露出を増やすとは、媒体を増やすことではない|接触回数で考える

「露出を増やしたい」というとき、多くの場合は媒体の数を増やすことが想定されています。看板を出し、SNSを始め、チラシも配る。
ところが、予算が決まっている以上、媒体を増やせば1つあたりの投入量は減ります。結果として、どの媒体でも印象に残らないという状態になります。
この記事では、露出を接触回数として捉え直し、限られた予算をどう配分するかを整理します。
この記事の結論
- 露出とは媒体の数ではなく、同じ人に何回届いたかです
- 予算が同じなら、媒体を増やすほど1媒体あたりが薄くなります
- 中小規模なら、1媒体に集中して回数を確保するほうが積み上がります
- 媒体ごとに届く相手が違います。同じ人に当たらなければ回数になりません
- 広げるのは、1つ目で結果が出てからです
記事の目次
露出は、接触回数のことです
まず、言葉の意味を整理します。
1回では覚えられません
知らない会社の名前を、1度見ただけで記憶する人はほとんどいません。複数回目にして、初めて「見たことがある」になります。
したがって、露出を増やすとは同じ人に繰り返し届けることです。多くの人に1回ずつ届けることではありません。
母数と回数は、トレードオフです
予算が固定されている場合、次のどちらかしか選べません。
| 広く1回 | 狭く複数回 | |
|---|---|---|
| 届く人数 | 多い | 少ない |
| 1人あたりの接触 | 1回 | 複数回 |
| 記憶への残り方 | ほぼ残らない | 積み上がる |
| その地域での認知 | 変わらない | 上がる |
「多くの人に知られたい」という目的で広く配ると、誰にも覚えられません。ここが最も起きやすい失敗です。
媒体を増やすと、1つあたりが薄くなります
同じことが、媒体の選択にも当てはまります。
予算を3分割すると、どれも足りません
チラシ、看板、SNS広告に予算を3等分する。それぞれが、認知に必要な量に届かない可能性があります。
とくに中小規模の予算では、この分割が致命的になります。どの媒体でも「その他大勢の1社」で終わります。
まず1つに集中する
最も相性の良い媒体を1つ選び、そこに予算を集中する。そこで結果が出てから、次の媒体を足していくという順序が現実的です。
1つ目で結果が出ないなら、媒体を増やしても状況は変わりません。設計に問題があるためです。
媒体ごとに、届く相手が違います
複数の媒体を使うとき、見落とされやすい点です。別々の媒体は、別々の人に届いていることがあります。
- のぼり・看板:店の前を通る人
- POP:店に入った人
- ポスター:掲示先を訪れた人
- デジタルサイネージ:その場所を通る人
- 検索広告:そのキーワードで検索した人
- ポスティング:指定エリアの全世帯
3つの媒体に出しても、それぞれ違う人に1回ずつ届いていれば、接触回数は増えていません。
回数を積み上げるには、同じ人に当たる必要があります。商圏を絞り、その範囲内で複数の媒体を重ねる。あるいは、1つの媒体で繰り返す。どちらかです。
同じ範囲に、繰り返し届ける設計をご提案します。
予算と商圏をお伝えいただければ、範囲と回数の配分をご相談いただけます。
町丁目単位でのエリア指定に対応しています。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
媒体ごとの到達範囲
どの媒体を選ぶかは、届けたい相手がどこにいるかで決まります。
| 媒体 | 届く相手 | 範囲を広げられるか |
|---|---|---|
| のぼり・看板 | 前を通る人 | 広げられない |
| POP | すでに来店した人 | 広げられない |
| ポスター | 掲示先の利用者 | 掲示先の数まで |
| サイネージ | その場所を通る人 | 出稿先の数まで |
| 検索広告 | 検索した人 | 検索数まで |
| ポスティング | 指定エリアの全世帯 | 世帯数まで |
店の周辺だけで完結する媒体があります
のぼり、看板、POP。これらは、すでに店の前を通る人にしか届きません。まだ店を知らない層には、存在自体が伝わりません。
これらを工夫しても、来店数が増えないのはこのためです。
母数の考え方が違います
検索広告は、その地域で検索する人の数が上限です。商圏が狭いほど、この数は小さくなります。
一方、ポスティングの母数はその地区の世帯数です。検索行動に左右されません。地域を絞るほど、この差が効いてきます。
商圏の中で、接触を重ねる
効率よく回数を積み上げるには、範囲を絞ることです。
狭い範囲なら、複数の接点が重なります
店から半径1kmの範囲に絞れば、その範囲の住民は次のすべてに触れる可能性があります。
- ポストに届いたチラシ
- 前を通ったときの看板やのぼり
- 近隣の掲示板のポスター
