違います。この記事では、載らない物件がなぜ載らないのか、どう見つけるのかを整理します。

この記事の結論

  • バンクに載るのは所有者が自ら登録した物件のみ
  • 放置型385万6,000戸に対し、掲載件数は桁が3つ違う
  • 載らない理由は制度を知らない、遠方、価値がないと思っている、判断を保留しているなど
  • 掲載物件は誰でも見られる。競合も同じ情報を見ている
  • 載らない物件を見つけるには、現地で対象を確定して所有者を追うしかない

空き家バンクとは

自治体が運営する、空き家の情報を掲載する仕組みです。所有者が自治体に登録し、それが公開されます。

各自治体が個別に運営していたものを横断検索できるようにしたのが、国土交通省の「全国版空き家・空き地バンク」です。公募で選定された2事業者(株式会社LIFULL、アットホーム株式会社)が2018年4月から本格運営しています。

項目 内容
運営 自治体(横断検索は国交省事業として2事業者が運営)
掲載される物件 所有者が自治体に登録を申し込んだもの
閲覧 誰でも無料
アットホーム版の掲載件数 1万1,117件(参画自治体888)

LIFULL版もあり、2事業者に重複して掲載されている物件もあるため単純な合計はできません。ただしいずれにせよ、全国の空き家の総数から見ればごく一部です

掲載されているのは、ごく一部

比較してみます。

数字 戸数・件数
全国の空き家(令和5年) 900万1,600戸
うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家(放置型) 385万6,000戸
全国版空き家・空き地バンク(アットホーム版)の掲載件数 1万1,117件

放置型385万6,000戸と、掲載1万1,117件。桁が3つ違います。バンクを見て「思ったより物件がない」と感じるのは、当然の結果です。

また、そもそもバンクを設置していない自治体もあります。全国版バンクへの参画自治体は888で、全国1,741の市区町村のうち約半数です。

なぜ載らないのか

所有者が登録しない理由は、いくつかに分かれます。

理由 背景
制度を知らない 遠方に住んでいて、市区町村からの情報が届いていない
判断を保留している 相続の整理、親族との調整、感情的な整理がついていない
価値がないと思っている 「こんな古い家は売れない」と考え、そもそも動いていない
手続きが面倒 登録には申請が必要。遠方だと現地確認や書類の手配が負担になる
そもそも空き家だと認識していない 「たまに使っている」「いずれ自分が住むかもしれない」

共通しているのは、所有者が能動的に動いていないということです。バンクは所有者からの申し込みを待つ仕組みなので、動いていない人の物件は永久に載りません。

相続で取得した空き家が多い

全国で世帯が所有する空き家の61.6%は、相続・贈与によって取得したものです。自分で買った家ではなく、引き継いだ家だということです。

相続で引き継いだまま、制度の変化も知らず、判断を先送りしている。この状態の所有者は、自分から自治体に登録しに行きません。

載っている物件は、競合も見ている

バンクの掲載情報は誰でも無料で閲覧できます。つまり同じ物件を、同じ地域の他社も見ています

掲載されている時点で、所有者は複数の事業者から接触を受けている可能性があります。条件面での競争になりやすい領域です。

一方、載っていない物件には、まだ誰も接触していないことがあります。所有者が動いていないぶん時間はかかりますが、競合と当たる可能性は下がります。

載らない物件をどう見つけるか

所有者が意思表示していない以上、公開されている情報から見つけることはできません。物理的に存在を確認するしかありません

工程 やること 使う手段
1. エリアの絞り込み 放置型が多い市区町村・地区を選ぶ 統計データ
2. 対象の確定 実際に使われていない住宅を特定する 現地調査
3. 所有者の特定 地番から所有者事項を取得する 登記情報
4. 接触 DM等で連絡する 郵送

このうち2の工程は、現地を歩く以外に方法がありません。統計で分かるのは市区町村単位の集計までで、どの建物が空き家かは示されないためです。

現地調査で確認できること

弊社の土地調査では、調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ確認・記録します。

記録項目 内容
使用の実態 郵便受け、カーテン、庭木、駐車の状況など複数の材料から判断
建物の状態 屋根・外壁の劣化、破損の程度
接道の状況 前面道路の幅、車両の進入可否
現存の有無 すでに取り壊されていないか
地番 登記情報の取得につなげるための特定

バンクの物件情報には載っていない、建物の状態や接道の条件まで記録できます。掲載物件であっても、実際に見なければ分からない部分です。

目的によって、使い分けが変わる

立場 バンクの使い方 現地調査の使い方
不動産会社 相場感の把握、動いている所有者の確認 まだ動いていない所有者の物件を押さえる
リフォーム・外壁塗装会社 ほぼ対象外(空き家は施工先にならない) 「古家(居住中)」で築古の持ち家を探す
自治体 登録の促進、マッチングの実施 実態把握、登録につながる候補の抽出

自治体は「載せる側」の課題がある

自治体にとっては、バンクに登録される物件を増やすこと自体が課題です。登録を待つだけでは、掲載件数は伸びません

実態調査で空き家の所在と状態を把握し、所有者に働きかける。この流れがなければ、動いていない所有者には届きません。状態の良い空き家であれば活用の候補になりますし、傷んでいれば管理不全空家等としての対応につながります。

