BtoBは「誰が来るか」で決まる|法人への接点づくりと事業所配布

法人向けの取引では、最後に「この会社にしよう」と決まる前に、「この人なら任せられる」という判断が入ります。
担当者が誰か分からない会社と、顔と名前が分かる会社。条件が同じなら、後者が選ばれます。
この記事では、法人向けの接点をどう作るかを整理します。あわせて、住居への配布が届かない法人に対して、事業所へ直接届ける方法についても解説します。
この記事の結論
- 法人の決裁者は職場にいます。住居に配っても届きません
- 事業所配布なら、事務所や店舗のポストに直接届けられます
- 検討に複数人が関わるため、紙は社内で回覧されます
- 担当者の顔と名前を出すことは、法人相手ほど効きます
- ただし、担当者が変わったときの備えも必要です
記事の目次
法人の決裁者は、職場にいます
まず、届け方の前提を確認します。
住居への配布では届きません
業務用の設備、企業向けのサービス、法人契約が前提の商材。これらを検討するのは、職場にいる担当者や決裁者です。
自宅に届いたチラシを見て、翌日会社で検討するという流れは期待しにくいものです。一般のポスティングが法人向け商材に向かないのは、この理由です。
例外があります
次の場合は、住居への配布でも届きます。
- 自宅兼事務所で事業を営んでいる方
- 個人事業主、士業、教室の運営者
- 従業員向けの求人(働く人は自宅に住んでいます)
小規模な事業者を対象とするなら、住居への配布も成立します。
事業所へ直接届けるという方法
法人を対象とする場合、事業所配布という選択肢があります。
事務所や店舗のポストに届けます
住宅ではなく、事業所を対象に配布する方法です。オフィスビル、店舗、工場、事務所。そこで働く人の目に触れます。
町丁目単位でエリアを指定できるため、オフィスが集まる地区や、工業地域に絞った配布が可能です。
業種で絞ることはできません
ただし、指定できるのは「事業所であること」までです。「飲食店だけ」「建設会社だけ」といった業種での絞り込みはできません。
建物の外観から判別できる範囲が限界です。この点は、住居への配布と同じ制約です。
エリアの選び方
| 狙う対象 | 選ぶ地区 |
|---|---|
| オフィス系の企業 | 駅前のオフィス街、商業地区 |
| 製造業・物流 | 工業地域、流通団地 |
| 小売・飲食の店舗 | 商店街、ロードサイド |
| 小規模事業者・士業 | 雑居ビルが多い区画 |
紙が社内で回覧されます
法人向けの検討には、個人向けにない特徴があります。
複数人が関わります
担当者が見つけ、上長に相談し、決裁を得る。この過程で、資料が人から人へ渡ります。
ここで紙が効きます。手元にある1枚を、そのまま次の人に渡せるからです。画面上で見た情報は、共有するのに手間がかかります。
稟議に添付されます
社内で承認を得る際、比較検討した資料が添付されることがあります。紙のまま提出できる形になっていると、そのまま使われます。
だから、必要な情報を載せてください
個人向けのチラシは情報を絞りますが、法人向けでは判断に必要な情報が求められます。
- 料金体系(できれば内訳まで)
- 対応できる範囲と、できない範囲
- 導入までの流れと期間
- 実績(同業種、同規模の事例)
- 会社の所在地、設立年、担当者
「詳しくはお問い合わせを」では、社内で説明できません。稟議に添付できる程度の情報が必要です。
検討期間が長いことを前提に
法人向けの取引は、個人向けより検討に時間がかかります。予算の時期、契約更新のタイミング、現行業者との関係。動くきっかけが限られています。
したがって、1回配って反応がないのは想定内です。次のように考えてください。
- いま必要ない相手にも届いている:捨てられなければ、後で見られます
- 予算の時期に思い出してもらう:年度替わり、契約更新の前
- 繰り返し届けることで、候補に残る:比較検討時に名前が出ます
手元に残る形にしておくと、この効果が上がります。ファイルに綴じられる、机に置いておけるサイズや形状を検討してください。
事業所を対象とした配布にも対応しています。
オフィス街、工業地域、商店街。町丁目単位でエリアを指定できます。
対象となる事業所数をご提示したうえでお見積りします。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
担当者の顔と名前を出す
ここが元のテーマである「個人の発信」にあたる部分です。
法人相手ほど、人で決まります
