日暮里駅のサンプリング|数十メートルで区と警察署が変わる駅前

日暮里駅のサンプリング|数十メートルで区と警察署が変わる駅前

日暮里駅の前でサンプリングをしたい。そう決めたあとに最初につまずくのは、配布物でも人員でもありません。どこに立つかを決める段階です。

日暮里駅には、JR東日本・京成電鉄・東京都交通局の3社局が乗り入れています。駅の周りは、道路と鉄道事業者の敷地と民間の敷地が入り組んでいます。そのうえ駅のすぐ西側には区の境が通っており、数十メートル歩くと荒川区から台東区に変わります。

「日暮里駅前」と決めただけでは、誰に許可を求めるかが決まりません。この記事では、日暮里駅で街頭配布を計画するときに何を先に確定させておくかを、順を追って整理します。

この記事の結論

  • 「日暮里駅前」という指定では申請先が決まりません。決まるのは、その地点が道路なのか敷地なのかと、どの警察署の管轄かの2点です
  • 日暮里駅の周辺は数十メートルで区が変わります。駅の所在地は荒川区(荒川警察署)で、西口から谷中方面へ進むと台東区(下谷警察署)に入ります
  • 道路使用許可の申請先は、その道路の場所を管轄する警察署です。警視庁は、管轄違いの申請は補正が必要になると案内しています
  • 鉄道事業者の敷地内で配る場合、確認する相手は警察ではなく敷地の管理者です。日暮里駅は3社局が乗り入れているため、区域によって相手が変わります
  • JR東日本の日暮里駅は、乗車人員のうち定期券を使わない利用が約48%です。通勤客だけを想定した紙面では、届く相手を取り逃がします

日暮里駅はどれくらいの人が使う駅か

JR単独で1日10万人を超えます

JR東日本が公表している2024年度のデータでは、日暮里駅の1日平均乗車人員は107,077人です。同社の駅では28位にあたり、前年度比は104.8%でした。

ここで注意していただきたいのは、乗車人員が乗った人だけの数だという点です。降りた人は含まれていません。日暮里駅には京成電鉄と日暮里・舎人ライナーも乗り入れていますから、実際に駅を通る人はこれより多くなります。

ただし、各社局が公表している数字は指標がそろっていません。乗車人員を出しているところもあれば、乗降人員を出しているところもあります。乗り換え客が重複して数えられている場合もあります。単純に足し算はできませんので、数字を比べるときは、どの事業者のどの指標なのかを必ず確認してください。

定期券を使わない利用が約半分を占めます

同じ資料から、内訳を見てみます。日暮里駅の乗車人員107,077人のうち、定期外は51,756人です。全体の約48%にあたります。

1日平均乗車人員 うち定期外 定期外の割合
日暮里 107,077人 51,756人 約48%
西日暮里 89,606人 37,672人 約42%
北千住 198,732人 61,041人 約31%

※JR東日本「各駅の乗車人員 2024年度」より作成しました。割合は乗車人員に占める定期外の比率を計算したものです。

ひとつ隣の西日暮里と比べても、日暮里は定期外の比率が6ポイントほど高くなっています。北千住との差はさらに開きます。

ここから読み取れることは限られます。定期外には、観光や買い物で来た人だけでなく、定期券を持たない通勤者やたまに使う人も含まれるからです。定期外の比率をそのまま観光客の比率として読むことはできません。分かるのは、日暮里駅が通勤・通学の定期利用だけでは説明できない駅だということまでです。それでも、配布物の内容を通勤客向けに寄せきってよいかを考え直す材料にはなります。

「日暮里駅前」では配布場所が決まりません

立つ場所が道路か敷地かで、相手が変わります

街頭配布の準備で最初に決めるべきことは、立つ地点が誰の管理下にあるかです。ここで手続きの相手が分かれます。

立つ場所 確認する相手
道路(歩道を含みます) その場所を管轄する警察署
鉄道事業者の敷地・構内 その鉄道事業者
商業施設や店舗の敷地 施設や店舗の管理者

見た目では区別がつきにくい場所があります。駅前の広場のように、通り抜けができて誰でも歩ける場所であっても、道路とは限りません。現地を見ただけでは判断できないと考えて、必ず事前に確認してください。

日暮里駅は3社局が乗り入れています

日暮里駅には、JR東日本の各線、京成電鉄の本線、東京都交通局の日暮里・舎人ライナーが乗り入れています。駅の敷地の管理者がひとつとは限りません。

「駅の入口のところで」と口頭で指定されたとき、その地点が道路なのか、どの事業者の敷地なのかは、地図の上では見分けがつきません。配布計画を立てる段階で、地図に印をつけたうえで確認する作業が必要になります。