- 検索したときの地図表示
同じ人に、複数の経路で当たります。これが接触回数の積み上げです。
広い範囲では、重なりません
市全域に配れば、大半の人にとってはチラシが1回届いただけです。店の前を通ることもなく、掲示板も見ません。
同じ予算なら、狭い範囲に集中したほうが、1人あたりの接触回数は増えます。
「知られていない」の中身を分ける
認知が足りないといっても、状態はいくつかに分かれます。それぞれ手当てが違います。
| 状態 | 必要なこと |
|---|---|
| 存在を知られていない | まず届ける。エリアを絞って繰り返す |
| 知られているが、何の店か分からない | 業種と特徴を明確にする |
| 分かっているが、行く理由がない | きっかけを作る。オファーや新情報 |
| 行きたいが、行き方が分からない | 場所、駐車場、営業時間を明示する |
どの段階かを確認してから、手を打つ
存在を知られていない段階で、割引を打っても動きません。知らない会社からの割引案内になります。
逆に、すでに知られているのに来店がない場合、配布量を増やしても解決しません。行く理由がないという別の問題です。
確認方法
来店したお客様に「当店をご存じでしたか」と聞いてみてください。「知っていたが初めて来た」という答えが多いなら、認知は足りています。
継続しないと、積み上がりません
止めると、忘れられます
認知は、放っておいて維持されるものではありません。接触が途切れれば、時間とともに薄れます。
1年に1回まとめて配るより、数か月おきに継続するほうが、認知は保たれます。同じ予算でも、配分の仕方で結果が変わります。
予算が足りないなら、範囲を狭める
継続するために回数を減らすのではなく、1回あたりの範囲を狭めてください。狭くても続けるほうが、広く1回より積み上がります。
内容は変える
同じチラシを繰り返すと、2回目以降は新しい情報がありません。季節の案内、新しく始めたこと、期間限定の内容。回ごとに変えてください。
効果の測り方
認知は、すぐには数字に出ません
問い合わせや来店は数えられますが、「名前を知った」段階は数字に現れません。
1回目の配布で反応がなくても、認知は進んでいる可能性があります。短期の数字だけで打ち切ると、積み上げた分が失われます。
「以前から知っていた」を選択肢に入れる
来店時の聞き取りで、この選択肢を用意してください。過去の接触で名前を覚えた人が、ここに入ります。
この回答が増えていれば、認知は進んでいます。直接の反応がなくても、効果は出ています。
配布実績と突き合わせる
どのエリアに何回配ったかが記録されていれば、接触回数と反応の関係が見えてきます。回数を重ねた地区で反応が増えているかを確認してください。
進め方
知られていないのか、知られているが来ないのか。手当てが変わります。
商圏と商材に最も合うものを選びます。分散させないことが要点です。
広さより、同じ人に届く回数を優先します。
年間で組みます。単発では積み上がりません。
1つ目で出ないなら、増やしても変わりません。設計を見直します。
よくある失敗
NG例1:媒体の数を増やす
予算が同じなら、1つあたりが薄くなります。まず1つに集中してください。
NG例2:広い範囲に1回ずつ配る
誰の記憶にも残りません。狭い範囲に繰り返すほうが積み上がります。
NG例3:別々の媒体で、別々の人に届ける
接触回数は増えていません。同じ人に当たる設計が必要です。
NG例4:知られていない段階で割引を打つ
知らない会社からの案内になります。まず存在を知ってもらう段階です。
NG例5:1回の反応で判断して止める
認知は数字に出るまで時間がかかります。継続しないと積み上がりません。
よくあるご質問
同じエリアに繰り返し配布できますか?
可能です。前回の配布実績をもとに、時期や範囲を調整したご提案ができます。
予算内での配分を提案してもらえますか?
ご予算と商圏をお伝えいただければ、範囲・部数・回数の組み合わせをご提案します。
配布エリアはどこまで細かく指定できますか?
町丁目単位まで指定できます。商圏の形に合わせた範囲設計が可能です。
年間の配布計画を相談できますか?
商材と予算をお伝えいただければ、時期・範囲・回数の配分をご提案します。
どのエリアから反応があったか分かりますか?
エリア単位の配布実績が記録として残るため、反響と照らし合わせて次回の配分を調整できます。
まとめ
露出を増やすとは、媒体を増やすことではありません。同じ人に、何回届いたかです。予算が同じなら、媒体を増やすほど1つあたりは薄くなります。
まず1つに集中し、繰り返せる規模に範囲を狭める。そこで結果が出てから広げる。この順序であれば、限られた予算でも認知は積み上がります。
広く1回では、誰の記憶にも残りません。狭く複数回のほうが、その地域では確実に知られていきます。