顧客データの何が配布に使えるか|エリア選定と紙面で使い分ける

顧客分析といっても、大がかりな仕組みは必要ありません。配布の設計に使えるデータは、日々の接客で取れるもので足ります。
ただし、集めたデータの使い道は分かれます。配布エリアの選定に使えるものと、紙面の内容に使えるもの。この2つを混ぜると、実行できない計画になります。
この記事では、何を集め、それをどちらに使うかを整理します。
この記事の結論
- 顧客データの使い道はエリア選定と紙面の内容に分かれます
- エリア選定に使えるのは住所だけです
- 年齢や購買履歴は、配布先の選定には使えません
- ただし紙面に何を書くかには使えます
- 必要なデータは、初回の接客で取れます
記事の目次
データの使い道は、2つに分かれます
ここが最も重要な区別です。
| データ | エリア選定 | 紙面の内容 |
|---|---|---|
| 住所(町丁目まで) | 使える | — |
| 住宅の種別 | 使える | — |
| 来店の経路・手段 | 使える | — |
| 年齢層 | 使えない | 使える |
| 来店の動機 | 使えない | 使える |
| よく出る質問 | 使えない | 使える |
| 購入した商品 | 使えない | 使える |
ポスティングで指定できるのは、場所だけです
配布先を選ぶとき、指定できるのはエリアと、建物の種別までです。年齢や購買履歴で絞ることはできません。
「30代女性が多い地区に配る」という指定は成立しません。指定できるのは町丁目までです。
それでも、年齢や動機は無駄になりません
配布先の選定には使えませんが、紙面に何を書くかを決める材料になります。
顧客の多くが「駐車場があるから来た」と答えるなら、駐車場の情報を大きく載せる。「〇〇について聞かれることが多い」なら、その答えを先に書く。データの使い先を変えれば、活きます。
エリア選定に使うデータ
① 住所(町丁目まで)
最も重要なデータです。これがあれば、実際の商圏が地図上に現れます。
番地まで必要ありません。町丁目までで十分に傾向が見えます。直近1年分でも構いません。
② 来店の手段
徒歩か、自転車か、車か、公共交通か。これが商圏の広さを決めます。
徒歩の顧客が多いなら商圏は狭く、車が多いなら広く取れます。同じ業種でも、立地によって変わります。
③ 住宅の種別
顧客が戸建てに住んでいるか、集合住宅に住んでいるか。これが分かれば、配布方法を選べます。
戸建てに偏っているなら戸建て限定配布、集合住宅が多いなら集合住宅限定という選択ができます。該当率が高いほうに絞れば、費用が下がります。
集めるのは、初回の接客時です
特別な仕組みは要りません。次の3つを聞き取り、記録するだけです。
- お住まいの地区:町丁目まで。「〇〇町のあたりです」で構いません
- 何でお知りになりましたか:選択肢を示して聞きます
- どうやって来られましたか:徒歩・自転車・車・電車
予約や受付の用紙に欄を作れば、それで足ります。システムを入れる必要はありません。
ポイントは、聞く場面を決めておくことです。「余裕があるときに」では記録が残りません。初回の受付、会計、カルテ記入。毎回必ず通る場面を1つ決めてください。
お客様の分布から、配布エリアをご提案します。
個人が特定できない形の集計データでも、傾向を踏まえた設計が可能です。
町丁目単位でのエリア指定に対応しています。
0120-107-209
受付 10:00〜20:00/年中無休
集めたデータの見方
地図に落とす
住所を地図上に印を付けていくだけで、次が見えてきます。
- 実際の商圏の形(円にはなりません)
- 顧客が集中している区画
- 近いのに顧客がいない区画
空白の理由を確認する
3つ目が重要です。近いのに顧客がいない場合、理由があります。
| 理由 | 次の判断 |
|---|---|
| 川・線路で分断されている | 配っても来ません。範囲から外します |
| 競合店がある | 攻める余地があります |
| まだ配っていない | 次回の候補になります |
| 人が住んでいない | 工場や施設。対象外です |
理由によって、次の判断が変わります。「顧客がいない=配らない」ではありません。
