整骨院・鍼灸院のチラシ|書ける内容と、エリアで差をつける方法

整骨院・接骨院・鍼灸院のチラシは、他業種とまったく事情が違います。書ける内容が法律で限定列挙されているからです。
「肩こり・腰痛に」「初回1,000円」「患者様の声」。よく見かける表現ですが、これらは柔道整復師法やあはき法の広告制限に抵触するおそれがあります。知らずに配ると、保健所からの指導につながります。
この記事では、法令で認められている記載範囲を整理したうえで、その制約の中でどう差をつけるかを解説します。なお具体的な判断は、必ず所轄の保健所や都道府県の担当窓口にご確認ください。
この記事の結論
- 整骨院・接骨院は柔道整復師法第24条、鍼灸院はあはき法第7条の広告制限を受ける
- これらは限定列挙方式。法律に書かれた事項以外は広告できません
- 症状名、施術内容、料金、経歴、患者の声、施術写真はいずれも認められていません
- 紙面で差をつけられないぶん、誰に届けるかで差がつきます
- 院外で配る紙はすべて広告制限の対象です
記事の目次
書ける内容が法律で決まっています
柔道整復師法第24条は、次のように定めています。施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、掲げられた事項を除くほか、広告をしてはならない——という構造です。
つまり「これは書いてはいけない」というリストではなく、「これしか書いてはいけない」というリストです。あはき法第7条も同じ構造をとっています。
広告できる事項(柔道整復師法第24条)
- 柔道整復師である旨、その氏名および住所
- 施術所の名称、電話番号、所在の場所を表示する事項
- 施術日または施術時間
- その他厚生労働大臣が指定する事項
さらに同条第2項では、これらを広告する場合でも、その内容が施術者の技能、施術方法、経歴に関する事項にわたってはならないと定められています。
院外で配る紙は、すべて対象です
ポスティングするチラシは当然として、看板、窓や扉の掲示、外から見える表示も広告の対象になります。院内での掲示や、来院された方への説明は対象外と整理されるため、伝えたい情報の置き場所を分けるのが実務的な対応になります。
書けないもの
実際の指導事例で挙げられているものを整理します。
| 書けないもの | 具体例 |
|---|---|
| 症状名 | 肩こり、腰痛、ぎっくり腰、猫背、骨盤の歪み |
| 効果・効能 | 「痛みが改善します」「歪みが治ります」 |
| 施術内容・メニュー | 施術方法の説明、流派、コース名 |
| 料金 | 「初回1,000円」「通常3,000円」保険・自費を問わず |
| 経歴・実績 | 「施術歴20年」「施術件数3万人」所属学会、得意分野 |
| 患者の声 | 体験談、口コミの掲載 |
| 施術中の写真・イラスト | 施術風景の掲載 |
| 肩書き | 院長・副院長といった表記 |
| あはき・柔整以外の資格 | 民間資格の併記 |
元の記事や他社のチラシで見かける表現の多くが、ここに含まれます。「よく見かけるから大丈夫」という判断は成り立ちません。
キャンペーン表現も同様です
「初回限定」「先着〇名様」「今なら割引」といった表現は、料金の広告にあたるため認められていません。行動を促す定番の手法が使えないという点が、この業種の最大の制約です。
整体・リラクゼーションとは適用される法律が違います
国家資格を要しない整体、カイロプラクティック、リラクゼーションサロンは、柔道整復師法・あはき法の対象外です。そのため、これらの業態のチラシを参考にすると、そのまま違反につながります。
また、同じ施設で保険施術と自費のリラクゼーションを併設している場合、広告の扱いが複雑になります。判断に迷う場合は、必ず所轄の保健所にご確認ください。
では、何を書くのか
制約が厳しいぶん、書ける情報を丁寧に載せることが差になります。
場所を、確実に伝わる形で
所在地の表示は認められています。ここを最も丁寧に作ってください。住所の文字列だけでなく、目印になる建物、最寄りの交差点、駐車場の位置。受け取った人が「うちから近い」と分かることが、来院の第一条件です。
施術日・施術時間
何曜日の何時から何時までか。仕事帰りに間に合うかどうかは、来院を左右する情報です。祝日の扱い、昼休みの有無も含めて明記してください。
厚生労働大臣が指定する事項
予約制である旨、出張施術に応じる旨、駐車設備に関する事項などが該当します。これらは通えるかどうかの判断材料になるため、該当するものは載せる価値があります。
