ポスティング(全戸配布)仕様書の書き方|自治体向け 5項目の文例と入札で見るポイント
自治体や官公庁、学校法人、組合などがポスティングを発注するときは、仕様書をもとに見積りを集め、価格や内容を比べて業者を決めます。このとき仕様書の書き方が曖昧だと、業者ごとに前提が変わり、金額だけを並べても比較になりません。このページでは、ポスティング(全戸配布)の仕様書に入れておきたい項目を、そのまま書き写して使える文例とあわせてまとめました。配布スタンダードは全国47都道府県で行政機関の全戸配布を承っており、仕様書づくりのご相談にも対応しています。
このページの要点
仕様書は「対象・部数・期間・方法・報告」の5項目がそろっていれば、業者ごとの見積りを同じ条件で比べられます。
いちばんもめやすいのは「全戸配布」の定義です。投函できない物件をどう扱うかまで書いておきます。
報告書の内容を仕様書に明記しておくと、検収の基準がはっきりし、住民からの問い合わせにも答えられます。
記事の目次
仕様書に入れる5つの項目
| 項目 | 書くこと | 書かないと起きること |
|---|---|---|
| 対象 | 配布する区域、対象とする建物の種類、除外する建物 | 業者ごとに範囲の解釈が変わり、部数も金額も比較できない |
| 部数 | 予定部数、部数の根拠、増減の扱い | 配り切れなかった分の精算方法でもめる |
| 期間 | 開始日、完了期限、荒天時の扱い | 期限に間に合わない区域が出る |
| 方法 | 投函の方法、投函しない物件の基準、配布員の体制 | 住民からの苦情が発生する |
| 報告 | 報告書の様式、提出物、提出期限 | 検収の基準が定まらない |
項目1:対象をどう書くか
「市内全域」とだけ書くと、業者によって範囲の取り方が変わります。行政区域名で区切るのか、町丁目単位で指定するのかを決めてください。
文例
配布区域:○○市○○地区(別紙1の町丁目一覧のとおり)
対象建物:区域内の住宅(戸建住宅、集合住宅を含む)
除外する建物:事業所のみの建物、空き家として管理されている建物、配布物の投函を辞退する旨の表示がある住宅、管理者から投函を断られた集合住宅
集合住宅の扱いは特に決めておきたい点です。オートロックや管理会社の方針で投函できない建物は、どの業者が配ってもどうしても出ます。「投函できない場合は理由を添えて報告する」と書いておけば、未達分を後から把握できます。
項目2:部数と「全戸配布」の定義
「全戸配布」という言葉は、実務では「区域内の投函可能なすべての住宅に投函すること」を指します。世帯数の100%に届くことを保証するものではありません。ここを仕様書に書いておかないと、検収の段階で「全戸と言ったのに届いていない」という話になります。
文例
予定部数:○○,○○○部(令和○年○月○日現在の住民基本台帳世帯数による)
本業務における全戸配布とは、配布区域内の住宅のうち、投函が可能なすべての住宅に配布物を投函することをいう。
投函できなかった住宅については、その所在および理由を報告書に記載すること。
実配布部数が予定部数を下回った場合は、実配布部数により精算する。
部数の根拠を世帯数に置くか、業者の調査による配布可能戸数に置くかで、見積りの前提が変わります。発注側で世帯数を示したうえで「実配布部数で精算」と書くのが、いちばんもめにくい形です。
自治体の全戸配布の考え方は自治体・官公庁のポスティングで詳しく解説しています。
項目3:期間と荒天時の扱い
ポスティングは屋外作業のため、天候の影響を受けます。特に配布物が濡れると読めなくなるため、雨天時は中断するのが一般的です。完了期限だけを書いて日程の余裕がないと、無理な配布になり品質が落ちます。
文例
履行期間:契約締結の日から令和○年○月○日まで
配布期間:令和○年○月○日から令和○年○月○日まで
荒天等により配布が困難な場合は、あらかじめ発注者に報告のうえ、配布期間内で日程を調整すること。
配布の開始および完了の際は、その旨を発注者に報告すること。
項目4:配布方法と守ってもらうこと
苦情は配布会社ではなく、配布物に名前の載っている発注者に届きます。投函の仕方を仕様書で決めておくと、苦情そのものが減ります。
文例
配布物は、雨などで濡れないよう郵便受けの奥まで確実に投函すること。
郵便受けが無い場合は、玄関その他の適切な場所に投函し、屋外に放置しないこと。
配布物の投函を辞退する旨の表示がある住宅には投函しないこと。
私有地への立入りは、配布に必要な範囲にとどめること。
配布員には身分を証明できるものを携行させ、住民から求められた場合は提示すること。
住民から苦情等があった場合は、速やかに発注者に報告すること。
属性による配布先の指定は仕様書に書けません
年齢・世帯構成・所得などで配布先を絞ることはできません。ポスティングは名簿を使わない配布方法で、届け先を選ぶ手がかりは住所と建物の種類だけです。特定の層に届けたい場合は、その層が多い区域を選ぶ、という形で仕様を組みます。
項目5:報告書に求めるもの
報告書の内容は、検収の基準そのものです。次の4点を仕様書に明記しておくと、業者による差が出ません。