紙面の内容に使うデータ
「何でお知りになりましたか」の答え
チラシ、検索、紹介、通りがかり。どこからの流入が多いかが分かります。
チラシ以外が多いなら、その経路を強化する。チラシが多いなら、配布を増やす判断ができます。
来店の動機
なぜ来ようと思ったか。これが分かれば、紙面の最初の1行が決まります。
「駐車場があったから」「夜遅くまで開いているから」「近かったから」。顧客が挙げる理由を、そのまま紙面に載せてください。こちらが伝えたいことより、顧客が選んだ理由のほうが効きます。
よく出る質問
同じ質問が繰り返されるなら、それはチラシに書かれていない情報です。
料金、所要時間、予約の要否、持ち物。先に書いておけば、問い合わせの手間が減ります。
大がかりな分析は不要です
顧客分析の手法として、さまざまなフレームワークが紹介されています。ただし、ポスティングの設計に必要なのは、そのすべてではありません。
宛名を使う手法とは、前提が違います
購入頻度や購入金額で顧客を分類する手法は、宛名を使って個別に送る場合に活きます。ポスティングには宛名がないため、そのまま配布先の選定には使えません。
DMを併用しているなら、そちらで活用してください。手法には、それが機能する前提があります。
小規模なら、3項目で足ります
住所、来店経路、知ったきっかけ。この3つが記録されていれば、配布の設計はできます。
項目を増やすほど、記録する手間が増え、続かなくなります。続く仕組みにすることが優先です。
データは古くなります
直近の顧客を見る
5年前の顧客分布と、いまの分布は違うことがあります。新しい競合ができた、道路が変わった、住宅地が開発された。
分析には、直近1年程度のデータを使ってください。古いデータを混ぜると、傾向がぼやけます。
配布実績と突き合わせる
顧客の分布だけでなく、どこに配ったかも記録として残しておいてください。
「配ったのに顧客がいない地区」と「配っていないから顧客がいない地区」は、意味がまったく違います。この区別は、配布実績がないとできません。
弊社ではGPSログ、エリア単位の配布実績、写真付きレポートで配布状況をご確認いただけます。
進め方
住所(町丁目)、来店経路、知ったきっかけ。3項目から始めます。
受付用紙でも表計算でも構いません。続く形にしてください。
件数が少ないうちは傾向が見えません。まず記録を貯めます。
集中している区画と、空白の区画が見えます。
商圏の形に合わせて、町丁目単位で範囲を決めます。
次回の調整に使います。ここから精度が上がります。
よくある失敗
NG例1:年齢や購買履歴で配布先を選ぼうとする
ポスティングでは指定できません。紙面の内容に使ってください。
NG例2:項目を増やしすぎる
記録が続きません。まず3項目から始めてください。
NG例3:聞く場面を決めない
「余裕があるときに」では記録が残りません。毎回通る場面を1つ決めてください。
NG例4:空白の区画の理由を確認しない
分断されているのか、まだ配っていないのか。判断が変わります。
NG例5:古いデータを混ぜる
商圏は変化します。直近1年程度で見てください。
よくあるご質問
顧客データがあれば、エリアを提案してもらえますか?
可能です。個人が特定できない形の集計データでも、傾向を踏まえた設計をご提案できます。
配布エリアはどこまで細かく指定できますか?
町丁目単位まで指定できます。商圏の形に合わせた範囲設計が可能です。
戸建てだけ、集合住宅だけに絞れますか?
可能です。建物の種別を指定した配布に対応しています。
前回どこに配ったか記録は残りますか?
GPSログ、エリア単位の配布実績、写真付きレポートでご確認いただけます。
データがない状態でも相談できますか?
商圏や商材をお伺いしたうえで、範囲をご提案します。1回目の配布実績が、次回の材料になります。
まとめ
顧客データの使い道は2つに分かれます。エリア選定に使えるのは住所だけで、年齢や購買履歴では配布先を選べません。ただし、それらは紙面に何を書くかを決める材料になります。
必要なデータは、初回の接客で取れます。住所、来店経路、知ったきっかけ。この3項目から始めてください。項目を増やすより、記録が続く仕組みにするほうが優先です。