数十メートルで区と警察署が変わります

駅の所在地は荒川区、西へ進むと台東区です

日暮里駅の所在地は、東京都荒川区西日暮里二丁目です。西日暮里一丁目から六丁目までは、荒川警察署の管轄にあたります。

一方、西口を出て御殿坂を上がっていくと、台東区谷中に入ります。谷中一丁目から七丁目までは、下谷警察署の管轄です。荒川警察署は荒川区荒川三丁目にあり、下谷警察署は台東区下谷三丁目にあります。窓口の場所も別々です。

谷中銀座商店街は2つの区にまたがっています

日暮里駅の西側で人が多く集まる場所として、谷中銀座商店街があります。この商店街は、台東区谷中三丁目と荒川区西日暮里三丁目にまたがっています。全長は170メートルほどです。通り1本の中で区が変わります

商店街の入口にあたる階段、通称「夕やけだんだん」は、荒川区西日暮里三丁目にあります。階段を下りて商店街を進んでいくと台東区側に入ります。

場所 所轄の警察署
日暮里駅の所在地(西日暮里二丁目) 荒川区 荒川警察署
夕やけだんだん(西日暮里三丁目) 荒川区 荒川警察署
谷中銀座商店街の西日暮里側 荒川区 荒川警察署
谷中銀座商店街の谷中側(谷中三丁目) 台東区 下谷警察署
谷中霊園(谷中七丁目) 台東区 下谷警察署

※所轄の区分は警視庁が公表している管轄区域に基づいています。番地単位で扱いが異なる区域もありますので、実際の申請前に警察署へご確認ください。

配布場所が2つの署にまたがるとき

警視庁は、道路使用許可の申請先について、2署以上にまたがる場合はいずれか一方の警察署に申請するよう案内しています。一方で、あらかじめ道路使用の場所と区間を管轄する警察署を確認したうえで申請するようにも求めており、管轄違いの申請は補正が必要になるとしています。

またがるかどうかの判断自体が現地の状況によりますので、地図に配布地点を落としたうえで、事前に相談してください。

道路使用許可について確認しておくこと

どのような行為が対象になるのか

道路を通行以外の目的で使用する場合、その場所を管轄する警察署長による道路使用許可が必要とされています。根拠は道路交通法第77条第1項です。

このうち第4号にあたる行為について、警視庁は東京都内での例として、祭礼行事やパレード、ロケーション、拡声器を備え付けた車両による放送宣伝、道路上で人寄せをする行為、募金や署名活動、物の販売や交付などを挙げています。いずれも一般交通に著しい影響を及ぼす場合に許可が必要という条件が付いています。

個別の配布計画がこれに該当するかどうかは、配布物や人数、立ち位置、その場所の通行量によって変わります。判断するのは所轄の警察署ですので、計画の段階で相談してください。この記事の記述は法的な判断を示すものではありません。

申請先と手続きの目安

警視庁が公表している内容から、押さえておきたい点を整理します。

項目 内容
申請先 道路の場所を管轄する警察署の交通規制係
受付時間 平日の午前8時30分から午後4時30分まで
手数料 工事・作業以外の申請は2,100円
申請の単位 原則として1行為につき1申請
オンライン申請 e-Govで可能。ただし手数料の納付は警察署の窓口

オンライン申請を使う場合でも、手数料は窓口で納めることになります。そして手数料の納付から許可証の交付までに、通常は数日を要するとされています。申請した当日に受け取れる手続きではありません

実施日が決まったら、そこから逆算して日程を組んでください。窓口が平日しか開いていない点も、計画に織り込む必要があります。交通への影響が大きくなることが予想されるものについては、申請の前に相談するよう案内されています。

駅前の配布場所選びから、まとめてご相談いただけます

どこに立つか、誰に確認するか、いつまでに手配するか。
実施までの段取りごと、配布スタンダードにお任せください。

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東口と西口では歩いている人が違います

東口から広がる区域

日暮里駅の東口側には、バスターミナルがあります。そこから東へ進むと、荒川区東日暮里の区域に入り、繊維関係の店が集まる通りが続きます。東日暮里は荒川警察署の管轄です。

この方面は、住まいと事業所が混在しています。用途によっては、街頭配布よりも各戸への投函や事業所への配布のほうが合う場合があります。

西口から広がる区域

西口を出て坂を上がると、谷中霊園があり、その先に谷中銀座商店街が続きます。前述のとおり、この方面は台東区に入る区域を含みます。

商店街は観光で訪れる人にも知られていますが、地元の生活の場でもあります。観光地だから通行人はすべて観光客だという前提で組むと、想定と実際がずれます。曜日や時間帯、天候によっても流れは変わります。配布場所を決める前に、実施を予定している曜日と時間帯に合わせて現地を見ておいてください。