また、医療保険療養費支給申請ができる旨についても、申請には医師の同意が必要な旨を明示する場合に限り認められるという整理があります。表記の仕方は所轄の窓口にご確認ください。
院から通える範囲に、絞って配布します。
院の場所をお伝えいただければ、通院圏に合わせて範囲を設計します。
町丁目単位での指定に対応しています。
受付 10:00〜20:00/年中無休
紙面で差がつけられないなら、エリアで差をつける
ここが、この業種のポスティング戦略の核心です。
症状も効果も料金も書けない以上、チラシの内容で他院と差をつけることは構造的に困難です。同じ商圏の整骨院は、みな同じ制約の下で、似た情報を載せることになります。
したがって、勝負どころは「誰に届けるか」に移ります。
通院圏は狭い
整骨院・鍼灸院は、症状が続く間、繰り返し通う施設です。継続できるかどうかは距離で決まります。徒歩・自転車圏、あるいは車で10分程度。この範囲を外れると、通い続けてもらえません。
広く配って新規が来ても、続かなければ意味がありません。配布範囲は、通院を継続できる距離で切ってください。
地区の性格から絞る
| 狙いたい層 | 選ぶ地区の性格 |
|---|---|
| 高齢の方 | 開発から30年以上経った住宅地 |
| 子育て世代 | 分譲から10〜20年程度の住宅地 |
| 働く世代 | 駅から徒歩圏の集合住宅 |
| 車で通える方 | 駐車場のある戸建てが多い地区 |
町丁目単位でエリアを指定できるため、地区の性格に応じた絞り込みが可能です。同じ枚数でも、どこに配るかで結果が変わります。
繰り返し配る
体の不調は、いつ起きるか分かりません。チラシを見た時点で困っていなければ、行動には移りません。必要になったタイミングで手元にあるかどうかが問われます。
同じエリアに繰り返し届けることで、この確率が上がります。配布実績が記録として残るため、回を重ねながらエリアを調整することも可能です。
広告制限に違反した場合
広告違反が疑われると、まず保健所や地方厚生局から指導が入ります。指導に従わなければ改善命令に進み、それでも改善しない場合は、より重い対応に至る可能性があります。
印刷して配ってしまってからでは、回収もできません。原稿の段階で確認しておくことが、結果的に費用も時間も節約になります。
よくある失敗
NG例1:他業種や整体院のチラシを参考にする
適用される法律が違います。国家資格を要しない業態のチラシをまねると、そのまま違反につながります。
NG例2:症状名を書く
「肩こり」「腰痛」といった症例名の記載は認められていません。よく見かける表現ですが、根拠にはなりません。
NG例3:初回料金やキャンペーンを載せる
料金の広告は保険・自費を問わず認められていません。院内掲示や来院時の説明に回してください。
NG例4:患者の声を載せる
体験談の掲載は認められていません。信頼感を出したい場合は、別の方法を検討してください。
NG例5:広い範囲に配る
通院を継続できる距離を超えると、来院しても続きません。範囲は通院圏で切ってください。
よくあるご質問
院から通える範囲だけに配れますか?
可能です。町丁目単位でエリアを指定できるため、徒歩圏や車での所要時間に合わせた設計に対応しています。
高齢の方が多い地区を選べますか?
住宅地の開発時期などから、地区の性格を踏まえた絞り込みが可能です。ご希望の条件をお知らせください。
同じエリアに繰り返し配布できますか?
可能です。前回の配布実績をもとに、時期や範囲を調整したご提案ができます。
どのエリアが効いたか分かりますか?
エリア単位の配布実績が記録として残るため、来院との関係を照らし合わせて次回の配分を調整できます。
印刷から依頼できますか?
印刷から配布まで一括で対応できます。なお広告内容の適否については、所轄の保健所等へのご確認をお願いしています。
まとめ
整骨院・接骨院・鍼灸院のチラシは、書ける内容が法律で限定列挙されています。症状名も、効果も、料金も、患者の声も載せられません。他業種のチラシ論はそのまま使えないということです。
だからこそ、差がつくのはエリア設計です。紙面の中身で他院と差別化できない以上、通院を継続できる範囲に、繰り返し届けられるかどうかが結果を左右します。原稿の内容は所轄の窓口に確認したうえで、配布の設計に力を配分してください。
通院圏に絞った配布設計を、ご提案します。
院の場所と狙いたい層をお伝えいただければ、範囲の切り方をご相談いただけます。
受付 10:00〜20:00/年中無休