区域別の配布実績
町丁目など区域ごとに、予定部数と実配布部数を並べたもの。検収と住民対応の両方に使えます。
配布日と配布記録
区域ごとの配布日。GPSによる配布員の移動記録を求めると、実施の裏づけになります。
未投函物件の一覧
投函できなかった住宅の所在と理由。オートロック、辞退表示、空き家など。
現地写真
配布中の様子が分かる写真。区域ごとに枚数を指定しておくとそろいます。
文例
受注者は、配布完了後○日以内に次の書類を提出すること。
(1)配布実績報告書(区域別の予定部数および実配布部数を記載したもの)
(2)配布記録(区域別の配布日およびGPSによる配布経路の記録)
(3)未投函物件一覧(所在および投函できなかった理由を記載したもの)
(4)配布状況写真(区域ごとに○枚以上)
提出は電子データ(PDFおよび表計算ファイル)によるものとする。
仕様書の内容について、事前にご相談いただけます。
配布区域と配布物の内容をお知らせいただければ、配布可能戸数の目安、必要な日数、報告書の様式をお出しします。仕様書に載せる項目のご相談だけでも承ります。
お急ぎの場合はお電話でも承ります 0120-107-209(10:00〜20:00/年中無休)
参加資格・実績要件をどう書くか
価格だけで決めると、記録も報告も出さない業者が落札してしまうことがあります。金額以外の条件を仕様書や公告に入れておくと、実施体制のある業者が集まります。
| 条件の例 | 確認できること |
|---|---|
| 同種業務(全戸配布)の履行実績を有すること | 規模の近い配布をこなした経験があるか |
| 配布員の教育および管理体制を有すること | 配布品質を保つ仕組みがあるか |
| GPS等により配布記録を取得できること | 実施の裏づけを出せるか |
| 配布区域内に配布体制を有すること | 期限内に配り切れる人員があるか |
| 個人情報の取扱いに関する体制を有すること | 住所情報を扱う体制があるか |
複数の市区町村にまたがる配布や、都道府県単位の配布では、全域を1者で受けられるかも条件になります。配布スタンダードは47都道府県に対応しており、広域の配布を窓口ひとつ・同じ報告様式でお受けしています。
広域配布の進め方は全国一斉ポスティングの進め方、業者選定の観点はポスティング会社の選び方にまとめています。
見積りを比べるときに見るところ
同じ仕様書を渡しても、金額に差が出ます。差の理由は、たいてい次のどれかです。
| 差が出る理由 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 報告書の内容が違う | GPS記録・写真・未投函一覧が含まれているか |
| 配布可能戸数の見立てが違う | 予定部数の根拠を示してもらう |
| 配布日数の見立てが違う | 1日あたりの配布能力と投入人員を確認する |
| 再委託の範囲が違う | どの区域を自社で配り、どこを委託するか |
| 配布物の保管・仕分けが含まれているか | 納品先、保管期間、仕分けの作業範囲 |
よくあるご質問
仕様書の案を見てもらうことはできますか。
できます。配布区域と配布物の内容をお送りいただければ、実務上あいまいになりやすい箇所や、追加しておいたほうがよい項目をお伝えします。特定の業者しか満たせない条件を避けた書き方もご相談いただけます。
予定部数はどう決めればよいですか。
住民基本台帳の世帯数を上限の目安とし、投函できない建物があることを前提に、実配布部数で精算する形にしておくと過不足が出ません。区域を指定いただければ、配布可能戸数の目安をお出しします。
配布にはどのくらいの日数を見ればよいですか。
区域の広さ、住宅の密度、投入できる人員で変わります。区域と部数をお知らせいただければ必要日数をお出しします。荒天による中断を見込んで、期限には余裕を持たせてください。
複数の市区町村にまたがる配布も1者で受けられますか。
承っています。47都道府県に対応しており、区域が分かれていても窓口ひとつ、同じ仕様・同じ報告様式でお受けします。
報告書の様式は指定できますか。
指定していただけます。様式をお送りいただければその形式で提出します。ご指定がない場合は、区域別実績・配布記録・未投函一覧・写真をまとめた標準様式でご提出します。
まとめ
ポスティングの仕様書は、対象・部数・期間・方法・報告の5項目を押さえれば、業者ごとの見積りを同じ条件で比べられます。特に「全戸配布」の定義と、投函できない物件の扱い、報告書に求める内容の3つは、書いておくかどうかで検収の手間が大きく変わります。
配布スタンダードは全国47都道府県で、GISによる区域の切り出し、GPSによる配布記録、写真付きの報告書を標準でお出ししています。仕様書づくりの段階からご相談いただけます。
配布区域をお知らせいただければ、配布可能戸数と必要日数をお出しします。
仕様書の作成前の情報収集、参考見積りにも対応しています。報告書の様式サンプルもご覧いただけます。
お急ぎの場合はお電話でも承ります 0120-107-209(10:00〜20:00/年中無休)