実態調査は、措置のためだけでなく活用の入口にもなります

公開されていない物件を、現地で見つけます。

調査で対象を確定し、登記情報の取得からDM発送まで一括で対応します。
目的とエリアを伺ったうえで、調査項目と範囲をご提案します。

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受付 10:00〜20:00/年中無休

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接触には時間がかかる前提で

バンクに登録している所有者は、すでに手放す判断をしています。話は早く進みます。

一方、載っていない物件の所有者は、まだ判断していません。1回の接触で結論が出ることは少なく、時間差で動くことのほうが多くなります。

前提 対応
すぐに反応が出るとは限らない 1回の反応率だけで打ち切らない
判断のきっかけが必要 制度の変化など、正確な情報を届ける
所有者が遠方にいることが多い DMなど確実に届く手段を用意する
登記簿の住所が古い場合がある 一定の返送を織り込んで発送数を決める

発送数・返送数・反応数を記録しておけば、2回目以降の精度が上がります。時間差で動く相手を取りこぼさないためにも、記録は残しておいてください。

費用・期間・納品物

弊社の土地調査サービスの料金は、調査面積に応じた従量制です。基本料金は10,000㎡あたり1,000円(税別)、調査項目を追加する場合は1項目につき200円(税別)が加算されます。町丁目単位まで絞り込んだ範囲指定に対応しています。

項目 料金(税別)
基本料金 10,000㎡あたり 1,000円
追加調査(1項目) 200円
登記情報取得(所有者事項) 750円/件
DM印刷・封入・発送代行 180円/通

面積に対する従量制のため、調査費用は範囲の切り方でほぼ決まります。統計でエリアを絞り込んでおけば、そのぶん費用は抑えられます。

登記情報の取得は、調査で特定した地番をもとに行います。地番の割り出しから取得、リストへの反映までを含む金額です。そのままDMの印刷・封入・発送まで一括してご依頼いただけます。

納品形式は、ゼンリン地図への転記(調査項目ごとに色分け)、住所・地番リスト(PDF形式/追加料金)、Excel件数リスト(地区別・分類別集計)からお選びいただけます。

弊社は47都道府県をカバーする自社ネットワークを持ち、県境をまたぐ調査も同一の基準・フォーマットで実施できます。

依頼から納品までの流れ

目的と調査範囲のヒアリング
何のためのリストか(仕入れ/施工提案/実態把握)を確認したうえで、対象の市区町村・町丁目と調査項目を決めます。面積に応じた見積りをご提示します。
調査候補の抽出と調査地図の作成
指定条件に該当する建物・土地を選定し、調査員が使用する地図に落とし込みます。共同住宅や別荘地を除外した設定にも対応します。
現地での実地調査
調査員が対象エリアを歩き、外観から一件ずつ状態を確認・記録します。公開情報にはない現況を押さえる工程です。
地番と所有者の特定
調査結果をもとに対象の地番を割り出し、必要に応じて登記情報から所有者事項を取得します。
納品とアプローチ支援
地図・リスト・集計表の形で納品します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくこともできます。

進めるときの注意点

よくあるつまずき

  • バンクだけを情報源にする/掲載されているのは所有者が登録した物件のみです
  • 掲載件数の少なさを「物件がない」と読む/載っていないだけで、放置型は385万6,000戸あります
  • 1回の接触で判断を求める/載っていない物件の所有者は、まだ判断していません
  • 返送を織り込まずに発送数を決める/登記簿の住所が古い場合があります
  • 記録を残さない/時間差で動く相手を取りこぼします

よくあるご質問

空き家バンクに載っていない物件を調べられますか?

調べられます。現地調査で使われていない住宅を確定し、地番から登記情報を取得して所有者を特定します。所有者が意思表示していない物件も対象になります。

バンクに載っている物件との違いは何ですか?

掲載物件は所有者がすでに手放す判断をしているため、話は早く進みます。ただし誰でも閲覧できるため競合も同じ情報を見ています。載っていない物件は判断に時間がかかりますが、競合と当たる可能性は下がります。

建物の状態も分かりますか?

外観から確認できる範囲で記録します。屋根や外壁の劣化、接道の状況といった項目に分けて記録することも可能です。バンクの掲載情報には含まれない部分です。

所有者が県外に住んでいる場合も特定できますか?

できます。調査で特定した地番をもとに登記情報を取得するため、居住地が県外であっても対応します。そのままDMの印刷・封入・発送までご依頼いただくことも可能です。

自治体でも利用できますか?

ご利用いただいています。実態調査で空き家の所在と状態を把握しておけば、バンクへの登録を働きかける候補の抽出にも使えます。町丁目単位で状態別に分類した納品にも対応します。

まとめ

空き家バンクに載っているのは、所有者が自ら「売りたい」「貸したい」と登録した物件だけです。全国版バンクの掲載件数はアットホーム版で1万1,117件。放置型385万6,000戸と比べると、桁が3つ違います。

載らない理由は、制度を知らない、遠方にいる、価値がないと思っている、判断を保留している。共通しているのは、所有者が能動的に動いていないということです。バンクは申し込みを待つ仕組みなので、動いていない人の物件は載りません。

そして掲載物件は誰でも閲覧できます。同じ物件を、同じ地域の他社も見ています

載っていない物件を見つけるには、現地で対象を確定し、登記情報から所有者を追うしかありません。判断していない相手なので時間はかかりますが、その分だけ競合と当たる可能性は下がります。まずは1〜2地区で実施し、中身を確認してから範囲を広げてください。

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