Instagram広告は本当に安いのか|地域ビジネスで使う前の確認事項

Instagram広告は「少額から始められる」と紹介されます。これは事実です。ただし「始めやすい」ことと「安く獲得できる」ことは別です。
1日数百円から出稿できても、1件の問い合わせを得るのにいくらかかるかは、業種と商圏によって大きく変わります。とくに商圏の狭い地域ビジネスでは、想定と違う結果になることがあります。
この記事では、出稿前に確認すべき点を整理します。なお仕様や管理画面は変更されることがあるため、実際の設定内容は公式のヘルプでご確認ください。
この記事の結論
- 少額から出せますが、獲得単価が安いとは限りません
- 商圏が狭いと配信対象が少なく、費用を使い切れないことがあります
- 強みは興味関心での絞り込みと再訪問者への配信
- 画像や動画の準備が前提。素材がないと出稿できません
- 同じ素材を出し続けると反応が落ちます。作り続ける体制が要ります
記事の目次
「低コスト」の意味を分けて考えます
広告費の話には、2つの意味が混ざりがちです。
| 意味 | Instagram広告の場合 | |
|---|---|---|
| 出稿の最低額 | 始めるのにいくら必要か | 少額から可能 |
| 獲得単価 | 1件得るのにいくらかかったか | 業種と競合状況による |
始めやすさは、安さの保証ではありません
少額から出稿できるのは事実ですが、その予算で成果が出るかは別の話です。同じキーワードや興味関心を狙う競合が多ければ、表示にかかる費用は上がります。
判断すべきは、1件の受注で得られる粗利と、1件獲得するのにかかった費用の比較です。この計算をせずに「安いから」と始めると、続けるかどうかを判断できません。
商圏が狭いと、配信対象が足りません
地域ビジネスで最も注意すべき点です。
配信できる人数には上限があります
地域を絞り、年齢や興味関心でさらに絞ると、対象となる利用者の数が小さくなります。
この状態では、予算を用意しても消化しきれません。同じ人に何度も表示されることになり、反応が落ちていきます。
絞りすぎと広げすぎの間を探すことになります
広げれば来店できない人にも配信され、絞れば対象が足りない。この調整に時間がかかります。
設定画面で対象人数の目安が表示されるため、出稿前に確認してください。極端に少ない場合、条件を見直す必要があります。
紙の配布と、母数の考え方が逆になります
ポスティングでは、その地区に何世帯あるかは決まっています。利用者数や検索行動に左右されません。
一方、Instagram広告の配信対象は、その地域に住み、そのサービスを利用し、条件に合致する人に限られます。地域が狭いほど、この人数は小さくなります。
- 都市部・広い商圏:配信対象が十分にあり、機能しやすい
- 郊外・狭い商圏:対象が少なく、消化しきれないことがある
自社の商圏がどちらかを、出稿前に確認してください。対象人数が足りない場合、紙の配布のほうが母数を確保できます。
この媒体の強み
興味関心での絞り込み
地域や年齢に加えて、利用者の関心や行動に基づいた配信ができます。紙の配布では実現できない絞り込みです。
ただし、これは推定に基づくものです。完全に正確とは限らないという前提で使ってください。
再訪問者への配信
自社サイトを訪れた人や、既存の顧客情報をもとにした配信も可能です。一度接点があった相手に、改めて届けられます。
なお、顧客情報を用いる場合は、取得時の利用目的の範囲内かを確認してください。個人情報の取り扱いについては、個人情報保護委員会の資料や専門家にご確認ください。
視覚で伝わる商材に向きます
飲食、美容、アパレル、住宅の内装。写真や動画で魅力が伝わる商材では、この媒体の特性が活きます。
逆に、料金体系や条件の説明が中心になる商材では、伝えられる情報量に限りがあります。
素材の準備が前提です
見落とされやすい点です。画像や動画がなければ、出稿できません。
用意するもの
- 商品やサービスが伝わる写真・動画
- 縦長の画面に合わせた素材
- 短い文言(長文は読まれません)
- 遷移先のページ
同じ素材を出し続けると、反応が落ちます
同じ人に繰り返し表示されるため、時間が経つほど反応率は下がる傾向にあります。
そのため、定期的に素材を差し替える必要があります。作り続ける体制がないと、運用が止まります。
紙のチラシは1回作れば同じものを配り続けられますが、この媒体では作り続けることが前提になります。ここは運用負荷として見込んでおいてください。
外注する場合の費用
素材制作を外注するなら、その費用も含めて採算を計算してください。広告費だけで判断すると、実際の支出と合いません。
紙の配布と組み合わせたご相談も承ります。