日暮里駅で配布場所を決める順番

ここまでの内容を、実際の進め方の順序に置き換えます。

届けたい相手から出口を選びます
東口と西口では歩いている人の性格が変わります。まず、どちらの側で配るのかを決めてください。両方で配る場合は、2か所として計画を立てます。
立つ地点を地図の上で1点に絞ります
「駅前」ではなく、地図に印がつけられる粒度まで絞ります。申請書には実施場所を示す地図を添えることになりますので、この作業は避けて通れません。
その地点が道路か敷地かを確認します
道路であれば警察署、鉄道事業者や施設の敷地であればその管理者が相手になります。またがる場合は両方に確認してください。
管轄と該当の有無を相談します
どの警察署の管轄になるか、そして許可の対象になるかを確認します。配布人数や立ち位置についても、この段階で伝えておくと後戻りが減ります。
実施日から逆算して申請します
窓口は平日のみで、交付までに数日かかります。実施日の直前ではなく、日程が固まった時点で動いてください。

よくあるNG例

NG例1:「日暮里駅前」のまま計画を進める
駅前という指定では、道路なのか敷地なのか、どの区にあたるのかが決まりません。地図の上で1点に絞るところまで進めないと、確認の相手が特定できません。

NG例2:数年前の資料に載っている配布ポイントをそのまま使う
店舗の入れ替わりや工事によって、目印にしていた建物がなくなっていることがあります。過去に実施した場所であっても、周辺の状況は変わります。実施のたびに現地を確認してください。

NG例3:立つ場所の性格を確かめないまま人を手配する
配布員の手配と許可の確認は、別々の作業です。人が押さえられていても、立てる場所が確保できていなければ実施できません。順序を逆にしないでください。

NG例4:実施日の直前に申請する
窓口の受付は平日の日中に限られ、手数料の納付から交付までにも日数がかかります。オープン日や催事の日程に合わせる場合は、その分だけ前倒しで動く必要があります。

NG例5:通勤客だけを想定した紙面にする
日暮里駅は定期券を使わない利用が約48%を占めます。朝の通勤時間帯だけを前提にした内容だと、それ以外の時間に歩いている人には合いません。配る時間帯と紙面の内容をそろえてください。

よくあるご質問

日暮里駅の構内やホームで配ることはできますか

駅の構内や敷地は鉄道事業者が管理しており、道路使用許可の話とは別になります。管理者の承諾が必要です。日暮里駅にはJR東日本・京成電鉄・東京都交通局の3社局が乗り入れていますので、どの区域にあたるかによって相談する相手が変わります。

許可の申請はどれくらい前に行えばよいですか

警視庁の案内では、道路使用許可の受付は平日の午前8時30分から午後4時30分までで、手数料の納付から許可証の交付まで通常は数日を要するとされています。e-Govによるオンライン申請の場合も、手数料は窓口で納めることになります。必要な日数は内容や警察署によって変わりますので、日程が決まった時点で所轄へご確認ください。

配布場所が2つの警察署にまたがるときはどうなりますか

警視庁は、2署以上にまたがる場合はいずれか一方の警察署に申請するよう案内しています。ただし、管轄を確認したうえで申請するようにも求めており、管轄違いの申請は補正が必要になるとしています。またがるかどうかを含めて、事前に相談してください。

何人まで配布員を立てられますか

一律の人数が決まっているわけではありません。歩道の幅や通行量、周辺の交差点や横断歩道との位置関係によって判断が変わります。人数と立ち位置を含めて、事前に相談する内容として扱ってください。

谷中方面で配れば観光で来た人に届きますか

谷中銀座商店街は観光で訪れる人にも知られていますが、地元の生活の場でもあります。曜日や時間帯によって歩いている人の構成は変わります。届けたい相手が決まっているのであれば、その相手が通る曜日と時間帯を先に確認したうえで、場所と日程を決めてください。

まとめ

日暮里駅でのサンプリングは、配布物や人員の手配より前に、立つ地点を確定させるところから始まります。その地点が道路なのか敷地なのか、どの区のどの警察署の管轄にあたるのか。この2点が決まらないと、誰に何を確認すればよいかも決まりません。

日暮里駅がやっかいなのは、この2点が短い距離で切り替わるところです。駅の所在地は荒川区西日暮里二丁目で荒川警察署の管轄ですが、西口から坂を上がれば台東区谷中に入り、下谷警察署の管轄になります。谷中銀座商店街に至っては、170メートルほどの通りの中で区が変わります。地図の上で「日暮里駅の近く」と見えている範囲に、複数の管轄が入り混じっています。

配布スタンダードでは、配布場所の選定から実施までを一括してお引き受けしています。どこに立つのが目的に合うのか、その場所は誰に確認が必要なのか、実施日から逆算していつ動くべきなのか。実施の経験がない段階からでもご相談いただけますので、計画の入口の時点でお声がけください。

立つ場所が決まらないうちからで、かまいません

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