製品やサービスの条件が近い場合、最後の判断は「誰と仕事をするか」になります。トラブルが起きたときに、連絡が取れて対応してくれる人がいるかどうか。
これは、担当者が見えていないと判断できません。会社名だけでは、相手も社内で説明しにくくなります。
載せるもの
- 担当者の氏名
- 顔写真(本人の許可を得たうえで)
- 直接つながる連絡先
- その分野での経験年数や資格
「担当:〇〇」と書いてあるだけでも、印象が変わります。問い合わせる側は、誰に聞けばよいかが分かります。
担当者が変わったときの備え
人で選ばれることには、裏返しの課題があります。
担当者が辞めると、取引が揺らぎます
その人との関係で続いていた取引は、担当が変わると見直しの対象になります。
これを避けるには、会社としての体制も同時に示しておく必要があります。
両方を示す
| 個人として示すもの | 会社として示すもの |
|---|---|
| 担当者の氏名・顔 | 設立年、実績件数 |
| 経験、資格 | 対応体制、営業時間 |
| 直接の連絡先 | 代表電話、問い合わせ窓口 |
| その人の対応方針 | 会社としての対応手順 |
個人だけを前面に出すと、その人がいなくなったときに何も残りません。会社としての情報も併記してください。
印刷物の場合、特に注意が必要です
担当者名を刷り込んだチラシは、その人が異動・退職すると使えなくなります。在庫がそのまま損失になります。
少部数ずつ刷る、あるいは代表者の名前にするといった判断が現実的です。
接点を作る順序
オフィス街か、工業地域か、商店街か。地区によって配布先が変わります。
まだ取引のない相手に、まず存在を知ってもらいます。
料金、対応範囲、実績、担当者。社内で説明できる材料が必要です。
誰が対応するのかを最初に伝えます。ここから関係が始まります。
名刺交換や取引で情報を得たら、以降はDMやメールで直接届けられます。
名簿がない段階では、配布が起点になります
取引先の名簿があればDMを送れますが、まだ取引のない相手の情報は持っていません。
事業所配布は、名簿がなくても接点を作れる手段です。そこから得た情報を蓄積すれば、以降はDMに移行できます。
効果の測り方
反応までの期間が長くなります
個人向けより検討期間が長いため、配布から数か月後に問い合わせが来ることがあります。
短い期間で集計を締めると、実態より低い数字になります。商材の検討期間に合わせて設定してください。
「以前から知っていた」を選択肢に入れる
問い合わせ時に「何でお知りになりましたか」と聞く際、この選択肢を必ず入れてください。
過去の配布で名前を覚えた相手が、ここに入ります。選択肢がなければ「その他」に埋もれます。
よくある失敗
NG例1:法人向け商材を住居に配る
決裁者は職場にいます。事業所を対象とした配布をご検討ください。
NG例2:情報を絞りすぎる
社内で説明できません。稟議に添付できる程度の情報が必要です。
NG例3:担当者名だけを前面に出す
その人がいなくなると何も残りません。会社としての情報も併記してください。
NG例4:担当者名を大量に刷り込む
異動や退職で使えなくなります。少部数ずつ刷るか、代表者名にしてください。
NG例5:短い期間で効果を判断する
検討に時間がかかります。数か月後に反応が出ることがあります。
よくあるご質問
事業所だけに配れますか?
事業所を対象とした配布に対応しています。ご希望の地区と条件をお知らせください。
業種を指定して配れますか?
建物の外観から判別できる範囲での指定になります。業種そのものでの絞り込みはできません。
配布エリアはどこまで細かく指定できますか?
町丁目単位まで指定できます。オフィス街や工業地域に絞った設計が可能です。
対象となる事業所数は分かりますか?
対象数をご提示したうえでお見積りします。予算から逆算した範囲のご提案も可能です。
継続して配布できますか?
可能です。前回の配布実績をもとに、時期や範囲を調整したご提案ができます。
まとめ
法人向けの取引は、最後に「誰と仕事をするか」で決まります。担当者の顔と名前を出すことは、法人相手ほど効きます。ただし、その人が変わったときに備えて、会社としての情報も併記してください。
そして、届け方です。法人の決裁者は職場にいるため、住居への配布では届きません。事業所を対象とした配布であれば、事務所や店舗のポストに直接届けられます。
検討に時間がかかる分、手元に残り、社内で回覧される紙の性質が活きます。稟議に使える情報を載せておいてください。