商圏が狭く、配信対象が確保しにくい場合の選択肢としてご検討ください。
町丁目単位でのエリア指定に対応しています。
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受付 10:00〜20:00/年中無休
効果測定はできますが、限界もあります
数値は細かく取れます
表示回数、クリック数、そこからの申込み。紙の配布に比べて、数値が細かく把握できます。
ただし、来店は追えません
広告を見て後日来店した人は、数値に現れないことがあります。とくに店舗ビジネスでは、この取りこぼしが生じます。
「何でお知りになりましたか」を来店時に聞き取る運用と組み合わせると、実態に近づきます。紙の配布と同じ課題です。
表示できない内容があります
媒体ごとに、掲載できる内容の基準が定められています。
審査があります
出稿した広告は審査を経て配信されます。基準に合致しないと判断されると、配信されません。
とくに次のような分野では、追加の制限や手続きが求められることがあります。
- 医療・健康関連
- 金融サービス
- 不動産、雇用、信用に関わる内容
- アルコール、その他規制のある商材
法令上の規制も別に存在します
媒体の基準とは別に、業種ごとの広告規制があります。整骨院・鍼灸院、医療機関、保険。これらは掲載媒体を問わず適用されます。
紙のチラシで書けない内容は、Instagram広告でも書けません。媒体を変えても、規制は変わりません。
紙との使い分け
| Instagram広告 | ポスティング | |
|---|---|---|
| 配信対象の母数 | 利用者数に依存する | 世帯数で決まる |
| 狭い商圏 | 対象が足りないことがある | 母数が確保できる |
| 絞り込み | 興味関心まで可能 | 地区まで |
| 素材 | 作り続ける必要がある | 1回作れば使い続けられる |
| 手元に残るか | 残らない | 残る |
| 届く相手 | その媒体の利用者 | 指定エリアの全世帯 |
どちらかを選ぶ必要はありません
役割が違うため、併用が成立します。広く名前を知ってもらう紙と、関心のある層に届ける広告。予算の配分で調整してください。
商圏の広さで比重が変わります
都市部で商圏が広いなら、Instagram広告の比重を上げられます。郊外で商圏が狭いなら、紙の比重を上げるほうが母数を確保できます。
始める前の確認手順
極端に少ない場合、この媒体では母数が足りません。
写真や動画がなければ、まず制作が必要です。その費用も見込んでください。
クリックした先に、判断できる情報があるかを確認します。
1件の粗利から逆算します。この基準がないと、継続の判断ができません。
最初から予算を投じないでください。1件あたりの費用を測ってから判断します。
よくある失敗
NG例1:「低コスト」を獲得単価の安さと受け取る
始めやすさと、安く獲得できることは別です。1件あたりで計算してください。
NG例2:配信対象の人数を確認せずに始める
商圏が狭いと、予算を消化しきれないことがあります。
NG例3:素材制作の費用を見込まない
広告費だけで採算を判断すると、実際の支出と合いません。
NG例4:同じ素材を出し続ける
反応は落ちていきます。差し替える体制が必要です。
NG例5:業種の広告規制を確認しない
媒体が変わっても、法令上の規制は適用されます。
よくあるご質問
紙の配布と組み合わせられますか?
役割が違うため、併用が可能です。商圏の広さに応じて、比重をご相談いただけます。
配布エリアはどこまで細かく指定できますか?
ポスティングでは町丁目単位まで指定できます。商圏の形に合わせた範囲設計が可能です。
少ない部数から試せますか?
中小企業や地域店舗の小ロットのご依頼にも対応しています。想定部数をお知らせください。
どのエリアから反応があったか分かりますか?
エリア単位の配布実績が記録として残るため、反響と照らし合わせて次回の配分を調整できます。
印刷から依頼できますか?
印刷から配布まで一括で対応できます。既にお持ちの印刷物を配布することも可能です。
まとめ
Instagram広告は少額から始められますが、獲得単価が安いことの保証にはなりません。1件の粗利から目標を決め、実測してから判断してください。
そして地域ビジネスで注意すべきは、配信対象の人数です。商圏が狭いほど対象は小さくなり、予算を使い切れないことがあります。出稿前に人数の目安を確認してください。
母数が足りない場合、世帯数で母数が決まる紙の配布という選択肢があります。どちらか一方ではなく、商圏の広さに応じて比重を決めるのが現実的です。
※仕様や管理画面は変更されることがあります。実際の設定内容は、公式のヘルプでご確認ください。